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異世界へ迷い込んでしまった話−3

0.前回までのあらすじ

 美人中国人留学生と原宿駅にて運命的な出会いを果たした。その後我々男女二人組はとある場所へと向かった。さも必然的な事であったかのように。以下では美人中国人留学生をKと略記する。

1.そしてお店へ

 私はKがあまりにも来るのが遅くて、生き急いでいた。強引に某所へ向かわせようとするもKが持つたった一枚の板がそれを阻んだ。板とはいってもサイケデリックな絵がかかれたスケートボードの板である。もう一度言うがこれはただの板であって、スケボとしての機能は皆無である。何故ならば、タイヤが付いていないからだ。Kは板を渡しに向かって振り回してイチャイチャしようとしていた。避けるように、ヨケルようにと未開の地原宿駅を歩いていたら某スポーツ店に誘導されていた。

2.強引な誘い

 日本に来てから半年は思えない語学力で、店員さんに板だけのスケボを見せて、コイツニツケルヤスイノクダサイとKは言い放った。
対応したのは如何にもスケボに乗りこなしてそうなイケイケの日本人男性店員だった。ダボダボの服に、きっちり剃られた眉毛と単発が似合う好青年であった。Kは店員さんとスケボの話をしていた。どうやらKは複数のお店を渡り歩き、タカイオニイサンヤスクシテと値切り交渉をするのが日課らしい。これは洋服や靴雑貨店でも同様に行う。

3.ファッションスケボ

 ここで私は初めてスケボをファッションの一部として乗りこなすイメージが想像できた。田舎ではせいぜいスケボに乗っていても絵柄という概念は存在しない。道路も凸凹で、路上で滑ろうものなら田んぼへダイブしてしまう。とにかく、道が粗悪なのである。自分も感化されてスケボが欲しくなった。と同時に下北ファッションの片鱗が見えた気がした。

4.female of male

 というのもKは漢であることは間違いないが、女性なのにも関わらずメンズを好んで着用する。ワイルド女子だったのである。加えて異国の地で外国語をでコミュニケーションをとり、この大都会東京で物怖じせずに生きている。私は都会に住んでいるわけではないが大陸よりかは圧倒的に、この文化を取り入れるには優位な位置に住んでいるはずだった。しかしたった半年かそこら日本で滞在しているKの方がよく、この東京という街を知っていたし度胸も据わっていた。外見はそこまで好みではなかった。しかしKの強さというものにどんどん惹かれていってしまった。不覚にも。

5.近づいていく距離

 Kがタイヤを購入して店員さんにつけてもらっている間、軽く談笑をした。出会って一時間足らずではあったが急速に仲を深めていった。なんの魅力を感じていなかったけれども、この人おもしろそうと漠然と興味がKに対して向いていった。どうやら、Kの話を聞く限り、彼女は相当なお金持ちのようだった。というのも社長令嬢で日本に美味しい物を食べる為に来日しているくらいなのだ。なるべく長期間滞在できるようにと留学生という形で。Kは都内を連日遊びつくしているようだった。腑に落ちた、Kが日本人である私よりもこの大都会東京を満喫している由縁が。

6.店を出て人気のないところへ

 スケボのカスタマイズがおわって、Kの板はただの板ではなく移動機能付きオシャレ板に様変わりしていた。高機能オシャレ板を持ち歩くKは名実ともに漢であった。私の偏見でしか無いが、こうやってKの民族は世界中の様々な所で馴染んでいくのだなと感心した。世界の工場とも呼ばれる大陸からきたKはワタシハコンナニタカイナラユニュウスルヨ。と、ただの雇われ店員に言い張る位強気の美人なのである。店を後にした私はKに人気のないところへ連れていかれた。チョットノドカワイタカラミルクティーカウ。と言い残してタピオカミルクティーのタピオカ抜きを購入した。正直意味がわからなくて困惑していたら、オニイサンカワイイカラノンデとKは言って強引にミルクティーを飲ませてくれた。その後、嬉しそうに私が飲んだ後のタピオカ抜きミルクティーをガブガブ飲んでいった。してやられてしまったのである。こうのようにして私は勝利を確信して、やれやれと思いながらついに念願の男女が二人きりで休み某所へと羽を休めに行ったのであった、、、

つづく

慈悲をください、、、!