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競馬に興味を持ってくれたあなたへ

競馬モチーフのソシャゲのおかげで、最近Twitterでは「リアルの競馬にも興味出てきた」というツイートをたくさん目にするようになりました。ハチャメチャ嬉しいです。しかし同時に、「競馬興味あるけど、何したらいいかわからん」というツイートもたくさん見ました。なので興味のその先に踏み出すお手伝いをさせてください。

私は1995年に競馬を見始めた、北海道出身のアラフォーの主婦です。

この記事はあまりに長いので、知りたい項目についてだけ読んでください。

まえがき(長いから飛ばしていいです)

せっかくこんなに競馬に興味を持ってくれた人がいるのに、どう楽しんだらいいかわからないと諦めて離れていかれては悲しいです。私の記憶にある限り、ここまで大きな競馬ブームは’96〜’98年頃のダビスタ全盛期以来ですから、アラフォーの私にとって今回のムーブメントは「人生であと1回あるかないかの大イベント」なのです。こんなにたくさん新規ファンを得られるチャンスはもう二度とないかもしれないのです。その前はオグリキャップブームの時だから、’88〜’90年頃ですよ。

競馬という娯楽はお金がなくても、近くに競馬場がなくても、家にテレビがなくても、動物そんな好きじゃなくても、おいしいもの食べたいだけでも、土日は家族とレジャーしたくても、なるべく家から出たくなくても、人混みが苦手でも楽しめます。楽しみ方がたくさんあるからです。あなたが今楽しんでいる趣味にかけているお金を競馬にシフトする必要はありません。まぁしたくなったらしてください。

競馬ファンを増やしたくて必死ですよ私は。何故なら競馬関連の市場規模が年々縮小しているからです。廃刊になった競馬雑誌や競馬新聞、廃業した牧場、もう去っていく人を見たくないんです。

なので、どうやったら競馬について知ることができるか、楽しめるか、私にプレゼンさせてください。

そもそも「競馬を始める」ってどういうこと?

多分ほとんどの人が「馬券を買い始めること」だと思ってるんじゃないでしょうか。例えばパチンコとかの遊戯、ロト6とかの宝くじ。ギャンブルを始めるということはつまり、実際にお金を賭け始めることですからね。

でも、競馬の楽しみ方は馬券を買うことだけではないです。ソシャゲも無課金でも遊べますよね。競馬の無課金はソシャゲの無課金のように忍耐力を必要としません。馬券を買わない人たちも楽しめるようにと、主催者がいろんな楽しみ方を用意してくれています(馬券を買っている人たちのお金を使って)。

全然競馬知らないけど、競馬場でクリスマスツリー点灯イベントあるから行ったことある。こういう人も「競馬を楽しんでいる人」だと私は思ってます。

競馬の仕組みについて知りたい

まず、日本の競馬には中央競馬と地方競馬があります。ここでご説明する競馬とは、特段の注釈がなければJRA(日本中央競馬会)が主催する中央競馬のことです。ソシャゲのモチーフになっているのも中央競馬です。

JRAは、農林水産大臣の監督を受け、政府が資本金の全額を出資する特殊法人です。特殊法人っていうのは、国鉄とか電電公社とか専売公社とか営団地下鉄とか道路公団……すみません。日本年金機構とか、NHKとかみたいに、法に基づいて設立・運営されている法人のことです。

馬主の人(もしくは法人)が馬を買ったり生産したりして、2歳になったらJRAに馬を登録します。その馬をJRAのトレーニングセンターにある厩舎(きゅうしゃ)に預けて、管理(お世話)・調教(トレーニング)をしてもらい、レースに出走して、賞金を稼いで……というのが競馬の流れです。

お客さんが馬券を買って、その総売り上げの25%がJRAの収入になります。残りの75%は、当たった人の人数で割って(厳密にはもっと難しい計算をして)配当されます。当たった人が多かろうが少なかろうが、売れたら売れただけJRAは潤います。

JRAに入った25%のうちの10%と、残り15%のうち競馬に携わる人のお給料や賞金なども含む運営費を差し引いた分の半分は、国庫に納入されて畜産振興や社会福祉に活用されます。宝くじみたいでしょ。JRA公式サイトに詳細が記載されてるので、使途の気になる人は下記リンクの「社会とともに」の項を見てみてください。

馬の名前について

JRAに登録する時に馬名を決めます。カナ9文字かつアルファベット18文字までで、ヰとヱは使えないけどヲはOKです。アルファベット表記も登録が必要なのは、海外のレースに出る時に使うからです。商標登録されているようなものは駄目とか、いろいろ規定があるんですが、JRAの審議会が可否を決めます。ちなみに、登録されるまでは幼名で呼ばれています。牧場で愛称を決めて呼んだり、「ローブティサージュ(母の名前)の19(2019年生まれ)」などの正式表記を使用したり様々です。例えば、シンボリルドルフの幼名はルナ。

ソシャゲをやっている人なら、「メジロとか、サクラとか、同じ単語が入っている馬がいっぱいいる」「シンボリルドルフのシンボリって何?」って思ったことはないですか?これは冠名といって、馬主が決めた特定の単語です。メジロはメジロ牧場、サクラはさくらコマース(パチンコ屋さん)、シンボリはシンボリ牧場(旧・新堀牧場)が所有している馬ですよ、という意味で入っているのです。冠名を入れない馬主もいます。

JRAの公式サイト内「競走馬登録馬名簿・馬名意味」のページでは、各馬の名前の由来・意味を知ることができます。たまに驚くような由来の馬がいて面白いですよ。

馬の見た目の個体差

現在、中央競馬で走っている馬は全てサラブレッドという種類の馬で、体重は450~500kgぐらい、肩までの高さは160~170cmぐらい。毛色は10種類に分けられて、割合は下記の通り。

