見出し画像

東京お散歩日記#9(赤坂~渋谷)

お散歩日記(赤坂~渋谷)
・・・10月△日 晴れ ・・・

雲ひとつない青空広がるお天気で、まさに秋晴れと呼べる日。

画像1

赤坂を起点にして、今日は渋谷に向かおうと思います。

画像74

まずは歩く前に軽めの腹ごしらえをしようと、一ツ木通りに入り、喫茶『しろたえ』へ。

画像74

お茶タイムにはまだまだ早い時間なので、お店に行列はなく、すんなり入店。おいしそうなケーキがショーケースのなかにたくさん並んでいました。
*お店の方に確認のうえ、写真撮影しています。

画像3

なかでも目立つのは、ずらりと並ぶレアチーズケーキ。

画像4

しろたえといえば、やはりこのレアチーズケーキが有名です。先客もレアチーズケーキを大量購入していて、そのあと来たお客さんも箱買いで大量購入しています。すごい人気(もちろん他のケーキも全部おいしそう!)。そして自分も漏れなくレアチーズケーキをひとつ注文。ちなみに喫茶室を利用する場合は、先に喫茶利用の旨を店員さんに伝え、ケーキを選んでから二階へあがるシステムになっています。

画像5

先客は女性客一人のみ。そして彼女の目の前にあるのもまたレアチーズケーキ。小さな喫茶室は飴色に光る年季の入った木製テーブルが並び、BGMもなくとても静かです。クラシカルな美しいランプの明かりが灯るなか、メニューを開き、飲み物は紅茶を注文。店員さんはレースの三角巾を頭に被っていて、なんとなく店の雰囲気も相まって修道女のようにも見えてきます。

画像6

秋のさわやかな空気が小さく開かれた窓から入ってきます。ふと窓の向こうを見下ろすと、石畳のうえ、配送業者のお兄さんが大きな荷物を台車にのせて運んでいる姿がありました。静けさのなか、キッチンからはお茶の用意をしている音が聞こえ、窓の向こうからは車の走行音も風にのって聞こえてきます。これはきっと、すぐそばの国道を走る車の音のようです。

画像8

しばらくすると、ケーキと紅茶が運ばれてきました。
さっそくフォークで一口大に切って食べると、ケーキはねっとりと濃厚で、レモンのさわやかな酸味もあってとてもおいしいです。小さいけれど、食べ応えは十分。といってももちろん、食べようと思えばもう一つくらい軽く食べられますが。

画像8

おいしいのでもったいぶることなくバクバク食べて、あっという間に完食しました。ふと隣を見ると、私よりも先にケーキが運ばれていたはずなのに、彼女の前にはまだケーキが半分以上残っていて自分のがっつきぶりにちょっと恥じ入ってしまいます。でも、そのくらいここのケーキはおいしい!ということで、自分の早食いを許してやります、笑。

画像9

しばらくゆっくりしたあと、一階におりて会計に。来たときよりも混雑していて、やはりここでもレアチーズケーキを購入する人達の姿が多く目立っていました。自分のおやつ用にマドレーヌを追加購入して外を出ると、来るときにはなかった長い行列が外にできていてびっくりしました。

画像11

腹ごしらえも済んだところで青山方面に向かい、緩やかな坂道をのぼっていきます。

画像11

今日は、歩く、歩く、歩く。そのつもりです。
このルート、以前にも歩いたことがあるのですが、道幅が広くて緑も多くて、お散歩にはなかなか良いルートなのです。ただひたすらまっすぐ、246号線に沿って歩けばいいだけ。もちろん靴は履きなれたスニーカーで。

画像12

しばらくすると、道の向こう、右手に赤い提灯とのぼり旗が揺れているのが目に入りました。

画像13

目を凝らすと『豊川稲荷』との文字。豊川稲荷東京別院があるようです。
ですが今日はそこには寄らずにそのまままっすぐ歩いていくと、左手におおきなのれん、『や』『ら』『と』と書かれた白い布地が揺れているのが目に入りました。

