見出し画像

【490/1096】本能には抗える

呼吸のお稽古の日。
自然呼吸の回復を解説しながらみっちり。
自分の自然であることと、不自然なことの違いについてや、身体が「ある」のと「ない」の違いなどを体感してもらう。
前回の深呼吸の衝動のワークを2週間、毎日やりこんでくれていて、意図と本能の調和のところで、気づいた事例など共有してもらい、「そうそう!そういうところ!」となる。

意図と本能の調和と言うと、なんだか難しい感じがするかもしれないが、考えると感じるのバランスが自然であることってことだ。

日頃、考えるに気を取られていて、頭ばかりで身体はおいてけぼりになっている。だから自分は感じていないと思っている人がわりといる。
もちろん、感じてないという部分もある(身体の力みなどで)が、感じすぎていると言うのもある。

そして聞いてみると案の定だいたい感じすぎている面があるし、全然感じなくしているところもあり、感じるのバランスが崩れている。
自然呼吸の回復ワークは、そのバランスも回復するので、本当にほかのどこにもないなと毎回伝えるときに感銘をうける。

ところで、「感じる」は本能だから抗えないと思っている人がけっこういる。
実は私もそうだった。
過去の体験でトラウマとなったことについて、「それは脳神経系による自動反応であなたが意志で選べるわけではない」という学びがあり、そのことで救われたりしたので、それは選べないから仕方ないのだと刷り込んでしまったところがある。

もちろん、そのときにはそうだったのであるが、未来永劫ずっとそうであるというわけではない。
幼い頃は脳が発達途中で、処理できなかったというだけである。当たり前だが、過去と今は違うのだ。

なのに、本能には抗えないと思い込んでいたら、いつまでも脳が扁桃体にハイジャックされる状態から抜け出せない。
不安や心配、恐怖、怒りなどのネガティブ感情に強く振り回されてしまうのは、扁桃体が脳をハイジャックしているからなのである。
扁桃体が「危険だ!」と警告を発したときに、理性(海馬、前頭葉、前頭前皮質)で衝動を抑えたり、感情が暴走しないように制御するが、そのブレーキが壊れている。
つまり「考える」が正常に機能しない。

注:
扁桃体ハイジャックということばは、ダニエル・ゴールドマン博士が著書である「EQ 心の知能指数」で提唱した考え方である。

その扁桃体ハイジャックから抜け出すにはどうしたらいいか?で提唱されているのはマインドフルネスなわけだが。

でも要はどんなときも息をあげなければいいのだ。
衝撃が来ようが、刺激が入ろうが、呼吸が上がらない状態であれば、警告がきても「あ、大丈夫なんだ」と消えていくのである。

というわけで、過去に防衛の回路が開いていて使い込まれていたとしても、この自然呼吸の回復のワークをやりこんで身体に浸透させると扁桃体ハイジャックから解放される。
私の実体験ではあるが、やってる人はほかの人もそうなので手順通りやればそうなる。
だから、本能に抗えないなどということはない。

人間がまるごと生きるときに、「考える」だけでは生きられないし、「感じる」だけでも生きていけない。
その両方があり、あるものの調和がとれているというのが大事だ。

というところを今日のお稽古でも体験とともに。

では、またね。

1096日連続毎日書くことに挑戦中です。サポートしてくださるとものすごくものすごく励みになります◎ あなたにも佳いことがありますように!