見出し画像

電気信号と化学信号

様々な神経ネットワークは神経細胞の集まりから構成されています。1つの神経細胞は、細胞体と呼ばれる情報が入ってくる部分と、軸索と呼ばれる電気ケーブルのような役目をする部分からなります。軸索は神経線維とも呼ばれ、その太さや軸索を包んでいる髄鞘が神経伝達の速さに関係をしているということは前々回ご紹介しました。

1つの神経細胞内では、情報は電気信号として細胞体から軸索の終末へと向かって伝わっていきます。軸索終末は枝分かれをしていて、他の神経細胞と結合をしています。この結合の部分はシナプスと呼ばれています。神経細胞同士は、結合をしていると言っても、数10nmほどの隙間(シナプス間隙)があります。そのため、軸索を伝わってきた電気信号はこの隙間を飛び越えて他の神経細胞へと情報を伝えることができません。

そこで、電気信号が軸索の終末までくると「神経伝達物質」という化学物質の入った袋(シナプス小胞)が軸索終末の末端へと運ばれ、袋の中の神経伝達物質が神経細胞の間の隙間へと放出されます。この神経伝達物質が次の神経細胞の受容体に結合することでイオンの通れる穴(チャネル)が開き、再び電気信号が発生することで情報が伝わります。

このように、神経細胞内では電気信号として情報が伝わり、神経細胞間では化学信号を使って情報が伝わっています。脳には銀河系の星の数ほどあるとされる神経細胞がたくさん枝を伸ばし、ネットワークを作ることで情報のやりとりをしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?