鹿毛(赤褐色) 50%
黒鹿毛(黒っぽい赤褐色) 14%
青鹿毛(ほぼ黒・腹部など褐色) 3%
青毛(黒) 1%以下
栗毛(黄褐色) 25%
栃栗毛(黒っぽい黄褐色) 1%以下
芦毛(多くは灰色) 7%
白毛(真っ白) 0.04%以下

栗毛の馬にはたてがみと尾が明るい色の(金髪に見える)個体もいて、「尾花栗毛」と呼ばれます(タイキシャトルなど)。芦毛は生まれた時は他の毛色に見えるのですが、だんだん白い毛が出てきて、現役時代は大多数の馬が灰色、最終的に真っ白になります。進行に個体差があるので、同じ芦毛でも明るさや色味がかなり違います。白毛は発生メカニズムがまだわかっておらず、ものすごく珍しい毛色です。目などに色素はあるので、アルビノとは違います。

顔の模様や脚に白い毛の模様がある馬もいます。顔の模様は形によって「流星」や「作」など、脚の模様は大きさによって「白」「小白」などの種類に分けられます。種類がすごい数あるので、気になる方は画像検索でお願いします。これに旋毛(つむじ)の位置や数なども含めた要素で個体識別を行い、馬の容姿を表現しています。例えば「栗毛で四白流星」なんて言うと、ああこんな感じの見た目か、と伝わるということです。

ちなみに、2007年から競走馬への個体識別用マイクロチップの埋め込みが義務化されています。

レースの種類

競馬のコースには、芝コース・ダート(砂)コース・障害コースがあり、コースの周り方は右回り(時計回り)、左回り(反時計回り)があります。障害競走で走っている馬は、平地(障害以外)のレースで伸び悩んだ馬の内、馬主さんが障害転向の意向を示し、更に障害飛越の練習をしてみたら才能があった馬が転向してきたものです。

ダートだととんでもなく強いのに、芝だと全然……なんて馬もいますし、その逆もいます。ちなみに、雨で馬場(コース走路)がぐちゃぐちゃになってパワーが必要な条件下で強い馬(道悪巧者)なんかもいるし、右回りが苦手だったり、坂があるコースだと沈んじゃったり、話ずれるけど大外枠(ゲートの一番外側)じゃないと駄目だったり、いろんな要素が絡んできてレースに影響します。

馬の能力ごとには、新馬(デビュー戦)・未勝利・1勝クラス・2勝クラス・3勝クラス・オープン(それ以上)があります。

牝馬(ひんば・メス)限定のレースもあります。今は牡馬(ぼば・オス)限定はないです。騙馬(せんば・去勢されたオス)が出られないレースはあります。

また、一般競走(平場)と特別競走があり、特別競走にはすべてレース名がついていて、平場よりも賞金がいいです。更に、特別競走の中には重賞競走というもっと賞金のいいレースがあり、グレードごとにGⅠ・GⅡ・GⅢと分けられます。

GⅠの中でもより格の高いレースとされるのが八大競走で、桜花賞・皐月賞・優駿牝馬(オークス)・東京優駿(日本ダービー)・菊花賞のクラシックレース(3歳馬の頂点を決めるレース)と、春と秋の天皇賞、有馬記念を指します。八大競走の日はNHKでも中継があります。

ちなみに、三冠馬というのはクラシックレースを全て優勝した馬のことですが、牝馬三冠の3つ目とされる秋華賞はクラシックには含まれません。レースのグレードはしょっちゅう規定が変わってややこしいので、これ以上の説明はWikipediaに任せます。

基本的に、1日に3つの競馬場で12レースずつ行います。大抵の場合11レースがメインレースで、一番賞金が高く、走る馬も強いです。その日行われるレースのグレードが高いほど、競馬場は混みます。私は重賞のない日の札幌競馬場が好きです。特に土曜日。混んでる日はパドックがよく見えないですからね。

競馬を見たい

いきなり競馬場に行かなくても、競馬中継を視聴すれば観戦できます。というか、現地より展開がわかりやすいです。他のスポーツと同じです。中央競馬は基本的に土日開催です。1月の最初の週はお休みで、2週目と3週目に平日含め3日間開催するなど、変則的な週もあります。積雪・濃霧・荒天などで中止になることもあり、その分は原則火曜日に振り替えます。

地上波では、西日本と東日本、土曜と日曜で4種類の番組があります。西日本では土曜日は「うまDOKI」、日曜日は「競馬BEAT」、東日本では土曜日は「ウイニング競馬」、日曜日は「みんなのKEIBA」、東西微妙な県はごちゃまぜです。

BSでは、BSテレ東で「 ウイニング競馬」、BSフジで「BSスーパーKEIBA」、BS11 で「BSイレブン競馬中継」、そして中央競馬全レース中継のBSグリーンチャンネル(有料)があります。

webでは、グリーンチャンネルweb(有料)と、JRAレーシングビュアー(有料)があります。

【追記】グリーンチャンネルは2021年1月以後、「中央競馬全レース中継」の番組を無料放送しています!ありがたいです。

下のリンクから、自分の家で各放送を視聴できるか確認してみてください。なお、グリーンチャンネルとBSイレブン以外で中継してくれるのはメインレースと準メインレースのみです。BSイレブンも全レースは中継しません。

