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私の英語多読遍歴157:A Street Cat Named Bob

ねこ好きとしては一度は読んでみないとと思っていた本。前にTVで紹介されていたりして聞いたことはあった話。数年前に(2020年らしい)ボブが亡くなったとニュースになってましたね。

なにをしてもうまくいかず、ついにはヘロイン中毒となりリカバリープログラムを受けつつ路上で日銭を稼ぐ生活をしていた青年ジェームスはある日アパートの前で1匹の猫と出会う。怪我をして具合が悪かった猫を家に入れ、なけなしの金で治療を受けさせたジェームス。やがて彼はその猫にボブと名づけ一緒に暮らすようになり、そこから人生が大きく変わり始める。

ボブがとにかく普通でない。猫なのにあっという間にジェームスになつき獣医も嫌がらず投薬も素直に受け入れ外出すれば肩にのり路上パフォーマンス中は大人しく側にいて観客に愛想を振りまくとは… という猫飼いの独り言はさておき、この出会いが人生を大きく変えていく過程というのがなんというかもう奇跡。

ジンジャー(日本で言うトラ柄)のオスというのは陽気でフレンドリーな性格のことが多いですが、ボブもそんな感じですね。肩乗りも可愛い。服着せられても被り物されても気にしないの可愛い。知らない人にも怖がったりしないのもすごい。とにかくボブ可愛い。トラ猫いいな。。あ、うちにいるのはビビリの白黒猫なんですけどこれはこれでひっそりと愛を送ってくれて可愛いですしもう死んじゃった黒猫はビビりなのにフレンドリーで強面の甘えん坊でこれまた可愛(y(隙自語)

…ジェームズはボブを助けたことで結果的に自分が救われたんですが、それはただ猫を助けたからじゃないと思うんですよ。自分だってギリギリの暮らしでお金もなくかつかつなのに、怪我をした野良猫がほっておけなくて治療代を払う。そんなことができるような人だったからこそ、神様がセカンドチャンスを与えてくれたのかなと。それまでの人生はどうにも巡り合わせが悪くてうまくいかなかったけれど、今ではその経験を活かしてベストセラー作家でありホームレス問題について考える活動家でもあるっていう、人生の大逆転ホームラン状態です。

この本にはただボブが可愛いっていう話だけでなく、ジェームスの体験、とくに路上で稼ぐ話、ビッグイシュー販売の仕組み、ドラッグのリカバリプログラムと離脱症状の話など経験した人にしかわからないような話もあって、今まで知らなかったことを知ることができました。

猫が好きじゃない人には信じられない話かもしれませんが、読んでみたら猫への印象が変わるかもしれません。(すべての猫がボブみたいかというとそんなことはまったくないですけど)

普通に話しているような文体で内容も難しくはないので読みやすいと思います。Kindle版なので確証はありませんが、紙本だと字が大きくて読みやすいそうです。ドラッグ中毒の話はありますが使用するようなシーンはありませんし、どちらかというとどんなにドラッグが怖いかというスタンスなので、子供でも読める内容です。

ボブの本は5冊出ていて、映画は2作。興味があればそちらも是非。映画にはボブ本人(本猫)が出演しているそうです。(ジェームス役は俳優さんなのにちゃんと理解して肩に乗ったり演技したりしてるのすごくない?)

以上「A Street Cat Named Bob」でした。

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