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【912/1096】トラウマを癒すということ

トラウマと聞くと、なんだかすごく酷い出来事に遭ってしまった人に起きるものと思う人も多いかと思う。
事故や災害、戦争、テロなどに巻き込まれて、心に傷をおったり、強いショックを受けた後遺症のようなイメージ。

そういうトラウマももちろんあり、ショック性トラウマと言われる。PTSD(心的外傷後ストレス障害)はこのショック性トラウマが要因の、圧倒的な出来事(外傷的出来事)を経験した後に始まる、日常生活に支障をきたす強く不快な反応(フラッシュバックや悪夢、過剰な警戒心など)のことである。

それとは別に、複雑性トラウマ、発達性トラウマと呼ばれているトラウマがあり、これは人間関係のトラウマである。
幼少期、または大人になってからの継続した不適切な人間関係によるもので、ショック性トラウマとはまったくの別物である。複雑性PTSDは、PTSDの主要症状(フラッシュバックや悪夢、過剰な警戒心など)に加えて、感情の調整や対人関係に困難がある等の症状を伴い、日常生活や社会生活上に大きな支障をきたすと言われている。

この関係性のトラウマは、関係性の中でしか癒されない。
人間関係の物の捉え方がトラウマ体験によって獲得したものになっており、「世の中は危険」「誰も信用できない」「自分は無力である」という信念を構築している。
複雑性トラウマの影響は、見過ごされやすい。
継続した関わりから生まれているものであり、特定の人物(例えば親)の影響以外にも、関係している人たちからの関わりそのものがトラウマを強化するようなものになりやすいからである。
そのトラウマのせいで出続けている防衛反応が、わがまま、落ち着きがない、コミュニケーション能力に問題があるなどと捉えられて、個人の性格の問題になってしまう。
しかも、複雑性トラウマ、複雑性PTSDは、幼少期の明らかな虐待がある場合はまだしも、まったくそのような虐待的な要因が見当たらないと言う場合もある。

このトラウマの心の傷は、誰でも持っているもので、グラデーションとして現れているだけである、と学び、なるほどなあ!と思った。

トラウマは心の傷である。
心の傷が、身体の生理反応として現れる。
幼い頃に自分の身体に起きる反応を対処するための方法が、健全な形で学ばなかったので、なんだか生きづらい・・・ということにつながっている。

だから、まず自分の身体の感覚をとらえるのが大事である。
そしてそこに起きている反応に対応する方法を変えることができると、心の傷にも変化がおきる。
身体の感覚を感じないように切り離して生きてきたり、感じると大変なことが起きたので抑圧したりしてきた。
そこをつなぎ直す作業をしないといけない。
そこから、いろんな理論が役に立ってくる。
自分の体験に基づいて、理論を使うのはとても有効だと思う。

自分の身体の中に十分にいられる。
そのことがもはや、十分な癒しとなる。

人間関係のトラウマを癒す、という中には、他者との関係性だけではなく、自分との関係性も含まれる。
分断してきた自分との関係性をつなぎなおすのは、身体にいられない状態では無理で、そこは何度も何度も繰り返し、その感覚をしみこませていく必要がある。

けれども、身体と一緒に変化するのが一番安全だし、無理がない。

ということで、心と身体セラピーをやっています。

https://www.mayumiinaba.com/therapy-session

では、また。


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