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【284/1096】身体的な記憶を書き換える

284日目。いつもと同じようで、いつも違う毎日だなあと思う。


子どもが合宿に出かけるので、今朝は4時起きした。
明日はいつもより早く起きなくては!と思って寝たせいか、1時半に目が覚めて、さすがに早すぎるともう一度寝て、4時に起きる。
5時半に送り出して、6時からTCウィークの特別講座に出る。
そのあと、家事をやって一通り終わっても、まだ9時になっていなかった。

いつもより2時間くらい早起きしただけなのに、そのあと、なんとなく、時間のポケット?みたいなところに入り込んだ感じで、時間の感じがいつもと違っていた。
こういう感覚は面白いなと思う。

人間は、感覚を記憶するのはほんの一瞬しかできないらしい。
一番短い記憶が、感覚記憶。
そして、次に、感覚で注意を向けたものが短期記憶(数十秒)になり、ほとんどは忘却される。
そのうちの一部が、長期記憶になる。長期記憶は、数分から長いものは一生記憶され続けるそうだ。
長期記憶のうち、身体が覚えてると言われているもの(例えば、自転車に乗れるようになった人は、10年後も乗れるとか)は、手続き記憶と言われる。
考えなくてもできるものでもあるし、考えなくても勝手に出てきてしまうというものでもある。
(トラウマの反応も手続き記憶によるものなので。)

「イヤなことは話して手放す」というのは、間違ってはいない。カウンセリングはこの点で非常に有効だ。

しかし、トラウマの記憶は、意識的な記憶を持っていないことも多い。
意識的な記憶がないものは語れない。

では、何がトラウマを訴えるか?
身体症状である。
トラウマは身体をつかって表現される。
意識して思い出せる顕在記憶はいっさい持っていないにもかかわらず、自動的に再生されてしまう筋肉の収縮や固まりが、手続き記憶として身体に刻まれているのである。

トラウマは、記憶の障害とも言われるのだが、これは、無意識のうちに自動的に身体に動かしている手続き記憶の障害である。

この身体にある(記憶は脳(小脳と大脳基底核)でしているが)イヤな手続き記憶をどう書き換えるのか?というのが私の長年の学んできたことだ。

心理学では、忘却と再固定化という言葉がある。
パブロフの犬の話をご存じだろうか。
「音がすると餌がもらえる」ということを繰り返し学ぶと、音がするだけで唾液が出るようになるというもの。
では、この記憶をどう忘却させるか?というと、
「音がしても、餌をもらえない」ということを繰り返し学ぶのである。
そうすると、唾液が出なくなる。
つまり、忘れたのではなく、何も起こらないという新たな経験によって上書きされるのだ。
だから、きちんと「忘れる」ためには、さまざまな状況で何度も上書き学習をすることが必要ということになる。

もうひとつの再固定化は、いったん記憶したものを思い出すと、その記憶のみが不安定になって、思い出すのを止めることで、もう一度記憶され直す(再固定化される)という現象である。
人間って言うのは、なんと興味深い生き物であろうか。
不安・緊張が強い状態で苦手な場面に行き、早々にそこから逃げ出すと、なお恐怖症状が強くなってしまう。
それを逆手にとって、恐怖反応がいったん不安定化した後に、十分にリラックスした状態で同じ状況を体験できると再固定化を抑制できる可能性があるらしい。

私は脳の専門家ではないので、そこまで詳しくはないのだが、要はいったんついた手続き記憶は、繰り返し新しい学習をして上書きすること、同じような体験をリラックスした状態で「もう大丈夫」と認識することで、変えられる。

この話をなんで思い出したかというと、今朝参加したTCウィーク特別講座で、森田先生が言っていたことが、ああ、これかー!と結びついたからだ。

「きついことをやっているのだから、きついのは当たり前と思って受け流してください。」
「きついから力みたくなるけど、そこで力まないを体験すると、そのあとが楽です」
「その楽になったことを、ちゃんと認識して、脳に記憶する」
というようなことをおっしゃっていて、ほんとそのとおり!!!と朝から膝を打った。

呼吸・整体で、この新しい学習を繰り返し身体に覚えてもらうことと、リラックスした状態で再認識することをやっているのだなーと改めて実感した一日でした。

では、またね。

追伸:8月のTCウィークは22日からですよ。




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