画像15

三年ほど前にリニューアルオープンした、とらや赤坂店です。

画像15

ガラス張りのモダンな和風の建物はひのきをふんだんに使っているらしく、なかに入ると温かみある明るい空間が広がっていました。ただなんとなく引き寄せられるように入ってみたのですが、ちょうど地下のギャラリーで『和菓子で楽しむ錦絵展』をやっていたので(無料)、せっかくなので寄り道してみます。

画像72

ちなみに錦絵とは、多色刷りした浮世絵の木版画のことで、その錦絵のなかには甘いものを頬張る江戸の人達の姿が描かれていました。団子や饅頭やカステラなどなど。見ていると、昔の人もみんな甘いものが好きだったのねえ、と妙に親近感がわいてきます。

画像16

当時の菓子袋の展示もありました(ここだけ写真撮影可能)。デザインがレトロでかわいらしいです。何の気なしに入ったギャラリーでしたが、思いのほか楽しめました。

画像17

その後、二階にあがり、お菓子売り場をうろうろ。清潔で広々したスペースのなか、色とりどりの和菓子の他、赤坂店限定のお菓子や愛らしいオリジナル一筆箋などもあって、見ているだけで楽しくなってきます。ちなみに三階には虎屋菓寮があり、お茶や食事もいただけるとのこと。ひととおり店内を見てまわったあと、とらやを後にして、また青山方面に向けて歩き出します。

画像75

右手、道の反対側には赤坂御所が見えました。

画像18

石垣があり、生垣があり、その奥には木々の鬱蒼とした緑が大きな壁となっていて、なかの様子はまるで窺えません。延々と続く敷地はいかにも広大で、格式も当然高そうです。

このあたりは空気が清潔ですが、なんとなくその空気が引き締まっているような感じがします。オフィス街特有の緊張感、そして御所という厳かさが生みだすまた別の緊張感によるものでしょうか、空気が特別にきゅっと引き締まっているような感じがします。

そんな景色を眺めながら、広々した通りをまっすぐ歩いていきます。
にしても、このあたりはタクシーが多いです。しかも今時はイギリス式のキャブ型が主流なのか、目に入るのは黒キャブばかり。なかでも最近よくCMで目にする『GOする』の広告入りタクシーがやたら目につきます。

画像20

あ、ほら、またGOタクシーだ、なんて思っていると、横断歩道が赤信号になりました。足止めした位置から左側をみると、やけに急勾配な坂道がありました。くだって、のぼって、なんだかうねっているような。その道の先は六本木のようです。(ちなみに坂の名前は薬研坂やげんざか。薬を砕く「薬研」という道具に似ているために名づけられたらしいです)

画像21

信号が青になったので、再び歩きだします。
街路樹のプラタナスの木が風にあおられて揺れています。都会にいるせいか、少し木がげんなりして見えるのは気のせいでしょうか。ちょっと葉っぱの感じがお疲れの様子にみえます。

画像75

そのまま歩いていくと草月会館ビルがあり(この建物の二階にはCONNEL COFFEEというカフェがあり、ガラス張りの開放的な空間から赤坂御所の緑を眺めることができます)、

画像27

そのまままっすぐ行くと、同じ形の大きなビルが二棟そびえたっています。

画像23

青山ツインビルです。

画像75

そしてこのあたりで道の反対側にある赤坂御所の敷地が終わり、青山一丁目エリアに入ります。

画像25

***

青山一丁目に入ると、空気がこれまでとちょっと変わるような気がします。

画像25

縦に束ねられたように引き締まっていた空気がほどけて、横に広がっていくような感じ…、というのでしょうか。表参道に向かうにつれて、さらにさらに空気がほどけて、横に広がっていくような感じがします。

画像28

青山一丁目の駅前にはホンダの本社ビルがドーンとそびえ建っていました。一階エントランスでは車の展示もされていますが、免許のない自分には縁のない場所なので、ここは素通りして横断歩道を渡り、向かい側の通りに移動します。

画像30

そして再び、外苑前を目指して、まっすぐ歩いていきます。

画像29

歩く。歩く。歩く。

画像31

途中、ガソリンスタンドが目に入りました。高級車ばかりが停まっています。車に疎い自分にでも分かるような、艶々と光る高級車ばかり。たまたまなのか、場所柄なのか。うーん、どっちなのでしょう。