全レース見たいけどお金はかけたくない!という人にも方法はあります。JRA公式サイトの「レース結果」というページから、競馬場、レースを選択すると、レース映像というボタンがあります。全てのレースを見ることができますが、画質が良くないですし、リアルタイムでは見られません。試しに見てみてこれで満足できるならこれでいいんじゃないかと思います。更に手っ取り早く全ての結果を映像で見たい人には、フジテレビの中央競馬ダイジェストもあります。日曜日の夜中の1時55分からやってます。

ちなみに、ラジオNIKKEIというラジオ局で全てのレースの実況中継が聴取できます。もちろんラジオなので音だけです。

競馬場に行ってみたい

競馬場は全国に10場あります。

 ・札幌競馬場 北海道札幌市中央区北十六条西16丁目1-1
 ・函館競馬場 北海道函館市駒場町12-2
 ・福島競馬場 福島県福島市松浪町9-23
 ・新潟競馬場 新潟県新潟市北区笹山3490
 ・東京競馬場 東京都府中市日吉町1-1
 ・中山競馬場 千葉県船橋市古作1丁目1-1
 ・中京競馬場 愛知県豊明市間米町敷田1225
 ・京都競馬場 京都府京都市伏見区葭島渡場島町32
 ・阪神競馬場 兵庫県宝塚市駒の町1-1
 ・小倉競馬場 福岡県北九州市小倉南区北方4丁目5-1

基本的に春・秋・冬は東(東京か中山)・西(京都か阪神)・第3場(福島・新潟・中京・小倉のいずれか)の3場で、夏は第3場のうちの2場と札幌か函館の3場で開催されています。改装・被災・番組改正などの理由で毎年同じではないので、年間番組表が発表されたら確認しましょう。

各競馬場の特色や詳しいアクセス方法は、競馬場名にリンクを貼ったのでそちらからどうぞ。ここでは一般的に競馬場には何があるか、どうやって入場するのか等について説明します。

まず持ち物と服装ですが、これは観戦スタイルによってかなり変わってくると思うので、あくまで私の例をご紹介します。

半日外を歩くので、帽子と日焼け止めは必須。唇が意外と焼けるので、UVカットのリップクリームがあるとなお良し。冬なら気にしない人は気にしなくていいです。両手がフリーになる小さい鞄(ポシェットとか)に、お財布やハンカチ、女性ならメイク道具など、普段出かける時必要なものをまとめます。人によっては現金が頻繁に必要になるので、すぐ出せる必要があります。持って行きたい人はカメラも用意しましょう。走っている馬の写真はスマホのズームでは撮れません。ただし、フラッシュ・三脚・踏み台は禁止です。芝生の上でくつろぎたい人は、そのためのアイテムも持って行くといいです。飲み物の自販機や売店、無料の給茶機が場内にたくさんありますが、必要な人は飲み物を持って行きましょう。競馬新聞が欲しい人は、場内でも買えますが、金曜にコンビニで買えば金曜から予想できます。赤ペンも一緒に買いましょう。出走表が見たいだけなら買う必要はないです。

服装は、上は何でもいいですが下はデニムです。極端な話、大きいレースの日は座る場所が花壇のブロックの上とかしかない可能性があります。あと乗馬体験をやっている日かもしれませんからね。空調のきいていないエリアが大半なので、基本的に外で過ごすつもりの服装で行ってください。競馬場内は広いので、靴は結構歩くつもりで選んでください。

(野球やサッカーが好きな方なら、服装はあなたがスタジアムに行く時と全く同じでいいです。おしゃれしたい人はしたらいいし、ユニフォーム着たかったら着ていいです。法被の人は見たことないです。持ち物からは応援グッズだけ抜きましょう)

それと、持ち込み禁止品目と禁止行為について確認してから行きましょう。

競馬場へは、なるべく公共交通機関で行きましょう。車でも行ける競馬場もありますが、JRAは車で来てほしくないようです。駐車場は大体2000円程度ですが、駐車場のない競馬場もあります。駅から遠い競馬場だと、無料のシャトルバスがあります。

入場門の近くに入場券売り場があるので、そこの券売機もしくは有人窓口で入場券を購入します。15歳未満は無料です。一般自由席は東京・中山・中京・京都・阪神が200円、札幌・函館・福島・新潟・小倉が100円で、この券種が売り切れることはないです。指定席券も何種類かあり、これを買うと確実に座ることができますが、席数に限りがあります。指定席の種類と価格は競馬場によって全然違うので、公式サイトでよく確認してください。指定席券はネットでの予約も可能です。

令和3年4月現在、競馬場への入場はネット抽選販売で指定席券を購入できた人のみ可能となっていますので注意してください。

午前9時の開門と同時に入場する場合、絶対に走って入場しないでください。開門ダッシュは禁止されています。例え周りの人が全員走っていても、あなたは歩いてください。入ったらまず近くで配布されている「レーシングプログラム」(レープロ)を貰いましょう。これには当日の全レースの出走表が載っています。ちょっとしたピンナップや特集記事もあり。JRA公式でも内容を公開してます。

入場後の過ごし方は、何をしないといけないとか一切ありません。好きな所に行ってください。開門から閉門まで居なくちゃいけないわけでもありません。プリキュアショーだけが目当ての人も、芝生に座ってビール飲んでるだけの人も、ラーメン食べに来ただけの人も、子供を遊具で遊ばせに来ただけの人もいます。

競馬場によって設備も特色も様々ですので、基本的な楽しい設備をご紹介します。下の画像は大体の配置です。本当に大体。

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この中で、馬が走っているのを肉眼で見られるのは「スタンド」「スタンドの前」「内馬場」です。

