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【用語解説】ナカディア・セラピーガーデンにおける施設使用後の診断的評価

こちらでは、CHD Journalの文献に登場する専門用語を解説していきたいと思います。

1.Well-being(和:幸福感)

直訳では「幸福」や「健康」という意味。本文では、心身の健康状態を客観的に捉える「ヘルスアウトカム(patients’ health outcome)と対比的に登場する。世界保健機関(WHO)憲章の全文によると、Well-beingとは満たされた状態のを定義します。

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会仮訳)


2.Stress Related Illness(和:ストレス関連疾患)

ストレスによって発症、または症状に多大な影響を与えるとされる心身の不調を総称して。例に、胃潰瘍・偏頭痛・更年期障害・自律神経失調症など。Steress Related Diseasesとも。

3.Diagnostic Post-Occupancy Evaluation(和:施設使用後の診断的評価)

医療施設が実際に運用されてから、デザインの有効性や環境の課題点を、客観的かつ臨床の側面から評価すること、またその手法。

4.Nature based Treatment Program(和:NBTプログラム)

本文では「自然に基づく治療プログラム」と和訳。庭園や観葉植物など、自然の要素に臨床効果を期待して展開される治療のメソッド。

5.EBHDL(和:景観設計におけるエビデンス・ベースド・ヘルスデザインのモデル)

Evidence-based Health Design in Landscape Architectureの略。本文では、コペンハーゲン大学が独自に開発した、景観設計の専門家によるエビデンス・ベースド・ヘルスデザインのモデル。

※エビデンス・ベースド・デザインは、根拠のある(=信頼性の高い)研究に基づいて環境を構築していくプロセス。詳しくはこちらをご覧ください。


6.Landscape Architecture(和:景観デザイン・景観設計)
 広義には建築物や街路などの配置を計画・設計。狭義には造園を指す。


7.Therapy Garden(和:セラピーガーデン)
利用する人や,その介護者,家族,友人の身体的,心理的,社会的,精神的なニーズを満たすように特別にデザインされた屋外の庭園のこと。


8.Distinctive Space(和:明確に仕切られたスペース)
花壇や焚き火台など物理的境界によって仕切られた空間。Spot Spaceと対比関係。


9.Spot Space(和:スポット・スペース)
物理的境界のない開放された空間。Distinctive Spaceと対比関係。

10. Sensory Experience(和:感覚的経験)
刺激に対する直接的で基本的な認知のこと。

いかがでしたか⁇環境デザインに関する用語は略語がとても多く、分かりづらいですよね…。私たちと一緒に少しずつ知識を増やしていきましょう!

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