SEの仕事で取引先とのトラブルを避けるために ~相手への気遣いが害悪に発展
「相手を思いやり気を遣うこと」
これ自体は素晴らしいことだと思います!
しかし落とし穴があります。
相手がそれに付け込んできたらどうでしょうか。
それでこちらに問題がなければいいのですが、そうでなければ・・・
今回紹介する話は私がシステムエンジニアとして現場で体験した例となります。
背景
このような構図となります。
客先での製品開発で、客先のさらに取引先から購入しているソフトを使用している状況です。
この取引先担当者Xとのやりとりの話となります。
※敬称は省略します。
仕事の流れと判明した取引先の事情
ソフトを使用する上で不明点があればXへ質問し、問題点があれば修正依頼を行います。
しかし話しているうちに次のような構図が分かってきました。
どうやら取引先も別の取引先に依頼しており、そちらで実際の開発や改修、質問の回答を行っているようです。
担当者Xは単なる窓口にすぎず、あまり知らない様子でした。
失敗の始まり
XはAとのやりとりに苦戦していました。
Aは不具合などの問題に直結しないと中々動いてくれず、質問もそれに準ずるようなものでないと簡単には答えてくれないようでした。
そこでXは私にそのようなことを相談してくるのです。
ここで私はやりとりを円滑にすすめる為にもそれに応えてあげました。
ここに質問をするには、意図や背景を説明しなければいけないという構図が出来上がってしまいました。
落とし穴
一見普通そうに見えるかもしれません。
ただソフトが提供しているインターフェースのパラメータの内容を聞くのに意図や背景は必要でしょうか?使用するものの情報を聞くことは自然なことです。設定値の情報も知らずに使用する方が問題です。
しかしそれを聞く際にどのような問題が起こっているから聞いているのか、などとなってくるのです。
ソフト単体だと問題ないのですが、それを製品と組み合わせると問題が起こるのですが、それは向こうでは問題が起きた事にはなっていないのです。
問題が起こらないと答えてくれない??
おかしな状況になってきました。
つけこみ
Xはこちらの投げる質問に徐々に答えてくれなくなってきました。
そういう質問だとAは答えてくれない。
と平然と言ってくるようになったのです。
状況の確認
同じ業界の方はこの構図がとてもおかしいことにお気づきだと思います。
私を含む客先からは「A」の存在は知った事ではないということです。
交渉先はあくまでXなのです。
向こうの内部事情をどうにかするのは向こうの仕事で、それをこちらがするということは余計な仕事を引き受けてしまうことに他なりません。
誰も助けてくれない
悪化していく状況に周囲のメンバーや客先の偉い人も助けてくれません。
私からもっと相談すべきだったのか、プロジェクトリーダーに相談すべきだったのか、今となっては分かりません。
当時の状況を上手く説明して納得してもらう自信もありませんでした。
私の精神
このような状況は耐え難く、徐々に病んでいきました。
幸いソフト内部のソースコードは見ることが出来るので解析をするなど余計な仕事をどんどんするようになって残業が増えて行きました。
どうすべきだったか
Xがそもそも「A」の存在を出した時に「そちらの事情は知りません」と返すべきでした。
当時の私は、Xを思いやり、さらに円滑に進むことを優先させてしまったのがそもそもの失敗の始まりでした。
時には冷たくあしらうのも重要です。
さいごに
「取引先内部のことは知った事ではない!」この基本原則を守る重要性を認識させられました。
思いやって親切にしても、自分に刃として返ってくることがあるのも認識させられました。
全ては原則を破ったせいです。
仲間同士の思いやりならば良いかもしれませんが、取引先はあくまでも取引先。
仲間であっても商売敵でもあるのです。
利害も一致しているわけではなく明確に立場が違います。
思いやりはとても良いことです。このうえなく。
しかし相手により思わぬしっぺ返しが来ることも考えなければなりません。
時には厳しく当たる事も自分を守ることに繋がるのです。
今回はコロナ禍真っ只中です。リーマン時と似ています。
作業量が増えるという事はコスト増につながる為、これを減らそうとあらゆることをするでしょう。
本来自分がやるべきこともやらない、受け付けない、押し返すなどと言ったことが出てくるでしょう。
こんなとき相手を思いやっては思うつぼです。
付け込まれ、余計な業務、本来自分の作業でもないことが降りかかってくる可能性大です!
「自分の成長だ!」などと精神論を言っている場合ではありません笑(本当にそれで良いのならばいいのですが・・・)
自分やチームを守る為にも明確な判断を!
その参考になれば幸いです!
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