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左に見えるのがスタンドで、タイルが敷かれているのがスタンド前。スタンドの中にも席があります。スタンド内には飲食店・売店・馬券の券売機・払戻機・グッズショップ・飲料自販機(無い場合あり)・無料給茶機・喫煙所・トイレ・クローク・コインロッカーなどがあります。コンビニやファストフードがある競馬場も。スタンド内はフロアによって客層が分かれているイメージがあります。スタンド前には芝生のエリアがあるのですが、エリアの大きさは競馬場によります。

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この画像は改修前の札幌ですが、みんな芝生の上にシートを敷いてピクニック気分です。

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一番臨場感があるのはゴール板前です。ゴール板の形は競馬場ごとに違いますが、大体スタンド側の直線の真ん中らへんにあります。画像の右に写っているのはターフビジョンという大きいモニターで、東京競馬場のターフビジョンはテニスコート3面分の大きさらしいです。レース中はレースの映像を、レースの合間には払戻金やPRを流しています。駒大苫小牧が済美と戦った2004年の夏の高校野球選手権大会決勝戦の日、札幌競馬場ではターフビジョン含めすべてのモニタで試合経過を流していました。みんな競馬見てなかったです。札幌記念(GⅡ)の日だったんですが。

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コースのオーバルの内側のエリアを「内馬場」といい、京都以外の競馬場には内馬場があります(京都は池になっています)。内馬場からもレースは見えますし、券売機や飲食店、トイレもあり、屋内にもいられます。あとはショーステージがあって、芸能人がゲストのトークショーやヒーローショーなどのイベントを開催しています。ほとんどの競馬場では内馬場のキッズスペース(遊具スペース)がとても充実しており、半日お子さんが遊び続けられます。遊具がいい感じで映っているフリー写真がなかったので伝わらなかったらどうしよう。画像は札幌のボヨンボヨン弾む山です。子供が少ない日はここに登って回転するとレースがよく見えます。

ちなみに東京競馬場の内馬場にある「府中の大欅」は、欅ではなく榎の木です。根元に井田摂津守是政さんのお墓があります。この木はとても大きくて、中継でも視界を遮るので馬群が見えなくなるんですが、どうしても切れないんです。

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競馬場では乗馬体験をやっている日もあります。競馬場によって場所は様々ですが、札幌は内馬場でした。係員さんが引いてくれるし馬も賢くて大人しい子がやっています。この小デブは私です。後ろにゴール地点を内側から観戦している人達が映っていますね。ここも観戦おすすめスポットです。

コース沿いのスタンド側のどこかに「ウイナーズサークル」というエリアがあります。競馬場によって端だったり真ん中だったり丸かったり細長かったりします。ここはレースで優勝した馬とその関係者がレース後に記念撮影をする場所です。たまに節目の勝利でセレモニーを受ける騎手の姿も見られます。競走馬や騎手を静止状態で撮影する絶好のスポットなので、推しの晴れ姿を撮りにバズーカを構えている人がたくさんいます。ちなみに優勝馬がわかってから行っても最前は無理です。

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パドックは、レース前の馬が何周も周り、歩いている姿をお客さんに見せる為の場所です。馬体の善し悪しを予想の参考にしたり、いろんな角度から写真を撮ったりします。パドックは柵の周りの至近距離でも見られますが、スタンドのパドック側でも見られます。混んでいる日は朝イチで行かないと柵には近寄れません。柵に飾ってある横断幕は、ファンの方が自作して持参したものです。横断幕には規定があり、係員に掲出許可シールを貰って貼る必要があります。規定は競馬場ごとに違うので、作る前に問い合わせましょう。写真を撮る場合、フラッシュは絶対禁止です。馬は臆病なので、フラッシュの光を見たらもうそのレースでは使い物になりません。フラッシュが取り外せないカメラの場合は、オフにするだけではなく発光箇所にガムテープを貼ってください。大きい声を出すのも絶対駄目です。

大体の競馬場では、パドックの近くに食べ物の屋台などがあります。ない場合は内馬場などにあるか、そもそも存在しません。名物グルメがある場合と、そうでもない場合があります。

【追記】競馬場にあるおいしいものエリアについては、「UMAJOのま子ちゃん」というTwitterユーザーさんがとても詳しいレポ漫画を描かれています!ま子ちゃんが飲み食いしてるものは全部美味しそうに見えちゃうんだな〜これが。漫画を読むとコロナ前の競馬場全体の雰囲気もなんとなくわかります。おでんつゆで日本酒割って飲む人のB級グルメレポは間違いないですからね……。

ちなみに「UMAJO」とは、JRAが提唱する「競馬を楽しむ女性」の愛称です。

競馬場内にはUMAJO SPOTという女性のためのリラックススペースがあり、無料ドリンクのサービスやUMAJOオリジナルスイーツの販売、女性コンシェルジュによる案内もあります。おしゃれ〜。

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それと、パドックの近くには「馬頭観音」があることが多いです。馬頭観音というのは、馬の鎮魂の為に祀ってある石碑です。ここに埋葬されているわけではありませんが、手を合わせてみてはいかがでしょうか。誰でも自由にお参りできます。

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JRAのキャラクター「ターフィー」も競馬場内を歩いています。すいませんまた小デブが映っててターフィーよく見えないんですけど……。ステージ近くにいることが多いのかな。ターフィーの蹄はとってもフカフカなので是非握手しましょう。夏は元気がないです。

競馬場では毎日何かしらのイベントを開催しています。コロナ禍中でなければですけど。ファンファーレ生演奏、物産展、グルメフェス、抽選会、ミニライブ、トークショー、騎手との握手会……。そんなこと競馬場でやってるの?ってイベントもありますから、是非チェックしてみてください。

