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第18回ショパン国際ピアノコンクール本選出場のピアニスト87人が決定

こんにちは

世の中はオリンピック一色ですが
個人的に、5年に一度行われる
ショパン国際ピアノコンクールの予備予選が
2021/07/12〜2021/07/23まで
ワルシャワフィルハーモニー管弦楽団の
室内ホールで開催され、

YouTubeでライブ配信されていて連日釘付けでした

この度、151名の予備予選参加者のうち
出場資格を得たのは、予備予選免除者を含め
中国22名、ポーランド16名、
日本14名、韓国7名、イタリア6名を含む全87名です


ショパン国際ピアノコンクールとは

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ショパン国際ピアノコンクール
(Międzynarodowy Konkurs Pianistyczny im. Fryderyka Chopina)は、

ポーランドで現存する
国際音楽コンクールの一つで
国際音楽コンクール世界連盟メンバーです

日本語表記による正式名称は
フレデリック・ショパン国際ピアノ・コンクールです

第一次世界大戦の終結を経て
ポーランドが一国家として独立してから
9年後にあたる1927年に第1回大会を開催し

現存する国際音楽ピアノコンクールの中では
世界最古とされており、
現在はポーランド国立ショパン研究所が
コンクールを主催しています

ベルギーのエリザベート王妃国際音楽コンクールや
フランスのロン=ティボー国際コンクール等と共に
1957年に発足した国際音楽コンクール世界連盟
(ユネスコ国際音楽評議会メンバー)の
設立メンバーの一員となっています

ポーランド生まれの作曲家兼ピアニストで
ピアノの詩人の異名でも知られる
フレデリック・ショパンの解釈者を発掘することを
開催理念として掲げており、
また大会名に”ピアノコンクール”の
文言が入っていることもあってか、

コンクール自体はピアノ部門のみの開催で、
かつ課題曲は全て
ショパン作品で占めていることが特徴です

音楽コンクールの最高峰と目されており、

ロシアのチャイコフスキー国際コンクール、
ベルギーのエリザベート王妃国際音楽コンクール
と共に、世界三大コンクールと称されています

ショパン国際ピアノコンクール公式サイト

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コンクールのルール

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課題曲は、すべてショパンの作品です

コンクール出場資格は16歳以上30歳以下の
年齢制限があり
これも2005年に27歳以下であった制限が
2010年に緩和されて今に至ります

より好ましい審査のために、
毎回根本的な見直しが図られていて
例えば、かつて24の前奏曲は
抜粋演奏にならざるを得なかったのが
全曲通奏できるように変更になったそうです

第一次にノクターン、第二次にワルツ、
第三次にマズルカを課すルールを
2005年にやめたことがあり、
批判を受けて元に戻した経緯があります


コンクールの段階

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近年の審査は下記の段階を踏まれ、
1と2は募集締め切り後の早期に終えられ
通過した者だけが準備を進めることとなり
3~6は開催期間中に実施されます

1. 予備審査:書類提出
(国際的に著名な教授やピアニストの推薦状と音楽歴), DVD提出
2. 予備予選:現地演奏(開催期間前)
3. 一次予選
4. 二次予選
5. 三次予選(準本選)
6. 本選:ピアノ協奏曲


使用コンサートフルグランドピアノ

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どのメーカーのモデルも、
まんべんなく使われていることが特徴です


現行公式ピアノ
●スタインウェイD-274
スタインウェイブランドは1927年第1回から採用

●ヤマハ CFX
ヤマハブランドは1985年第11回から採用

●SHIGERU KAWAI SK-EX
カワイブランドは1985年第11回から採用

●ファツィオリF278
ファツィオリブランドは2010年第16回から採用


かつての公式ピアノ
●ベーゼンドルファー
1927年第1回から採用されていましたが
21世紀以降公式ピアノから除外されています
海老彰子さんが1980年に
ベーゼンドルファー・モデル290を使用しました


これまでの日本人の入賞者

第3回 - 原智恵子(公式上はDistinctionsで、日本人初出場者の彼女は聴衆の抗議によって特別賞が授与された)
第5回 - 田中希代子(第10位、日本人初入賞者、審査員のミケランジェリがもっと上位に来ないと怒ったことで有名)
第7回 - 中村紘子(第4位)
第8回 - 内田光子(第2位)、遠藤郁子(第8位)
第10回 - 海老彰子(第5位、ベーゼンドルファーを使用した最後の邦人入賞ピアニスト)
第11回 - 小山実稚恵(第4位)
第12回 - 横山幸雄(第3位)、高橋多佳子(第5位)
第13回 - 宮谷理香(第5位)
第14回 - 佐藤美香(第6位)
第15回 - 関本昌平、山本貴志(ともに第4位)

(Wikipediaより抜粋)



