見出し画像

コンサル脳を鍛える

コンサル脳を鍛える3つのスキル

先日、夫が読んでいた「コンサル脳を鍛える」という本を借りて読みました。読んでみようと思った理由は、弟がコンサルティングファームに勤めているので、少し興味があったからです。

結論からいうと、この本はコンサルティングファームに勤めていなくても、働く上で役に立つ内容が書かれていると感じました。

コンサル脳を鍛えるには3つの必要なスキルがあるといいます。
1.日本語力
2.論理力
3.コミュニケーション力
この3つです。これらはコンサル業界に限らず必要なビジネススキルであると筆者は述べています。この本ではその3つのスキルについて説明がされています。

日本語をいかに無意識に使っているか

私は日本語力には正直自信がありました。文章を書くのは学生の頃から得意だったし、入社後も文章が分かりやすいと褒められた経験があったからです。実際に本を読み進めていても日本語力の章はすんなりと理解することが出来ました。

この本には最後に本の中でこれまで説明された内容を定着させるためのドリルのような問題がいくつかついています。
これらを解いたときに私はハッとしました。確かに問題自体は解けたし、ほぼ正解出来ました。しかし、何故それを選んだか理由を頭の中で考えたときに上手く説明できない自分が居ました。

私はこれまで培ったなんとなくの感覚で日本語を使っていたのだと感じました。それでは日本語は正しく使えているけれど、「日本語力がある」とは言えないのではないかと思いました。これからは文章を書くときに何故このように書いたのかを意識するように気をつけてみようと思います。

論理的思考のメソッドは分かっているけれど…

次に論理力について。MECE、ロジックツリーやイシューツリー、演繹推論や帰納推論といったメソッドについて説明されています。
どれも有名なメソッドで、私も会社の研修などで何度も説明を受けて学んできました。内容は分かっているつもりです。

しかし、これらを実際の仕事において使いこなせているかと言われると、答えはNOです。何故使わないかと言われると、これらのメソッドを使ってまで考えるのが面倒に感じるし、考える時間が取れていないからです。しかし本来はきちんと考える時間をとってメソッドを活用しないと、説得力のある論理的な主張は出来ないよな…と改めて思い直しました。
活用しないと身につかないので、使いこなせるわけがありません。すぐにマスターするのは難しいと思いますが、仕事をする上でこれらのメソッドを意識する必要があると感じました。

コンサルティングファームに勤める人たちはこれらを当たり前に使って物事を思考しているのでしょうか?活用できているのだとしたら確かにコンサル業界の方々の論理力は優秀すぎます。今度、弟に聞いてみたいと思います。

コミュニケーション力とトラウマ

最後にコミュニケーション力についてです。
この本ではまず伝えるには①論点②相手に期待する反応③提示する答え(論点に対する結論、根拠、方法)の3つが必要で、それらのどれかが欠けているとそもそも伝わらないと述べられています。
これは前段の日本語力にも通じる部分があると思うし、私も仕事でメールなどをする際に意識出来ていると思います。

次に相手の話を聞くこと、相手を理解することが重要と述べられています。
私は主張が激しい方ではないので、聞き役に回ることが多いし、共感力はある方だと思うのでこれもクリア出来ていそうです。

そして最後に伝えることで人を動かす。例としてアリストテレスの弁論術①エトス(信頼)②ロゴス(論理)③パトス(共感・感情)について説明されています。①や③はそれなりに出来ている気がしますが②のロゴス(論理)についての説明を読んだときに過去の苦い経験がよみがえりました。

私は派遣社員数名を管理する仕事をしていた時があり、彼女らに仕事の指示をして動いてもらう必要がありました。依頼する仕事のなかには彼女らがやりたくない仕事もあります。それらをやってもらうために上手く説得が出来ないことが多々ありました。私のリーダーシップのなさ、言い返せないメンタルの弱さのせいだと思っていました。
しかし、もしかしたら”相手の考えを利用して議論の主導権を握る”というアリストテレスが述べていた技法が上手く使えてなかったからだと思いました。これらは今後ぜひ、身に着けたいスキルです。

筆者はこの技法について「ちょっと嫌われそうですが」と書いていました。確かに説き伏せることになるので嫌われるかもしれません。まぁでもそもそも全員から好かれるのは無理だし、仕事だからと割り切ることが必要なのだと思います。頭ではわかってても、これが私にはなかなか難しいですが…。

つまり私の課題は「論理」力!

3大スキルのうち2つ目のスキルである論理力を身に着ける各種メソッド。そしてコミュニケーション力のうちの伝える力、特にアリストテレスが提唱する「ロゴス(論理)」の技法。
総じて私に足りないのは論理力なのだと気づきました。確かに物事を感覚的にとらえたり、感情的に思考したり判断したりしがちです。感覚を信じることや自他の感情を大事することも大切だと信じていますが、ビジネスをする上ではこの論理力をもっと鍛えていきたいと思いました。

例なども多く、日本語力について提唱されているだけあって文章も読みやすく数時間で読了できました。ビジネススキルの基礎を身に着けたい人には良いのではないかと思いました。

※何故かKindle版しかAmazonになかったのですがリンク貼っておきます

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?