それから、クリスマスなどの期間、開催中でない競馬場では一般開放イベント日があり、この日は入場無料です。競馬場内クリスマスツリーの点灯式などです。このイベントは競馬場付近にお住まいの方々に、近所に競馬場あって嫌だなと思われないようにイメージアップを図ろうというのが目的でないかと思われます。札幌競馬場の点灯式イベントの例を挙げますと、日本ハムファイターズのマスコットや地元のゆるキャラがグリーティング、豚汁とココアが全員に無料配布、入場時プレゼント、ターフビジョンでピクサー映画の上映とビンゴ大会、クラフト教室、ゴスペルコンサート、花火の打ち上げなどなどやってました。会場が競馬場である以外は単に豪勢なクリスマスイベントでした。お友達やご家族とご一緒にどうぞ。

京都と阪神は競馬場のTwitterアカウントなんてのもあります。普段見られない裏側やイベントのお知らせなど、画像たっぷりでツイートしてくれますよ。

それぞれの競馬場での開催最終日には、馬場解放というイベントがあります。これは次の開催までにコースの整備をするので、その前にファンサービスとしてしてくれるものです。レースが全て終わった後、芝ダート両方のコースのラチ(柵)を開けて、お客さんが自由に入れるようにしてくれます。ダートはどれぐらい足を取られるのか、芝はどのぐらいのクッション性があるのか、実際に踏んで確かめるのは楽しいです。開催最終週ともなると、芝の内ラチ沿い(コースの一番内側)はボコボコに荒れています。札幌競馬場の馬場解放の時のツイートが出てきたので、雰囲気の参考にどうぞ。

現役の馬について知りたい

一番手っ取り早いのはnetkeiba.comです。今はここさえ見ておけば競馬のことは大体OKです。いい時代になりましたね。

あとは、競馬雑誌を読むことです。レース写真や解説、コラム、騎手の結婚情報、いろいろ載ってます。それぞれの雑誌のweb版もあって情報満載なんですが、全く知らないジャンルの情報能動的に選択して取りに行くの辛くないですか?雑誌はとりあえず表紙から次号予告まで全部順番に読んでいけば終わりがあるし、受け身で情報が入ってくるし、一番楽でいいと思うんですが、でも若い人だと逆かもしれないですね。

昔はたくさんあったんですけど、今は「優駿」「週刊競馬ブック」「Gallop」の3冊です。寂しいなぁ。

「優駿」は大本営JRAの広報誌で、特集や連載が多いイメージ。多分一番いい紙使ってます。写真は美しい系。なんか数年おきに見る度方向性違ってる気がします。「週刊競馬ブック」は同名の競馬新聞社が出していて、表紙しか見たことないけど、予想、コラム、データ多めなイメージ。競馬場で持ってる人よく見ますが、左綴じ横書きは人を選ぶかと。「Gallop」はサンスポが出してて、一時期毎週買ってました。写真はスポーツ紙のカメラマンが撮りましたって感じ。褒めてます。その週の重賞のゴール写真が見開きで1レースずつドーンと載ってて、そこについてるコラム?ポエム?も好きです。他のコーナーや連載もスポーツ紙が作ってるって感じで私は好きでした。へぇ~今週そんなことあったの?って感じで面白く読めます。

って感じです。楽しく読めそうなやつ見つけてください。三択だけど。どれも700~800円です。

歴代の名馬について知りたい

競馬、お金かからないって言いましたけど、これお金かかりますよ。YouTubeで昔のレース見るのはタダですけど、そのレースまでにどんなドラマがあったとか全く分かんないから、あー知らない馬が勝ったね、強いね、で終わっちゃいます。全然伝わらない。論外。

例えば「この馬とこの馬とこの馬は最低限履修して!」みたいなのがあったらそこピンポイントで円盤でも買ってくれたら済むんですけど、どの馬があなたの琴線に触れるかわかりません。歴代GⅠ馬だけでもとんでもない頭数います。文句なしに強かった人気の馬のこと知りたいなら、AmazonのDVDカテゴリ内やYouTubeを年度代表馬の名前で検索したらいいです。

また個人的な意見言いますけど、私は競馬って1年通して見るもので、次の年2歳が3歳になってまた1年、3歳が4歳になって……っていう流れがストーリーだと思ってるので、特定の馬のDVD見てその時のストーリー感じ取れるか?ってのが心配です。余計な心配だったらいいです。自分の中で「レース見て、週明けのGallop読んで、ニッカン読んで、レース見て」っていうサイクルの積み重ねで読み取ってきたものが全てになっちゃってるから、老害としてはそれを押し付けたくなっちゃうんですよね。可能であればGallopの重賞年鑑のバックナンバー買って、JRAレーシングビュアーかなんかで過去のレース映像見ての反復横跳びで思い出散歩に出かけてほしいんですよね。そこまでやっても陣営コメントとか、返し馬の様子とか、勝利ジョッキーインタビューとか、検量室で誰と誰がどんな感じだったとか、そういうのはもうどうやっても見られないんですよ。スーパー競馬の放送終わりにわが心の銀河鉄道に乗せてメインレースのプレイバック流すのがめったくそかっこいいとかもう完全にリアルタイムで見てなかったらどうしようもない話なんですよ。なんとかしてくれよフジテレビ。もう年寄りの思い出話聞くより方法ないじゃん。

あ、でも、netkeibaのまとめ読んでみても結構わかるかも。テイオーのとかいい記事ですよね。

あとは邪道だけど馬なり1ハロン劇場。ソシャゲユーザが解釈違いって言って怒りそうだけど、意外と史実とか当時の雰囲気理解できますよ。1巻はwebで公開中。

馬って平日は何してるの?

