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行きたくない

「行きたくない。」という感情は、
「生きたくない。」という感情に近しい。

行きたくないは、生きたくない。

目を閉じて仕舞えば、朝が来てしまう。
目を開けて仕舞えば、夜が訪れてしまう。

夜は日中に比べるとおとなしい。
少しだけ静かになった夜が、とてつもなく恐ろしかった。

「明日が来なければいいのに。」
そう願った夜が、今までに何度あったことだろう。

「明日」という存在に怯えては、その度に眠れない夜がやってくる。
そして、2ヶ月に一度くらいの頻度で、狂いそうな夜が訪れる。

どうしようもなくて、布団に潜っては泣いていた。
うわーーーーーーーと叫びながら、
そして、頭を抱えながら。

無音の空間で、より一層孤独感に襲われた。
そんな夜が、私を包み込んだ。

夜、必ずと言っていいほど救急車の音が聞こえる。
でも、もう、慣れてしまった。
鬱陶しいと思っていた夜も多かったけれど、目を瞑るしか方法がなかったのかもしれない。

泣き疲れた夜は、気付いたら眠っていることが多かった。

悲しいことに、次の日の朝は決まって目が腫れていた。

朝日が差し込む朝は、少しだけ鬱陶しかった。
朝日が起きろと言っている、そんな気がした。

起きたくない朝と少しだけ葛藤しては、仕方なく目を開けた。

時間がない朝に、余裕などない。

布団から出ると、血圧のせいだろうか、
少しだけ肌寒い。

そして、限られた時間の中で、支度を淡々とこなしていく。

出勤する道のりは、足取りが重かった。

駅には階段が多かったし、改札に行くまでが以上に遠いのだ。

だからそれだけで疲れてしまうし、
通勤ラッシュにあたってしまうと余計に疲れた。

ラッシュに被らなかったとしても
この大都会東京では、人が多かった。

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