mayu

好きなことについて✍️

mayu

好きなことについて✍️

最近の記事

「エア ジョーダン」の誕生秘話を描いた『AIR エア』  なにひとつ知らなかった裏側

ベン・アフレックが監督を務め、親友マット・デイモンを主演に迎えた『AIR エア』を観てきました。ベン・アフレックはCEO役として出演も。 * エア ジョーダンの誕生にマイケル・ジョーダンが欠かせない存在なのは当然だけど、この映画では彼の母親がキーパーソン。 母デロリス(ヴィオラ・デイヴィス)の影響力と、当時のNIKEが置かれた状況や、競合であるconverseとadidasの状況など、エア ジョーダンがつくられるまでの過程と裏側を描いていて、最初から最後までとても面白か

    • 『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』を観て

      (昨年末に観たのですが、あまりにも良かったので……今更だけど書きました。) * 特殊メイクで年老いた姿になっているベネディクト・カンバーバッチ。冒頭、セリフもないこのシーンで、私はあっという間に映画の中に引き込まれた。そう、ベネディクト・カンバーバッチにはセリフがなくとも佇まいや視線だけで、観客を物語の中に連れて行ってしまう力があるのだ。 『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』は、猫の魅力を初めて発見し、初めて猫をペットとして飼ったと言われるルイス・ウェインの生涯を描

      • 『イニシェリン島の精霊』を観て

        片一方が絶交宣言し、おじさん2人が仲違い。昨日まで親友だったのに。なぜ? その意図は? 修復を望むパードリック(コリン・ファレル)と、頑なにNOの姿勢を貫くコルム(ブレンダン・グリーソン)。彼らの諍いが行き着く先とは——。 ⁡ 簡単に言ってしまえば、おじさん2人の喧嘩の話。とても喧嘩という言葉ではおさまらない行き過ぎたものではあるのだが……。 そんなおじさん2人の喧嘩話が、退屈ではなく、むしろ作品として楽しむことができたのは、フッと笑える台詞の応酬や、見応えのある演技、何

        • 映画『LAMB/ラム』を観て

          アイスランドの羊飼い夫婦のもとに、羊のようで羊ではない何かが産まれて——。 ⁡ 『LAMB/ラム』は、ざっくりと言うとこんな映画である。予告編を観てから物語の行く末をこの目で確認したく、ずっと気がかりであった。 * 鑑賞直後、ラストシーンの強烈な余韻が残ったまま、いろいろなことを考えていた。 そうしたら、後方のあちこちから映画の感想が聞こえてきた。 聞き取れたのはこうである。 「すごい映画だね」 「よくこんな映画がつくれるなぁ」 「不思議な映画だったね」 どれも困惑

        「エア ジョーダン」の誕生秘話を描いた『AIR エア』  なにひとつ知らなかった裏側

          届きそうで届かない。もどかしくて眩しい恋を描いた『リコリス・ピザ』

           知らない街、知らない時代を舞台にした映画なのに、不思議と懐かしさを感じる。それが『リコリス・ピザ』だ。  物語の舞台は、1970年代の​​サンフェルナンド・バレー。高校生のゲイリーと10歳上の女性アラナの関係を描いた恋物語。演じたのは三姉妹バンド、ハイムのアラナ・ハイムと、故フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマン。どちらもこれが映画デビューである。そんな二人を、ショーン・ペンやトム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパーなどの名だたる俳優が脇を固め、実在の人物を

          届きそうで届かない。もどかしくて眩しい恋を描いた『リコリス・ピザ』