馬は普段はJRAトレーニングセンター(トレセン)にいます。リフレッシュや療養のために、温泉や放牧(里帰り的な長期休暇)に出ていることもあります。トレセンは茨城県美浦村の美浦トレーニングセンターと、滋賀県栗東市の栗東トレーニングセンターの2つがあり、美浦に住んでいるのが関東馬、栗東に住んでいるのが関西馬、という分け方をします。トレセンではたまに見学ツアーを開催しています。他に中に入る方法は、関係者になるしかないです。

トレセンの中には、東西それぞれ100軒近くの「厩舎(きゅうしゃ)」があり、それぞれの厩舎に20前後の「馬房(ばぼう・馬が住んでいる個室)があります。トレセンは基本的に月曜日が全休日で、それ以外の日は馬の調子に合わせて調教や軽い運動をします。水曜日と木曜日は、「追い切り」というレース前の強い調教をする日です。調教は朝の5時から、午後は基本的に馬房内で過ごします。原則土日がレースの日ですが、毎週出走するわけではありません。

それぞれの厩舎は「調教師」という人が開業したもので、その下にスタッフさんがいます。調教師は「先生」と呼ばれ、古い言葉だと「テキ」ともいいます。最近は「チーム〇〇(厩舎名)」なんてお揃いのブルゾンを作る厩舎も多いです。馬主さんは馬を登録する時、どこの厩舎に預託するかを決めて、以降は調教師の先生とどういうレースに使っていくか等話し合って決めます。

普段馬のお世話をしている人は「厩務員(きゅうむいん)」さん。原則1人で2頭担当します。朝の検温・ブラッシング・馬房内の寝藁の交換・飼い葉(飼料)や水の交換・調教前の乗り運動(ウォーミングアップ)・調教後の馬体洗浄・蹄の手入れなど、お世話は全部厩務員さんが担当します。

調教の担当は「調教助手」さん。みんな体の中に時計持ってます。多分ラーメン食べる時タイマーいらないのでは?調教師の先生から、今日この馬はこのコースのこの距離を何秒で、という指示を受けて、その通りに走らせます。せっかく調教の話が出たので、ちょっと詳しいお話してる記事を貼りますね。美浦・尾関厩舎所属の西塚信人助手へのインタビューです。

西塚助手が何言ってるかわかりました?目が滑りますよね。ちんぷんかんぷんだと思うので、軽く解説します。追い切りでは5ハロンを走ります(1ハロンが200mで1マイルが1600mということは、調教タイムに興味がなくても覚えてください)。あと時計(走行タイム)の話をする時は、最後の1ハロン分の区間を「上がり(or 終い)1F(ハロン)」と呼ぶなど、ゴール地点から逆算します。

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まず「70-40」とは、「(5Fを)70(秒で)-(上がり3Fを)40(秒で)」という指示です。「テン」は「最初」、「15-15」は「1Fを15秒のペース」という意味なので、西塚助手は「最後の600mは40秒で、1000m全体では70秒になるように走れと指示されたら、走り始めは200mを15秒のペースで入ります。600mを37秒、1000mを67秒という指示の場合でも、走り始めは同じペースです。これが600mを35秒、1000mを65秒となってくると、(その馬が)そこまで速いタイムで走れるかどうかはやってみないとわからないから、(そこで馬の調子を見極めるためにも)走り始めを200m15秒ペースで入るということをきっちりやる、というのが調教助手の仕事です」と言っているのです。どうでしょう?これで全文意味がわかるようになったかと思います。わからなくても、予想に調教を考慮しないなら全然平気です。調教の情報は競馬新聞・スポーツ紙・netkeiba.comなどで確認できます。

土日のレースで馬に乗っている「騎手」も、平日は調教を手伝います。調教に乗ると調教手当を貰えます。障害の調教は障害免許を持っている騎手しかつけられません。他には騎手出身の調教師や、調教厩務員の資格を持った厩務員さんも調教に乗れます。騎手は体力の限界などで引退すると、調教助手になる人が多いです。調教師試験は一般から受験する人がとても多く、1000勝騎手の1次試験免除もなくなったので、最近……ここ20年は騎手の受験者が少ないです。

馬券を買ってみたい

これを最初に教えろよ!とお怒りの方、お待たせしました。でも馬券を買わなくても競馬は楽しめるんだよ、ってことを知ってほしくてここまで長々と語りました。

大前提として、馬券を買えるのは20歳になってからです。他の楽しみ方は全て何歳でも制限されることはありませんが、馬券購入だけは駄目です。

馬券には、「単勝」「複勝」「応援馬券」「枠連」「馬連」「馬単」「ワイド」「3連単」「3連複」「WIN5」の10種類があります。「馬単」「3連単」「WIN5」は配当金が高い分、的中させるのが難しいです。射幸心を煽られやすい人は注意してください。

馬券の購入には、スマホで馬券が買える「即PAT」を利用するのがおすすめです。家にいながら馬券を買えるのはもちろん、競馬場でパドックに張り付いたままとか、ぐでんぐでんに酔って動けなくなっても馬券が買えるのでとても便利です。

もちろん競馬場にも馬券の自動券売機があります。券売機を使うにはマークカードというものを使いますが、これは競馬場内のいたるところに置いてあり、マーク用の鉛筆とともに自由に持って行っていいものです。使う分だけ持っていきましょう。昔は片面印刷でしたが、今は両面びっしり書けるようになっています。メモ紙代わりに大量に持ち去る人がいたせいだと思います。

