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日本のNISAとイギリスISAを徹底比較!

こんにちは、イギリス在住のエンジニア、こおるかもです。

今日は、30代でFIREを目指すべく奮闘しているぼくの資産運用で、大変お世話になっているイギリスの資産運用制度を紹介したいと思います。

その名もISAIndividual Savings Account)。

日本のNISAと似ていますが、何を隠そう日本がイギリスのISAをパクってできたのがNISAです。(NISA:Nippon Individual Savings Account

基本的にはどちらも同じ仕組みで、一定額・一定期間において、非課税で上場株式や投資信託を購入できるという仕組みです。これを通じて、国民に資産運用を促し、経済成長しようというものですね。

では、具体的にこの二国の制度にはどの程度違いがあるのか、表にまとめましたのでご覧ください。(なお、1£=160円で計算しています)

日本のNISAとイギリスISAの比較

日本NISAとイギリスISAの比較

違いとしては、まず、イギリスISAの方が年間の非課税枠が二倍以上で、なんと無期限のため、とても有利です。一般的な収入の人にとってはぼぼ無制限で非課税投資ができると言っていいレベルです。また、制度がシンプルで分かりやすいのも特徴です。

日本のNISAは、つみたてNISAがあるのが特徴的です。長期で積み立て投資をすることを前提に、投資できる商品も厳選されており、初心者が入りやすい設計になっている点はとても良いと思います。

しかし、ぼくが個人的に一番強調したいのは、表中にある、
投資枠の定義」に違いがあることです。

この点についてちょっとだけ詳しく解説させてください。


投資枠の定義の違い

日本のNISAでは、購入額に対して非課税枠が適用されます。

例えば、最初に証券口座に60万円を入金して、ある会社の株を60万円分買ったとします。この時点で一般NISAの枠(120万)のうち、半分の60万円が削られます(残りは60万円)。

その半年後、株価が上昇し、80万円で売ったとします。すると、手元に80万円が戻ってくるので、これを使って別の株に投資したいのですが、すでにNISAの枠が残り60万円しかないので、80万円のうち20万円は使えずに来年のために口座に置いておくか、他の課税口座で売買する必要があります。

したがって、60万円しか証券口座に入金していないのに、売買を繰り返すとすぐに非課税枠を使い切ってしまうのです。

おそらく、NISAで投資をしている日本人には「そりゃそうでしょ。何を当たり前のことを言ってんの?」という感じに聞こえると思います。

しかしなんと、イギリスのISAでは考え方が違うのです!

イギリスのISAでは、「証券口座に入金した額」が非課税枠にカウントされる仕組みです。

つまり、1年の投資枠である2万£(約320万円)を口座に入金した後は、その中で何度売買しようが、ISAの非課税枠は減りません!

そのため、先ほどの例でいえば、売って手元に戻ってきた80万円を再度非課税枠として別の株に投資できるのです。しかも何度でも。

さらにもう一つの利点は、NISAの場合は、購入した時に枠が減るので、「1年以内に株を購入して非課税枠を使い切らないといけない」という時間制約があるに対して、イギリスISAでは、とりあえず1年以内にISA口座に入金さえしておけば、「売買するのは翌年以降でもOK!」ということです。

そのため、その年の自分の資産状況や、世界の市況に合わせて売買するタイミングを自由に選ぶことができるのです!

まとめると、イギリスのISA制度では、証券口座に入金した後は、
「何度売買してもずっと非課税!」
「いつ売買してもずっと非課税!」

ということです。このメリットは計り知れないです。
少なくとも僕のような個別株投資で毎月のように銘柄を入れ替えたりしながら売買しているような人にとっては最強の制度です。

逆に日本のNISAでは、「一度買ったら意地でもホールドしろ!」という悪意に近い意図が感じられます。資産運用は、売買を繰り返して学習し、運用スキルを磨くことで、より効果的な資産形成が可能になります。

なので日本のNISAもこの点が今後改善したらいいのにな、と思っています。


今後の変更点について

そんな日本のNISAもイギリスのISAも、今後制度の変更が予定されています。

日本のNISAは、期限が無期限になるため、その点ではかなりの改善だと思います。合計枠も1800万あるので、一般的な所得層であればかなり十分な枠と言えそうです。

一方イギリスISAも変更が議論されています。まだ決定ではないそうですが、今後合計枠が10万£(約1600万円)に制限される(かもしれない)そうです。

これは投資家にとってはかなりの改悪です。さっそくニュースでは批判の声がたくさん上がっています。ぼくも撤回を願うばかりです。


以上、日本のNISAとイギリスのISAを比較してみました。

みなさんもぜひイギリスに住む機会があったら、ISAで資産運用をやってみてはいかがでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございました!

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