2020年開催予定が延期→2021年開催

5年に一度、ポーランドのワルシャワで行われる
ショパン国際ピアノコンクールは、

映像を提出しての予備選考を経て
4月の予備審査、10月の本審査と進みますが、

2020年に予定されていた第18回大会は
4月の予備審査への進出者が発表されたところで
新型コロナウイルス感染症の影響により、
延期となっていました

2021年7月12日から23日まで行われる
予備予選には、
152名の参加者がエントリーしました

予備予選は、10時開始の「Morning Session」と
17時開始の「Evening Session」からなり、

それぞれ、6~7名のピアニストが
30分程度の演奏を披露しました


予備予選の課題曲

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(1) 以下のグループ(a)(b)から1曲ずつのエチュードを選択

a) Op.10-1,4,5,8,12   Op.25-11
b) Op.10-2,7,10,11   Op.25-4,5,6,10

有名曲が多く、
のだめカンタービレで知られるようになったOp.10-4
『黒鍵』がOp.10-5、『革命』がOp.10-12、
『木枯らし』がOp.25-11などがあります


(2) 以下のグループから1曲

ノクターン第3番ロ長調 Op.9-3
ノクターン第7番嬰ハ短調 Op.27-1
ノクターン第8番変ニ長調 Op.27-2
ノクターン第12番ト長調 Op.37-2
ノクターン第13番ハ短調 Op.48-1
ノクターン第14番嬰ヘ短調 Op.48-2
ノクターン第16番変ホ長調 Op.55-2
ノクターン第17番ロ長調 Op.62-1
ノクターン第18番ホ長調 Op.62-2

エチュード  Op.10-3(別れの曲)、10-6、 Op.25-7


(3) 以下のグループから1曲

バラード第1番Op.23
    第2番Op.38
    第3番Op.47
    第4番Op.52
舟歌 Op.60
幻想曲 Op.49

バラード第1番は、映画『戦場のピアニスト』や
フィギュアスケートの大会羽生結弦さんが
使用されたことで広く知られるようになったと思います


(4) 以下のマズルカ集から2曲を選択

Op.17, 24, 30, 33, 41, 50, 56, 59

※以上、演奏順は自由だが
(1)の指定のエチュードは連続して演奏すること


審査員

予備予選の審査は、
ショパンコンクールの入賞者を中心に
ショパンの演奏や研究に充分な実績をもつ
11名の先生方によって行われました

ルドミル・アンゲロフ(ブルガリア) Ludmil Angelov
フィリップ・ジュジアーノ(フランス) Philippe Giusiano
アルベルト・ノゼ(イタリア) Alberto Nose
ピオトル・パレチニ(ポーランド) Piotr Paleczny
エヴァ・ポブウォツカ(ポーランド) Ewa Poblocka
カタジーナ・ポポヴァ=ズィドロン(ポーランド)Katarzyna Popowa-Zydron

ジョン・リンク(イギリス) John Rink
マルタ・ソシンスカ=ヤンチェフスカ(ポーランド)Marta Sosinska-Janczewska

ヴォイチェフ・シヴィタワ(ポーランド) Wojciech Switala
ステファン・ヴォイタス(ポーランド) Stefan Wojtas
ディーナ・ヨッフェ(イスラエル/ドイツ) Dina Yoffe