余談ですが、自動券売機が普及する前は全部窓口販売で、窓口のおばちゃんに口頭で買い目を伝えていました。発券前に「これで間違いないですか?」って確認されて、やっと馬券が出てきました。

競馬場では、開催日(そこで馬が走っている日)以外でも馬券の購入ができる「パークウインズ」というのをやっています。売店や飲食店も営業していますし、レースは場内のモニターで観戦できます。イベント開催日もあったりして楽しいです。

あとは馬券の自動券売機があるWINS(ウインズ・場外馬券発売場)という施設も全国に(とは言い難いけど)あります。ここにはモニターがたくさんあり、その日のレースやパドックなどが全て観戦できます。阿見以外は。

WINSに行けば家の電気や携帯が止められてても馬券が買えてレースもパドックも見られますが、初心者にはおすすめしかねます。若い女性は特に、絶対に知らないおじさんが話しかけてきます。ここに来る人は九分九厘ギャンブルをしに来ている人で、あとは煙草が吸いたいかトイレに行きたいか家がないかスリかのどれかなので、競馬場とは全然雰囲気が違いますから、レジャー感覚で行く場所ではありません。行くなら誰か行ったことのある人と一緒に行くか、なるべくモニタだけしかないエリアにいるようにして、馬券を買う時だけ券売機エリアに行くようにしてください。ただ場所によっては競馬グッズショップなんかもあったりします。

WINSによっては、入場料金がかかるエクセルフロアがあるところもあります。ソファに座ってゆっくり楽しめますが、ここもレジャー層はいません。カレーやビールなども売っていますが、多分外に出た方がおいしいもの食べられますよ。

あと、即PATなら投票締切時刻が発走時刻の1分前ですが、競馬場・WINSで馬券を購入する場合は2分前です。締切時刻にはプルルルルーとベルが鳴ります。鳴ったら諦めてください。

本当にお節介で鬱陶しいと思うんですけど、馬券は楽しむ範囲で買うようにしましょう。まずいな、と思ったら、自分でコントロールできるうちにやめましょう。私の祖母はパチンコで持ち家を手放しました。

どうやって予想するの?

予想の方法は多分100人いたら100通りあります。「レースの種類」でもお話ししましたが、予想の要素はたくさんあって、その中から何を選ぶか、どこまで拾うか、って感じです。競馬予想雑誌(今生き残ってるの競馬王とか?)読んだり、TwitterとかYouTubeで予想してる人見たり、最初は他人の真似でいいと思います。最初は。

ただ有料予想サイトはおすすめしません。良くないとも言いませんけど。オンラインサロンのはしりだと思ってます。予想ソフト(まだ存在してるの?)も。札束風呂ネックレスレベル。良くないとも言いませんけど。

自分は大体厩舎コメント>同一コース実績>前3走>パドック>馬体重ぐらい見て、買える鞍上か見て終わりです。新馬と未勝利は厩舎コメントとパドックと鞍上見て終わり。あと消去法で考えると切った馬が来るから加点方式で見ます。あんまり当たんないから参考にしないでください。

これはごく個人的な考えなんで聞き流してくれていいんですけど、当たんなくても楽しいからいいやー、って人でない場合は、初めての予想はGⅠじゃない方がいいと思うんですよね。有馬記念だけとかダービーだけ買うって人も、宝くじ感覚で単勝100円買うとかなら全然いいと思うんですけど。これから「本当に勝負として馬券買う」ってことを始めたいなら話が違ってきます。GⅠなんてそこに出てくるような馬はみんな強いんですよ。何来てもおかしくないでしょ。あっと驚くダイユウサクですわ。パドックで落ち着いてたって買ってみたら、何万人って観客がウワーウワー言って手拍子して馬めっちゃビビり散らかさして、どの馬が本来のパフォーマンスで走れるか投票締切後までわからない。そんな運ゲーをロジカルに当てに行くの、少なくとも私には無理です。土曜の未勝利の5頭立てとかから始めて、パドック見て、血統見て、厩舎コメント読んで、鞍上見て、前走見て、ちゃんと自分の頭で考えた馬が来るって体験を何回もした方が、予想の精度上がる気がするし、何より楽しいです。当たんないですけど。

昔札幌で12レース全部鞍上のファーストネームに「ひろ」が入ってる馬だけ馬連ボックスで買ったら回収率160%超えたことありました。予想は奥が深いですね。

馬券が当たったらどうするの?

その前に、着順が確定するまでは、お手持ちの勝馬投票券はまだ当たりでも外れでもありません。レースが終わったらまず、着順が確定しているかを確認しましょう。テレビでも、競馬場でも、ターフビジョンの隣にある着順掲示板の右上を確認して下さい。リンク先に着順掲示板の画像があります。

着順が確定していれば、画像のように赤で「確定」と表示されています。もしくは「確」という文字と、その上の赤いランプが点灯します。競馬場かWINSにいる場合はチャイムも流れます。何もなければ、まだ確認作業中なので待ちましょう。接戦だと確定まで時間がかかります。'96年のスプリンターズステークスの動画でも見て待ちましょう。

もし青で「審議」と表示されていたり、「審」という文字と青いランプが点灯していたり、実況が「しかしこのレースは審議!」と言ったら、そのレースは審議です。相撲で言うと物言いです。レース中に他馬の走行を妨害した馬がいたので、入線順(ゴール板前を通過した順)通りに着順を確定していいかどうかを審議しています。審議の結果加害馬が降着となったら、被害馬の次の着順まで繰り下げになります。審議も結構時間がかかるので、'91年の秋天の動画でも見て待ちましょう。