画像30

しばらくすると、外苑の銀杏並木が見えてきました。

画像73

青々としていて、銀杏の葉っぱはまだ色づいていません。以前、秋に訪れたときには黄金色に葉が染まり、道も黄色い絨毯が敷かれたようでとてもきれいだった記憶があります。そのときは大人も子供も赤ちゃんもワンちゃんもみんな笑顔で集まっていてとても賑やかな様子でした。今年はどんな景色になるのでしょう。急に寒くなってきたから、きれいな黄葉となるのかもしれません。

画像32

そのまま歩いて、伊藤忠のビルを過ぎてまっすぐ行くと、外苑前に到着です。

画像33

外苑前駅から歩いてすぐのところ、昔ベルコモンズだった場所が新しい複合ビルになっていました。

画像34

飲食店のほか、ホテル(青山グランドホテル)も入っているようです(というかホテルがメインなのかもしれません)。

画像35

エントランスの雰囲気が欧米にありそうなお洒落な小さなホテルの入口みたいです。

画像36

なんだかしばらく来ないうちに街並みがいろいろ変わったなあとしみじみ。時が流れれば当然、といえば、当然なのかもしれませんが。

同建物には以前、清澄白河で見つけた紅茶専門店『ティーポンド』も入っていたので、せっかくなのでそこに入店することにします。

画像37

なかには様々な種類の紅茶の缶が並び、その見本として紅茶葉の入ったガラス瓶もずらりと並んでいました。それぞれ蓋を開けて香りを確認することができるので、ガラス瓶を手に取り匂いをくんくん。どれも良い香り。紅茶の魔法の実験室に入ったみたいです。アレもコレもと香りに夢中になっているうち、お客さんがぞくぞくと入店してきたので、とりあえず小さなティーバッグだけを購入してお店をあとにしました。

ちなみに現在、青山通りを右折し、通称キラー通りと呼ばれている外苑西通りを歩いています。

画像38

てくてく歩いていくと、ひと際目立つ黒いボーダーの入ったビルが目に飛び込んできました。

画像39

ワタリウム美術館です。

画像70

歩道を渡って早速入店。今日は美術館には寄らずに久しぶりに併設のミュージアムショップであるオンサンデーズだけに寄り道しようと思います。

画像40

ここでは文房具類や、ポストカードや、書籍などなど、さまざまな個性的なアイテムが売られています。この季節になるとオリジナルの素敵な手帳も。
興味津々、店内を眺めて歩き、買おうか迷って、とりあえず今日は見送ることにして、オンサンデーズを出て小さな商店街を歩いていきます。ここは有名なとんかつ屋のまい泉のある通りなので、個人的にはまい泉通りと呼んでいるのですが、正式名称は原二本通りというらしいです。美容院や飲食店や洋服屋さんなどなど、色んなお店がぽつりぽつりと軒を連ねています。

画像41

キョロキョロしながら通りを歩いていきます。

画像42

左手にパンとエスプレッソとの一号店がありました。相変わらずの人気ぶりで今日もたくさんの人が。その先を行くと、右手にガレットのおいしい店があり、またその先を歩いていくと、ねこねこ食パンの店なんてのが出来ていました。たまにブログ等で猫のかたちをしたパンに顔のデコレーションをしたものを見かけるけれど、これってここで売っていたのか!と密かな発見。

画像43

その先にとんかつ屋まい泉があり、そのまま行くと突き当り、

画像44

左折して右折すると表参道へと出ます。

***

画像45

ケヤキ並木の葉はちょっとくすんでいるところもありますが、まだ青々としています。

画像46

横断歩道を渡り、ふと見ると街路樹に電飾がぐるぐると巻き付けられてありました。イルミネーションに向けての準備なのかもしれません。木にとっては大変なお勤めだと思いますが、今年も夜になると道は綺麗に輝くのかもしれません。

画像47

向かいには大きなアップルストア。

画像48

そういえば昔、あそこって何があったっけ?と思いましたが全然思い出せません、笑。案外、記憶ってすぐに新しいものに上書きされてしまいます。(あとで調べたら、そうそう、マクドナルドがあったのでした)

