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私の英語多読遍歴161:After You

Me Before You の続編です。

Wilを見送って2年、新しい人生に踏み出したはずのLouだったが、なかなかそううまいことも行かず、今では空港のラウンジでウェイトレスとして働きロンドンのアパートで寂しく暮らしていた。ある日酔ってアパートの屋上へ上がったLouはそこから転落し大怪我をする。しばらく実家に戻っていたが、狭い町の噂話やWilとの思い出がある場所に耐えられず早々に自宅に戻ったLouを訪ねてきたのはLilyという少女。聞けば自分はWilの娘だと言う。

誰かを失った悲しみというのはそう簡単に癒えるものではないし、新しい人生って言ってもそう簡単に輝けるわけでもない。そんな現実を突きつけられる冒頭。Louは旅行をして新しい友達を作って夢だった仕事に挑戦してとがんばってはみたものの、結局は殺風景なアパートで一人寂しさをお酒でごまかす日々…

ティーンエイジャーのLilyの素行不良に振り回され、故人を偲ぶ教会のワークショップでも身バレを恐れて本当のことを話せないLou。転落事故で運ばれた救急車の隊員と偶然再開し、いい感じになるもこちらもそうすんなりとはことが運ばず、もがくしかないLou。この状況が一体どうやったら好転するのかと心配になるくらいのカオスっぷりですが、ところどころユーモアがあって悲壮感はあまりありません。

それでもLilyの行動にはイライラさせられっぱなしで、ああこれがティーンエイジャーか我が子がこんなことになったらどうしようなどもう気が気でないというか、ちょっと怖くなりました。(かわいそうだし悪いのは完全に向こうなんだけど)

ものすごく条件のいい仕事のオファーもLilyのために断り、ほんとなにやってんだとLouの妹や母と同じように感じていましたが、それが愛情に飢えて大人を信用できなかったLilyには必要なものだったんでしょうね。同じ立場になったらできるかなあ…絶対できないな。それにしても周りを巻き込み過ぎな気もしますが、それもLouの人柄のなせる技でしょうか。(いっぱいいっぱいになると人の連絡無視しがちなのは個人的には受け入れ難いけどー)

どのキャラクターもとても生き生きと描かれていて、実家の両親の話なんかもサブストーリーではありますが楽しめます。カオスに突入したLouの人生は果たして好転しハッピーエンドとなるのか?いろいろな障害を乗り越えて、新しい恋に踏み出すことができるのか?

英語も読みやすいのでMe Before Youを読んだらこちらも是非。ちなみに巻末インタビューを読むと、最初は1作目だけで終わらせるつもりだったのが読者からの要望が多くて続編を書くことにしたそうで。3作目もあるので、Louが幸せになるのかどうか見届けたいひとはそちらもどうぞ。(いずれ読むつもりです)

以上「After You」でした。

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