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二十歳になった。

10月14日は彼の二十歳の誕生日だった。

20年は、字面をみると長いがあっという間だった。生まれた頃に考えていた「二十歳になる頃にはこんな風になってるかな」という希望や予測は裏切られ、まだまだお子さまだ。それがかわいいといえばかわいいのだけれど、本人はしんどいばかりの20年だったろうなぁと思う。

それでも、二十歳になったということは彼にとっては何かの節目だったようで「大人です」と言った。

大人は「丸いケーキ!」とか「プレゼント!」とか言わないよ。というと「子どもします」としょんぼりしていた。ずっと子どものままでいるのが楽なのは当たり前だ。少なくとも家ではそのままでいれば良い。

「大人の心得」
人が嫌がることをしない。迷惑をかけない。
どんな人にも優しくしましょう。
いろんなことに一人で取り組むようにしましょう。
困ったら相談する人を親の他にも見つけましょう。
お金の管理を自分でしましょう。

彼にとっての「大人の心得」は、これまでやってきたことの延長でしかないが、神妙に聞いていた。「大人、がんばるよー」と言ったが、たぶん理解はできてない。

日本語がよくわかってないのだから、理解できないのは当然だし、それで落胆することももはやない。たぶん生涯理解できないまま「親に言われた大人」になるために努力を重ねていくのだろう。ご苦労さまなことだ。

あまり我慢せずに自然にそういうことができるようになってほしいと思うが、自我というものは誰にでもあり、その「自分を認めてほしい」とか「自分の利益になることがしたい」とかいう欲求を抑えて「人の役に立つ」というのはけっこう難しい。

もって生まれた素直さを失くさずに、人を信じ、自分にも人にも期待できるような人になってほしいと思う。

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