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私の英語多読遍歴145:Girl With a Pearl Earring

以前オランダに滞在しておりまして、フェルメールの作品、なかでも「真珠の耳飾りの少女」が好きだったので、一体どんな話かなと思い読んでみました。

タイル職人の父が仕事中の事故で職を失い、Grietはメイドとして働きに出ることになった。雇い主はフェルメールという名の画家。寡黙な主人は多くを語らないが、いつしかGrietは彼の仕事を手伝うようになる。

フェルメールという作家については現存する作品も少なくその多くが謎に包まれています。なのでこの小説はあくまでもフィクションで、実際にこの少女のモデルがだれだったのかなどはまったくわかっていません。

しかしこの小説はまるでそれが実際にあったかのようにこの作品が生まれるまでの話を書いています。知らなければ「へーそうだったんだ!」と思ってしまうくらい。当時のオランダの様子、人々の服装や暮らしも丁寧に描かれていますし、また他のフェルメールの作品についてもどうやって描かれたかという過程を(おそらく物理的な検証データなどを参考に)物語の中でなぞっています。

全体的に静かな雰囲気で、主人公Grietの語りでとつとつと話が進み、途中Grietの成長に合わせるかのように色合いが若干退廃的な風味を帯びてきます。

個人的にいうと、私はこの絵にそういうエロティックな隠喩は求めていないというか純粋に光が綺麗な絵ということで好きだったのでちょっとその味付けは受け付け難いものがありましたが… ま、個人の好みです。

先輩メイドから辛くあたられたり雇い先の子供に陥れられたりとメイドは辛いよ的な生活なのですが、それにだまって耐えているあたり、明治〜昭和の日本の女中を思い起こさせます。オランダというと先進的なイメージがありますが、1600年代はやっぱり男尊女卑だったんですねえ。。

英語はかなり読みやすかったです。難しい単語もなく、さらさらと読めました。私は個人的にオランダが好きでフェルメールの絵が好きだったので興味を持って読めましたが、どちらも特に知らない場合に面白いと思うかは微妙なところ。

これが本当の話だったなら、絵を見ながら「ああこういう背景で描かれたんだな」と思えたのですがいかんせん作者の想像なので。とはいえ1枚の絵でここまで話を膨らませられるのはすごい。

他の作品もいろいろ出てくるので、フェルメールのどの作品のことなのか調べながら読むのも良いと思います。

以上「Girl With a Pearl Earring」でした。

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