出場者

世界中から500人以上のピアニストが応募し、
映像音源を提出しました

その数のうち、164人が予選に参加しました

最後に、151人のピアニストが予選に参加し
コンペティションの規則と規則で指定された
プログラムを審査員とワルシャワの聴衆の前で
演奏しました


予選審査員によって認定された参加者のリスト

151名の予備予選参加者のうち、
出場資格を得たのは、予備予選免除者を含め
中国22名、ポーランド16名、
日本14名韓国7名、イタリア6名を含む全87名です


1. Leonora Armellini, Italy
2. J J Jun Li Bui, Canada
3. Michelle Candotti, Italy
4. Kai-Min Chang, Chinese Taipei
5. Junhui Chen, China
6. Xuehong Chen, China
7. Zixi Chen, China
8. Hyounglok Choi, South Korea
9. Federico Gad Crema, Italy
10. Aleksandra H. Dąbek, Poland
11. Alberto Ferro, Italy
12. Yasuko Furumi, Japan
13. Alexander Gadjiev, Italy/Slovenia
14. Martin Garcia Garcia, Spain
15. Eva Gevorgyan, Russia/Armenia
16. Jorge Gonzalez Buajasan, Cuba
17. Joanna Goranko, Poland
18. Chelsea Guo, U.S.A.
19. Eric Guo, Canada
20. Saaya Hara, Japan
21. Yifan Hou, China
22. Wei-Ting Hsieh, Chinese Taipei
23. Kaoruko Igarashi, Japan
24. Riko Imai, Japan
25. Junichi Ito, Japan
26. Asaki Iwai, Japan
27. San Jittakarn, Thailand
28. Jooyeon Ka, South Korea
29. Nikolay Khozyainov, Russia
30. Su Yeon Kim, South Korea
31. Aimi Kobayashi, Japan
32. Mateusz Krzyżowski, Poland
33. Jakub Kuszlik, Poland
34. Shushi Kyomasu, Japan
35. Hyuk Lee, South Korea
36. Jaeyoon Lee, South Korea
37. Xiaoxuan Li, China
38. Bruce (Xiaoyu) Liu, Canada
39. Julia Łozowska, Poland
40. Xuanyi Mao, China
41. Tomasz Marut, Poland
42. Yupeng Mei, China
43. Arsenii Mun, Russia
44. Viet Trung Nguyen, Vietnam/Poland
45. Georgijs Osokins, Latvia
46. Jinhyung Park, South Korea
47. Yeon-Min Park, South Korea
48. Jiana Peng, China
49. Leonardo Pierdomenico, Italy
50. Zuzanna Pietrzak, Poland
51. Hao Rao, China
52. Yangyang Ruan, China
53. Sohgo Sawada, Japan
54. Aristo Sham, China, Hong Kong
55. Miyu Shindo, Japan
56. Talon Smith, U.S.A.
57. Kyohei Sorita, Japan
58. Szuyu Su, Chinese Taipei
59. Hayato Sumino, Japan
60. Aleksandra Świgut, Poland
61. Rikono Takeda, Japan
62. Shun Shun Tie, China
63. Sarah Tuan, U.S.A.
64. Chao Wang, China
65. Zitong Wang, China
66. Zijian Wei, China
67. Marcin Wieczorek, Poland
68. Andrzej Wierciński, Poland
69. Victoria Wong, Canada
70. Yuchong Wu, China
71. Lingfei (Stephan) Xie, Canada/China
72. Zi Xu, China
73. Yuanfan Yang, United Kingdom
74. Anastasia Yasko, Russia
75. Andrey Zenin, Russia
76. Boao Zhang, China
77. Yilan Zhao, China
78. Ziji Zhao, China

予備予選からの本大会進出者(日本から13名、五十音順)

五十嵐薫子さん
伊藤順一さん
今井理子さん
岩井亜咲さん
京増修史さん
小林愛実さん
沢田蒼梧さん
進藤実優さん
角野隼斗さん
反田恭平さん
竹田理琴乃さん
原沙綾さん
古海行子さん


角野隼人さんは、YouTubeでおなじみ
かてぃんさんです😊



予備予選免除者

9人のピアニストが
主要なピアノコンクールで優勝することにより、
予備予選免除されています

1. Piotr Alexewicz, Poland (1 award, All Polish Piano Competition 2020, Warsaw)
2. Avery Gagliano, U.S.A. (1 award, Miami 2020)
3. Adam Kałduński, Poland (1 award, Beijing 2019 and 2 award All Polish Piano Competition 2020, Warsaw)
4. Szymon Nehring, Poland (1 award, Tel-Aviv, 2017)
5. Evren Ozel, U.S.A. (2 award, Miami 2020)
6. Kamil Pacholec, Poland (2 award, Bydgoszcz, 2019)
7. Piotr Pawlak, Poland (1 award, Darmstadt 2017 and 2 award All Polish Competition, Warsaw 2020)
8. Yutong Sun, China (2 award, Santander 2018)
9. Tomoharu Ushida, Japan (2 award, Hamamatsu 2018)


予備予選の模様を、YouTubeでアーカイブ配信

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※写真は角野隼人(かてぃん)さんです

予備予選開催中は、連日YouTubeにて
ライブ配信を行っておりましたが
見逃した方もご安心ください

アーカイブが残っております


ポーランド国立ショパン研究所公式YouTubeチャンネル

素晴らしい演奏は、何度でも視聴したいです😊


今後の日程

1次予選 STAGE I 10/3〜10/7

2次予選 STAGE II 10/9〜10/12

3次予選 STAGE III 10/14〜10/16

本選 FINAL 10/18〜10/20

入賞者披露演奏会 PRIZE-WINNERS’ CONCERTS 10/21〜10/23


ピティナ広報部noteより

ピティナ(一般社団法人全日本ピアノ指導者協会)は
「オンラインで国際コンクールを楽しむ」を
テーマにnoteを立ち上げ、
連日、ショパンコンクールの聴き方・楽しみ方を
発信しています

予備予選のルール・スケジュール・課題曲、
日本人コンテスタントの演奏日時、
課題曲のジャンル別選択数ランキングなど、
内容盛りだくさんです



選択曲ランキング

ピティナさんのnoteがランキングを出しております

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます

ワルシャワで12日間にわたり行われていた
第18回ショパンコンクールの予備予選(2021.7/12-23)は全日程が終了し、

10月の本大会への出場者が発表されました

日本からは、
YouTuberの『かてぃん』こと角野隼斗さん、
反田恭平さん、古海行子さん、
前回ファイナリストとなった小林愛実さんなど
話題のピアニストたちが予備予選を通過しました

あいにく予備予選を通過されなかった方々の演奏も
みなさん素晴らしく、毎日心を揺さぶられました

オリンピックとショパン国際ピアノコンクールが
バッティングする珍しい2021年、
長引く厳しい状況下ではありますが
スポーツや芸術で感動し、
少しでも心が豊かになればいいなぁ、と思っています

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