嘘も本当。
たとえそれが偽りの嘘だったとしても、信じ続ければいつかは本当になるだろうか。
多くの笑顔の裏には、多くの涙が隠れていた。
泣いていることを、弱虫なことを、相手に悟れぬよう、自己防衛として。
そして笑った。
笑っていれば基本的に悪いことは起きないし、得することが多い気がする。
それに気付いてからというもの、笑う"クセ"というものが少なからず染み付いてしまっているのは確かかもしれない。
人の心を読み解くことが得意な方だった。
その能力は基本的には吉と出るが、それは時に、胸が傷むものだった。
見えたくない思いと、感情と、そして気付きたくない表情。
物語っているその心情が、無意識のうちに私に伝わってきてしまう。
「嗚呼、今この人複雑な顔をしている。」
「あ、なんか今日元気ないな。」
「あ、なんかちょっと怒ってるな。」
表情の一つでいつもと違うその違和感に気付いてしまうのだ。
人の気分や感情により、私の気持ちもまた無意識に影響されてしまうのだ。
それが、地味に辛く、苦しい。
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