余談ですが、審議になったレースのパトロールビデオは見ることをお勧めします。レース中真横から見ていた時には「あれで審議?」と思っていても、正面上方からのパトロールビデオを見ると印象が変わってきますよ。

即PATなどの投票方式であれば、何もしなくても口座に払戻金が入ってきますが、券売機で買った場合は、的中馬券を持って払い戻しに行かないといけません。60日間を過ぎるとただの紙くずになるので忘れないでください。券売機のある施設には払戻機という機械もあって、これに的中馬券を入れるとお金が出てきます。たまに延々その日の外れ馬券全部を入れ続けるおじさんがいますので、いたら他の列に並びましょう。開催日の最終レース終了後は一斉にみんな払戻機に並ぶので、来れるなら平日とか翌開催日とかに来てもいいです。

ただ、当たったのが小銭だったらいいんですけど、とんでもない額だったら、ちょっと注意してください。宝くじと一緒です。額によっては周囲に的中を悟られないようにした方がいいかもしれないです。

まず、100万円以上は払戻機では払戻できないので、有人の大口窓口に行くことになります。逆に言うと、ここに行く人は全員100万円以上持って出てくるってことです。行く前にちょっと対策練った方がいいんじゃないかと思います。行ったことないけど。

あと、大口当たらなくても、年間プラスになった人、確定申告いるかもしれないです。

(年間トータルの払戻金額 - 年間トータルの投票金額 - 50万円)÷ 2

この計算結果がプラスの人(年間50万円より多く勝った人)は税務署に相談してください。

宝くじの当せん金は非課税ですが、競馬は課税されます。なんでだろ。

馬券が外れたら紙吹雪にするんだよね?

違います!駄目!

テレビだとそうしてる人がたくさんいますが、これは真似しないでください!スタンド前にもスタンド内にも内馬場にもくずかごがたくさん置いてありますから、絶対にそこに捨ててくださいね。アルバイトのお兄さん達が大量の外れ馬券を拾って歩いてるの、可哀想じゃないですか。

引退した競走馬はどうなるの?

輝かしい成績を残した馬や、血統的に価値がある馬などは繁殖入りと言って、良い血統を残すために種牡馬・繁殖牝馬となりますが、それは全体のほんの一部です。あとは馬主さんがどうするかなんですが、乗馬に転用になったり、牧場に帰ったり、引退馬保護団体に保護してもらったり……っていうのもほんの一部なんですよね。日本のサラブレッドの生産頭数は2020年で7550頭、バブル期は1万頭を超えていました。ほとんどの馬は引退時にJRAから「乗馬クラブに行きました」って発表があるんですけど、実際行ってるのかもしれないですけど、その後はもう追えないのでわかりません。

予後不良って何?

もうどうやっても回復の見込みがない骨折の仕方をした馬は、その場で獣医さんが「予後不良」という診断をして、安楽死の処置をします。こういった事故は主にレース中や調教中に起こります。何とか治療できないの?もう走れないからって殺すの?って思いますよね。もう走れなくても命は助かる場合、予後不良ではなく「競走能力喪失」という診断をされ、安楽死処分とはなりません。予後不良は、安楽死にしなくてもそのうち死んでしまう程の重症という診断です。実際に何とか延命しようとした例も過去にありますが、私が知る限り生き延びられたのはエイシンワシントンぐらいで……。テンポイント、マティリアル、サンエイサンキュー……ほとんどの馬が蹄葉炎を起こすなどして、壮絶な闘病もむなしく死に至ります。どのぐらい可哀想なことになったか、ここには書きたくないです。知りたい人は名前で検索してください。

馬と触れ合いたい

競馬場でも馬とのふれあいイベントをやってるんですが、東京には馬事公苑っていう素敵な施設があるんです。体験乗馬や馬車試乗会、馬術競技やホースショーの開催、有名馬展示などなど、ふれあいにはぴったりの施設です!しかし2016年から改修工事中で、再オープンは2022年秋の予定です。寂しいな。

サラブレッドでもそうでなくてもいい場合、乗馬クラブの引き馬体験や体験レッスンなんかもいいですよ。お高いイメージがありますが、体験なら意外とリーズナブルです。道具も貸してくれますよ。

あの馬に会いに行きたい

現役なら競馬場で会えますね!引退馬に会いたい場合は、下のバナーから「競走馬のふるさと案内所」を見てください。会える馬・会えない馬・お墓参り可能な馬が調べられます。

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会いたい馬がどこにいるか調べたら、次の行動を起こす前に、必ず「牧場見学の9箇条」を読んでください。

ほとんどの馬は北海道にいると思いますので、会いに行くとしたら車で移動することになります。雪道の運転経験がない人は、繋養先の見学可能期間にかかわらず、行くのは5月~10月のうちがいいですよ。

馬主になってみたい

ガチで馬を買う場合は馬主資格を取得する必要があり、資産や所得などの要件を審査されます。ソシャゲのトップランカーさんぐらいお金持ちならいけそうですよ!いかがです?

一口馬主の募集やPOG(ペーパーオーナーゲーム)というのもあります。POGは主催しているところがたくさんあるので、リンクは一例です。一口馬主も募集しているクラブがいくつかあります。DMMバヌーシーとか聞いたことないですか?私はどちらもやったことないので詳しくないですが、詳しい人のnoteとか読むと楽しそうですね。興味があればどうぞ。

さいごに

こんなクソ長いだけの記事を読んでくれてありがとうございます。いろいろ言いましたけど、適当に楽しんでくださいね、競馬。

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