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介護チーム

先日、京都で2人の医師によるALS患者さんの自殺幇助があったという事件で、患者さんに関わっていた介護チームのインタビューが載っている。

これを読んで思ったのが「この人たちのフォローはできているんだろうか」ということだ。


安楽死や自殺幇助について、ここで語るつもりはない。Twitterなどで安楽死や法律の関係はいろんな意見が出て、喧々囂々としている中で、なんとなくこの介護チームが見落とされている気がして気になった。


介護チームはその人が少しでも生きやすいように、一生懸命がんばっていただろう。そういう対象がいなくなったというだけで、喪失感は半端ないと思う。それがこれだけ大きな問題を引き起こすことになれば、何らかのショックがあって当然だ。

「どうして気がつかなかったんだろう」と自分を責める人があるかもしれない。「なんで言ってくれなかったんだろう。信用されてなかったのかな」と自信喪失する人もあるだろう。

このチームの人たちは、これからも今までと同じように介護を続けていくことができるんだろうか。患者さんに対する不信感ができたりするんじゃないだろうか。など。

考えたらきりがないくらい、この人たちは問題を抱えこんでいるだろう。それでも介護を待っている人はたくさんあるから、ゆっくりすることもできないのが現状なんじゃないだろうか。

こういうとき、周囲にいる人はなんて声をかけるんだろう。「大変だったね」だろうか。


私の友人が京都に住んでいる。そして訪問看護をやっている。たまたまこの患者さんには関わっていなかったようだが「他人事じゃない」と言っていた。

病院で看護師をしてる友人がいる。たまたまかかってきた電話では「短期間でそこまで心を開いてくれる患者さんは少ない」と言っていた。


看護師は魔法使いじゃない。人のほんとの気持ちなんかわからない。辛いときはちゃんと伝えないと、伝わらない。伝えたって良くなるわけじゃない。看護師だって普通の人間だもの。

痛いと言っても痛みは無くならないだろう。辛いと言ってもその辛さが改善はされないだろう。それが病気だ。治療法がなくて、自分の体がどんどん悪くなっていくことを楽しめる人はないだろう。それでも・・・。


「受け止められへんこともある。どうしたらええんかわからへん時かってあるわ。それでも伝えてほしいと思うやん。それが看護師やんなぁ。」

友人はそう言って、見知らぬ誰かのために電話口で泣いていた。


なんだかとても、悲しかった。

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