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その質問、誰のため? 『質問の目的』を意識すればセッションが変わる!

「私はコーチとして、質問の目的を果たせているでしょうか……」

私が開発したプロコーチ育成プログラム『MMP(MAYUKO MENTOR PROGRAM for COACH)』の受講生から、こんな相談を受けました。


コーチにとって「質問の目的」とは?

コーチが必要な情報を得るため?
いいえ、「クライアントのため」です。

とはいえ、コーチがクライアントのことを理解できていなければ、その目的は果たせません。ですから、コーチがクライアントの状況を把握するための質問も、ゼロにはできない。

私なら、クライアントの話の全体像が掴めない時や、詳しく聞きたいことが出てきた時は「もう少し詳しく聞かせてもらえませんか?」「こういう質問が思いついちゃったんですけど、聞いてもいいですか?」と正直に相手に伝えます。

ただ、相談をくださった受講生のように、クライアントのための質問と、自分がクライアントを理解するための質問とのバランスに悩む方は少なくないのです。

そこで、今回は「質問の目的」について掘り下げてお話し、質問力を高め、セッションの質を上げるTIPSをお届けしたいと思います。


質問の目的の違い、二つの具体例

「質問の目的」について考えたとき、過去の二つのエピソードを思い出します。

一つは、私がコーチになる前、専門学校の教員だった頃のこと。
当時、80名ほどの学生の担任を務めており、学期に一度、その全員と面談をしなくてはなりませんでした。

「していました」ではなく、「しなくてはなりませんでした」と書いているあたりで当時の私の面談に対するマインドがポジティブではなかったことが伝わりますよね・・・。

「1人1時間で80時間! そんなの無理!」と、ミニマムで合理的な面談プランを設計した私。
そこには、担任として最低限押さえるべき質問項目だけを並べていました。

☑授業にはついていけていますか?
☑就職希望ですか? それとも進学希望ですか?
☑就職希望なら、何系の仕事ですか?
☑アルバイトはしていますか?


これらの質問をこなすだけなので、サクサク進行。
「中井先生の面談はスムーズですね!」という同僚からの羨望の声に、まんざらでもない私。

これを聞くだけなら、アンケート用紙を配って記入してもらうだけでも良かったのかもしれません。

……今思えば、学生を理解するためでも、学生に気づきを促すためでもない、ただ自分の欲しい情報を得るためだけの“面談”。いいえ、むしろ“尋問”でした。当然ながら、学生からの満足の声など得られませんし「中井先生は怖い!」という距離感をしっかり植え付け、不満の声すら上がってきませんでした。

今ではとても反省していますが、「質問の目的」が「自分のため」になっていた典型的な例だと思います。

それとともに思い出すのは、コーチになってからのエピソード。

雑誌などのインタビューを行うライターさんと話していた時、質問の作り方の違いについて話題に。

あなたは、ライターさんがどんなふうに質問を作っているか知っていますか?

案件などにもよると思いますが、その方は担当する記事の読者が興味を持ちそうなことをもとに作るとおっしゃっていました。

コーチは「クライアントのため」、ライターは「読者のため」。

同じ「質問」でも、目的が全然違うのです。


質問力を高め、セッションの質を上げるTIPS

今回、相談をくださった受講生の場合、こうして悩んでいる時点で相手のことをよく考えていることが伝わってきます。こういう方は、少なくとも自分のための質問ばかりを続けることはないでしょう。

「それでも心配!」というのであれば、その相談相手は私ではない。
もう誰かわかりますよね?


話すべき相手は、クライアント

「私の今の質問、あなたのためになっていますか?」
「これまでした質問で、思考の整理できていますか?」

思いきって素直に聞くことができれば、セッションの質はもっとよくなるはず。

セッションはクライアントと一緒に作っていくものなのです。

最後にもう一つ、質問力を高めるためのTIPSをお届けします。


セッションを録音して、自分が発している言葉を一言一句残さず書き起こす!


「『ちなみに』っていう言葉が連発!」
「状況把握の質問ばかりしているな」
「同じような質問をいつも”決まり文句”のように使っているかも・・・」

あなたの質問の癖がとてもよく見えてくるはず。
ぜひ、お試しを!

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