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神経を伝わっていく情報

指先に物が触れたという感覚は、感覚神経を通って脊髄へと入ります。脊髄に入った情報は、脊髄を上行し、脳の視床という部位を経由して一次体性感覚野へと伝わります。触れた部分が指ではなく肘だった場合、神経を伝わる情報は違った形へと修飾され「今のは肘、肘が触れられたよ〜」と変わるのでしょうか?

神経を伝わっていく情報自体は、活動電位と呼ばれるものです。活動電位はインパルスとも呼ばれます。指が触られても、肘が触れられても、温かいという情報であっても、筋肉が伸ばされたという情報であっても、”活動電位”という形で神経を伝わっていきます。つまり、”オンになった”という情報です。種類や部位が違っても、神経細胞を伝わっていくのは”オンになりましたよ〜”という情報です。

では、どのようにして異なった部位や感覚を分けているのか?というと、感じ取るセンサーや、その情報が通っていく経路、そして上がっていく脳の部位が異なっているからです。感覚をつかさどるこびとで見たように、触覚などの感覚は、感覚の発信部位に対応する脳の部位があります。たとえば指先に物が触れた場合は、脳の中の一次体性感覚野の指先の領域へ活動電位の信号が到達することで、「指先に物が触れた」と感じるというわけです。同じように、肘であれば、脳の中の肘の領域に活動電位が到達し、「今度は肘だ」と感じます。

バーコードが太さの異なるバーの組み合わせで情報を持つように、神経も活動電位の発生頻度(オン/オフの頻度)によって情報を修飾しています。つまり、活動電位が多く発生する(神経細胞が発火する頻度が高い)場合、感覚神経であれば、その感覚情報が強い、ということになります。

こちらの動画は、中脳の1つの神経細胞の活動電位を記録したものです。活動電位自体はほぼ同じ大きさで、その頻度が異なっている様子が見えます。動画は中脳の例でしたが、感覚情報でも同じ活動電位が脳の対応する部位へと伝わり、脳がその情報を統合して解釈をすることで、”指が触られた”というような感覚を知覚、そして認知しています。

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