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ロマンチック、植えよう。


さあ深呼吸して、ページをめくろう

きょうも、新しい物語がはじまるよ



宝は封印された



その日、わたしはまた畑にいた

今年からごきげん栽培コミュニティむくらぱというチームを作って農業を軸にした新しい実験をしているわたしは、今、畑が人生のメインのフィールドになるんじゃないかというくらいに畑にいる

絵描きから農家へのジョブプラス
職業が増えました

農業のイロハを学んでいないままスタートしたのでとりあえず思いつくままに行動した結果

畑をゲットした

種もたくさんゲットした

道具もゲットした

仲間もゲットした

(みんな、ありがとう・・・!)

ゲットしまくりの順調な農家ライフの幕開け

年明けから「まずはやってみないとわからないよね?」的なエンジンを全開にして、4月5月の種まきシーズンを今か今かと待っていた



そんな矢先のコロナ旋風
(騒動というよりは旋風と呼びたい)

今年は開墾元年だから
ゆっくりやろうねって思っていたんです

農業のこと何も知らないし
農業のこと経験ないし
野菜のことも、はじめましてのメンバーのみんなのことも知らないし

だから、ゆっくり丁寧にコミュニケーションを重ねてさ
一から作って行こうよって

そこに、暴風が吹き荒れて
予想していた展開が全部吹き飛んだ!(OMG‼︎)

わたしの楽観的な予測を超えて新型コロナウィルスの自粛期間は長引くことになりそうで、そうすると畑でみんなで集まって作業することができない

これからが一番気持ちの良い季節で種まきシーズンだと言うのに

みんなが体を使って
土に触れたり
植物に触れたり
自分がつくったものを食べたり
集まって時間を共有すること

この体験こそが宝物で
ごきげん栽培コミュニティむくらぱの肝だと思っていたのに

 

 

宝が封印される


つまり・・・


別の宝を見つけるチャンスだ

 

 

今、わたしにできることはなんなんだ?
離れているからこそ、想像力や優しさを持ち寄って作れる世界があるはずだよね?

自分に問いかけると「種を素敵におくろう」って言う言葉が返ってきた

 

タネを、ステキに、おくる・・・?

なんか、いい!!!!!

みんなで一緒に同じ畑にタネをまけないなら
それぞれの場所でまいて、一緒に育てたらいいんじゃん

そうして小さな小さなタネの本が生まれた


脈打つイタズラ


わたしの周りには優しくて共感力の高い人たちがけっこう多い

愛すべきむくらぱのメンバーや友達たちにもそういう人がいて、コロナのような社会に大きなインパクトをもたらすことが起きるとたくさんの人の情念が社会全体に渦巻くので、それをまるごと受け取ってくれていたりする

(みんな、ありがとよ)

ー不安、恐怖、迷い、苦しみ、嫌悪、希望、幸せ、冷静、情熱、過剰、不足

普段飲まない大量のごちゃ混ぜスープを一気飲みすると、お腹はパンパンで具合も悪くなる

しかもなかなか消化できないから、出せない、便秘状態、そりゃ苦しい

気づけば「自分」を味わうための隙間がもうなかったりする


そんな人がいたときに、隣でお腹をさすってあげることもできるけど
その人自身が自分の中の循環を取り戻すのが早い

一番いいのは「脈を打つ」こと

滞った血液がドクンって音を立てるような
そのポンプのスイッチを自らONにしてしまうような
そんな出来事に遭遇すること

そしたら自然と循環ははじまる

離れているわたしにできるとしたら
そんなスイッチとなる爆弾をみんなに投げること
サプライズだったら尚いい

小さい頃からイタズラは得意なんだ

根っからのイタズラっ子の自分と
アーティストの自分が手を組んでニヤリと笑う


We need キュン♡

それでわたしの中の創作のスイッチが入る

頭の中にイメージが駆け巡り
転がっていたアイデアのピースがカタチをなしていく

数時間後、紙とノリとミシンを駆使し
タネの本『THE BOOK OF SEEDS』ができた

本は実際にまいて欲しいタネを数種類と詩を載せた

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Dear friend-友よ

Take a deep breath - 深く息を吸って

Open your heart  - 胸を開いて

Just starting SEEDS! -とりあえずタネを植えよう!

(実際の種)

Celebrate the harvest - 収穫を祝おう

Together with us - わたしたちと一緒に

本にいい香りを染み込ませて深呼吸したくなるようにしたり、お祝いの時用にクラッカーの中身が入っていたり、イタズラを散りばめた


タネって本当に本当に小さい
その小さい粒の中にものすごい生命の塊がつまっていて
土にまいて心地いい温度と水があると
どういうわけか芽が出て大きく成長して
花や実をつけては枯れて
また種が生まれては繰り返てしていく

小さくて、とても壮大な物語が詰まっている

それは人間も同じで
1人の中に無限のパワーがマジで詰まっていて
1人1人の小さくて壮大な物語が展開している
その物語は集まってやがて大きな波となって時代を作っていく

むくらぱにはそんなイメージがある
そして、メンバーのみんながその愛しい物語が始まる様を
お互いに覗き込んでいることがとてつもなく嬉しんだよね

みんながいてくれて本当にありがとう
離れているけど、一緒にやってるよ
それを伝えたかった

みんなが、封筒を開けた時に
「キュン」ってなるやつがいい

一瞬の勝負にかける花火師の気持ちになる

直接会えないから
その開封の一瞬だけでも
何か愛みたいなもののカケラが溢れて
体温が上がっちゃうものがいいなあ

そういうのがいま必要だ

「さあ、物語をはじめよう。」

夫のひでちゃんが素敵な言葉とともに一人一人文字を書いてくれた

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ロマンチックを植える


続々とタネが届いたと連絡が来て「かわいー!」とか「キュン死んだー!」とか黄色い言葉をもらって、わたしもめっちゃ嬉しかった

これからみんなの物語がはじまると思うとワクワクする

ある人が「ものすっごいロマンチック届いたーー!!」というコメントをくれた

ロマンチック

その言葉はわたしの中に何かを問いかけてくる

ロマンチック 【romantic】( 形動 )
現実離れしていて甘美なさま。空想的で波乱に満ちたさま。情熱と理想にあふれたさま。ローマン的。 「 -な夢を抱く」 「 -な物語」


タネを植えるその時に、いったいわたしは何を植えているんだろう?
食べ物を植えているとも言えるし
かわいいお花を植えているとも言える

でも本質は、食べるためのたべものでも、生活を彩るためのお花でもなくて
ロマンチックを植えてるのかもしれない
そんなことを思う

現実に、現実離れした甘美で空想的な場所をつくるため
現実に、情熱と理想に溢れた場所をつくるため

現実は甘くないという言葉はあるけど
現実にロマンチックだと言えるほどの甘い魔法が必要だ
そんなことを思う

わたしがしたいのは多分、そういうこと

ロマンチックを植えていった先には世界はどんな様子になるんだろうな

タネは植えなければ芽は出ない

そして今日もロマンチックを植えに畑に向かう


まゆちゃぱうぉにか

見つけてくれてありがとうございます。「ごきげん」な未来に繋がる農業や心や体のことを実験中です。もし共感してくれる方がいましたら、サポートしていただけたらめちゃくちゃ嬉しいです。あなたの人生のごきげんなエッセンスになれたらそれが一番happy♡