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コロナ禍の小学生

娘は一時帰国していた1学期は、元いた小学校に通わせてもらい、夏休みにインドネシアに戻ってきた。

戻ってきた当初は日本の友達たちとゲームの”あつ森”内で交流をしていて楽しそうだったのだが、だんだんと時間が経つにつれて、日本の友達たちも塾や習い事が忙しいのだろう、なかなか時間が合わず少しずつ疎遠になっていた。

インドネシアはコロナ感染者が増える一方で、学校の授業もすべてオンライン。月に1度ある登校日で顔見知りはできたが、家の行き来をするほどの仲にもなっていないし、同じアパート内に同じ年頃の子どもがいないので「友達と遊ぶ時間」全くない。

もともと社交的で、人との交流が大好きな娘にはここでの生活は辛いのではないかと心配していたが、どうすることもできずに私も気を揉んでいた。

そんなある日、娘がちょっと緊張した面持ちでやってきて、

「”あつ森”で友達ができたの」

という。

「どうやって?」

と聞くと、自分のあつ森のIDをLINEに公開し、友達を募集したところ数十人連絡をくれた子がいたとのこと。

連絡をくれた子の中から8人くらいでLINEグループを作り、その中で自己紹介をし合って、おしゃべりしていたそうな。同じ小学生の女子がほとんどだが、不登校の中学生や発達障害の高校生なども入っているようで、なんだか多様性のあるグループだ。


初めてのその話を聞いたときには、

「は? LINEに自分のことを載せるなんて危険なこと、なんで親に黙ってやってんの?」

と一瞬怒りを感じたが、私も大してデジタルに詳しくないので、そもそも娘の行動のどこにリスクがあるか調べてみようと冷静になってみた。

いくつか調べた感じと、LINEグループの個々の人のチェックをさせてもらい、利用ルールなどを定めることにして、後からとは言え、言いにくいことをちゃんと言ってきた姿勢を認め、一応容認した。

本人も

「ママに言ったら怒られると思ったからすぐに言えなかった。でも親以外に話せる友達が欲しかったの」

というので、

「この環境じゃそう思っても仕方がないし、誰にも聞かずにこっそりやった事は良くないとはいえ、一人で友達の集め方を情報収集して、やってみて、今ではフォロワーが80人もいるなんて、すごいなあと感心したよ」

と答えると顔をパーっと明るくさせて

「許してもらえるなんて思わなかった!ありがとう!!」

と大喜び。


日本ではゲームのIDなどを交換すると個別に呼び出すような誘拐未満の事件もあると聞くので、海外にいるからこそ、許せたことかもしれない。

毎日ゲームとLINE,Youtube漬けなのは心配だけど、自分で課題解決に向けて実行する娘の行動力とデジタルスキルはいいな、と思う。

そしてLINEグループには日々なんらかの事件が起こっており、それもまた娘にとっての学びになっている。

心配でもあるが、娘と一緒に日々起こる事件を考えていく、私にとってもいい刺激になっている。



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