画像49

表参道から青山通りに戻り、スパイラルに寄り道をしようと思います。

画像50

一階では来年のカレンダーが売られていて、もうそんな季節なのねえとしみじみ。二階にあるスパイラルマーケットの手前には休憩用の椅子があり、表参道に来たときにはここで休憩することもしばしば。そして今日もこちらでしばし休憩をさせていただきます。

画像51

青山通りを行きかう人を眺めながら、ガラス窓の向こうの景色をぼんやり眺めます。ちなみに同建物にはミナペルホネンのカフェ『家と庭』があり、以前そこで食べたプリンがすごくおいしかったので久しぶりに食べたいような気もしましたが、今日は他に行ってみたいカフェがあるのであえてそこには寄らずにおきます。

画像52

その後スパイラルマーケットで雑貨類を見てまわり、スパイラルをあとにしてからさらに渋谷方面へ向かいます。

画像54

骨董通りのある横断歩道を渡り、

画像55

まっすぐ歩いて、

画像60

青学前を通り過ぎます。

画像55

ちなみにその手前で、道路工事のガードとしてキティちゃんが列を作っているのを目撃しました。こんなキュートなガードがあるのか、と気持ちが和みました。

画像59

にしても、ずっとキティちゃん、キティちゃん、キティちゃん!

画像60

反対側の通りには国連大学があり(土日はおいしいものが沢山集まるファーマーズマーケットがこの前で開催されています)、

画像58

その隣には閉鎖されてしまったこどもの城があります。ここにはかつて円形劇場があって、昔はたまに観に行ったこともあったので無くなると聞いたときにはちょっと寂しい気持ちになりました。今や役目を終えて佇む建物はなんとなく物寂しい雰囲気があり、岡本太郎の作品『こどもの樹』だけが残っている様子もなんとなく侘しくみえます。

画像60

…と、本当は、このあともっと表参道で色々寄り道したい気もしたのですが(道渡って戻って、クレヨンハウスとかニールズヤードとかイッタラとか青山ブックセンターとか新しいお店とか、もっと色々)、時間と体力の配分を間違えてしまい、ひたすら歩く歩く、になってしまいました。

というのも、途中、前から気になっていたカフェがあったので行ってみたところ満席で入れず、じゃあ他に行くにも結構あちこち歩いてしまったので体力と気力がすでに残っておらず、「ま、もういいか」、とゴールの渋谷駅に一直線に向かうことに。

画像63

というわけで宮益坂をくだり、渋谷駅に向かいます。

画像64

渋谷駅前は再開発が今もまだ続いているのか、空気がざわざわ忙しないです。

画像65

渋谷の変化は著しいです。波がうねるような変化をしている気がします。

画像69

高い建物が空を突き破るように、にょきにょき生えています。見あげているとちょっと酔いそうにもなります。

画像67

結構歩いたのと、お腹も減ってきたのでヘロヘロになり、帰る前にやっぱりどこかの店で休もう!と思うも、どの店も満席で、とりあえず席の空いていた店を適当に見つけてサンドイッチを食べてから帰宅しました。

なのでちょっと、最後の最後に不燃焼になってしまったところもありましたが、天気の良い日のお散歩はやっぱり気持ち良くて、エネルギーチャージになった気がします。

画像68

次回はもっと、ゆとりを持って、くまなく散歩してみたいと思います。

(2023年3月ですます調に修正)

***

◇後記◇

この『お散歩日記』、今回から構成を少し変えてみました。
以前は日記をまず書いて、そのあとに今日のお散歩写真を掲載するという二段構成にしていたのですが、今回から日記のあいだに写真を入れ込むようなかたちに変えてみました。あと写真のサイズも、以前よりも若干大きめにしています。

文章や写真の枚数等々、いろいろ模索しながら進めているので、また変更することもあるかもしれませんが、しばらくはこんな感じで書いてみようかなあと考えております。(つい文章も写真も多くなっちゃうのですが、笑)

これからも気まぐれ更新ではありますが、こんな日記をたまに楽しみながら書いていこうと思いますので、よかったらまたお立ち寄りくださいませ☺

読んでいただき、ありがとうございました。

画像72

***

お読みいただきありがとうございます。