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学生もシビックテックしようぜ! 〜 新たな「社会参加」

みなさん、はじめまして! Code for Japan 学生インターンの渡邊響です。私が東京都のコロナ対策サイトを知り、シビックテックと出会ってから、早いもので5ヶ月が経ちました。今回はこの5ヶ月間を振り返り、学生シビックテックの秘める可能性をお話していきたいと思います。

強大なる敵 COVID-19 を前にして

今年の初め、COVID-19が世界的に流行を広げる中、私は既に疲れていました。Twitterやネットニュースから流れてくる大量かつ真偽不明の情報。いろいろな立場からの悲痛な叫び。加工前の生の声は強烈で、大衆の共感によって増幅し、ある種のヒステリーさを伴って伝播します。

誰も答えを知らない状態で、それらの情報をひとつひとつ個人が取捨選択・検証していくのは実質不可能でした。私は大量の情報に圧倒され、コロナ対策をブラウザ検索すらできないほどでした。

「何もしないままでは、本当に身も心もやられてしまう」
「何か自分に出来ることは無いのだろうか」

一般論的に、私たちがひとりの市民として行政や公共サービスの改善を訴えたい場合、どのような方法があるでしょうか? 選挙で自分の意見に近い人に投票する? デモ活動に参加する? 

これらのどの方法でも、なかなか思ったようにすぐ効果が現れないというもどかしさを、私は普段から感じていました。今回のような非常時には特に、速さが求められます。一方で、真偽不明で攻撃性をはらむツイートをただリツイートするのにも危険性を感じていました。

「そもそも、私たちは声をあげるだけで、他に何もしなくて良いのだろうか?」

出会いは偶然? 必然?

3月、大学が休講になる中、東京都のコロナ対策サイトGitHubで開発されていることを知りました。小学生のころからプログラミングを趣味として嗜んでいて、高校時代には暗号通貨やオープンソースソフトウェアに傾倒していた私にとって、行政 × GitHubという構図は斬新で、そして身近にさえ感じられました。

GitHubからCode for JapanのSlackに参加してみたはいいものの、今まで趣味でしかプログラミングしてこなかった身としては、まるで太平洋で漂流したかの如く、何をどうしたらいいかわかっていませんでした。Nuxt フレームワークすら知らない状態で、わけもわからず「ハッカソン」なるものが開催されるというので、とりあえず参加してみることに...。

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結果として、このイベントが大きな転機になります。はじめはWebサイトの翻訳・多言語化に小さく携わっているだけでしたが、Social Hack Day(ハッカソンイベント)やCivic Tech Live!(トークイベント)に何回も参加しているうちに、シビックテックという世界を知りました。

Why シビックテック?

シビックテック(Civic Tech)とは、シビック(Civic:市民)とテック(Tech:テクノロジー)をかけあわせた造語です。私たち市民自身が、テクノロジーを活用して、社会課題や地域課題を解決する取り組みを進めていきます。
https://www.code4japan.org/forpeople より)

2009年にアメリカで始まり、今や全世界に活動が広がっているシビックテックでは、市民が持っているIT技術を駆使して社会に役立つことができる。

「得意なプログラミングで、社会に貢献することができる」

このような活動に深く感動すると同時に、私は気づきました。「これが新しい社会参加の方法なんだな」と。

これこそが、私がCode for Japanのインターン生に志願した理由です。

学生ができること。学生だからできること

小・中学校のころから、私たちは社会や身の回りにまつわる様々な問題・課題を学びます。地方の過疎化、食料不足・食料の廃棄、貧困、河川氾濫や地震、環境汚染、ジェンダー問題、心や身体の悩み……。

他方で、いくら「あなたたち/私たちの身近でも」と言われても、教科書に書いてあるだけでは、紙の上の話に終わってしまいがちです。「習ったから知ってはいるけど、何かしたことはないなぁ」という人も多いはず。私もそうでした。

学校を通じてインプットは大量にあるのに、アウトプットする機会はとても少ない。チャンスはあってもなかなか一歩を踏み出せない。

「今さら自分にできることなんて無いんじゃないか」
否、そんな悩みとはもうおさらばです!

シビックテックを通じて、どんなに小さな貢献でも誰かの役に立つ可能性は大いにあります。選挙で1票を投じるのと同じように、コードを1行書いたり、デザインを1つ作ったり、ミーティングを1回ファシリテートしたり……。たとえ住む場所が離れていても、たとえ話す言語が違っていても、オンラインの活動が中心の今だからこそ、その壁をテクノロジーで乗り越えることができます。

実際に、学生の力でCOVID-19対策に貢献した例もあります。三重県や岡山県では、学生の有志が中心となって新型コロナ対策サイトを立ち上げました。

インターンシップの危機

COVID-19は思わぬ形で学生に襲撃してきました。

毎年あるはずのインターンシップで中止・中断が相次ぎ、学生の技術的・社会的成長の機会が大きく減っています。学生の多くが、今後の進路・就職活動を心配しています。特に地方の学生への打撃は大きく、たとえば北海道では、感染が拡大する中で「北海道の学生は参加お断り」のインターンシップもありました。

ここで、北海道版コロナ対策サイトの立ち上げに携わった1人のインターン生がひらめきます。

「そうだ、自分たちでインターンシップの代わりになるイベントを企画すればいいんだ!」

Civictech Challenge Cup U-22

COVID-19を皮切りに様々な社会課題が浮かび上がってきています。普段から気になっていたこと、あるいは今まで気にしていなかったようなこと……。もし私たち学生の力が役に立つとしたら、得意なコトで誰かを助けられたら、なんだかとてもワクワクしますね。 

これまで見てきたように、学生シビックテックは大きなポテンシャルを秘めています。必要なのはプログラマーだけではありません。デザイナーやプランナーもシビックテックには不可欠です。

「年齢や地域、目指している職業も全く異なる仲間たちと社会課題に挑戦し、自らのスキルを活かして高めていく」
そんなひと夏を今年は過ごしてみませんか?

Civictech Challenge Cup U-22はただ今エントリー受付中です
エントリーは先着100名を予定しています
(8月6日現在 約60名が参加)
下記公式サイト掲載の募集要件の確認の上、ぜひご参加ください
https://ccc2020.code4japan.org/

また、学生シビックテック活動を知ることができるイベントも開催します。こちらもぜひご参加ください。

日時: 2020/08/13 (木) 19時~21時
場所: オンライン(Zoom・YouTube Live)
参加費: 無料
タイムテーブル等はイベントページ(Peatix)をご覧ください。

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