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まほうの穴-1「カプセルへの憧れ」

カプセルへの憧れ

なにかをとじこめてくれる
まほうのくすり

じかんがとまったままの
ふしぎなくうかん

はんとうめいの
ちいさなうちゅう

よくカプセルのおかしをかってもらった

くすりみたいに、すこしきんちょうしてのみこんだ

いまのきもちのままで
ずっといられるように

ひとはかわってしまうから
こころはうつろいやすいから

まほうのくすりをのんで
こどものままでいたいから


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子どもの頃にわくわくしたものって、誰にでもありますよね。
秘密基地、探検、魔法のステッキ、宝の地図、タイムカプセル…。

私にとってのその一つに、薬を飲むというのがありました。
不思議な色をした水薬、中は開けてはいけないカプセル。
知らない世界はすべて、宇宙の広がりと同じく、無限に妄想が膨らみます。

その中でも、プチッと銀紙から押し出すカプセルは、特別なときにしか飲めない魔法の薬でした。

熱にうなされながら、ぼーっとした頭で、カプセルのことをあれこれ考えてお布団の中でうずくまっていると、気づくと夢の中の世界へダイブしていました。

大人になってからも、カプセルには何だか特別な感覚があります。
その正体は何だろう?と改めて考えて書いたのが、この詩です。

子どもながらにも、人間関係や大人になることに色々不安はあって、何かの魔法に頼りたくなる気持ち。
今だって正直あります。

そんな魔法はないんだと、すっかり本当はわかっている大人になっても。

けれど、不安を抱える子どもの私にもし今出会ったら、伝えたいこと。
「大丈夫。心配ないよ。大人の世界は楽しいよ。」
ということ。

子どものような大人になる。

それが生涯、私の一つの目標でもあります。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今後も不定期ですが、書き溜めた詩を発信していきます。

今日もあなたにとって素敵な一日になりますように。

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