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【新作発売】村上春樹ー街とその不確かな壁

こんにちは、村上春樹主義者のこおるかもです。

実はこのnoteを始めたころに、何回か村上春樹愛を語っています。

そしてこの度、村上春樹の最新長編が発売されました!
タイトルは「街とその不確かな壁」

こちらのニュースを引用しておきます。

2023年4月13日、村上春樹さんの新作長編小説「街とその不確かな壁」が新潮社より発売されることがわかりました!!

2017年2月に発売された『騎士団長殺し』以来、6年ぶりの書き下ろし長編小説。

新作長編作品は原稿用紙1200枚で、村上春樹さんの長編小説としては初めて、刊行と同日に電子書籍も配信されます。

価格は2970円。

[作品概要]

その街に行かなくてはならない。なにがあろうと――〈古い夢〉が奥まった書庫でひもとかれ、呼び覚まされるように、封印された“物語”が深く静かに動きだす。魂を揺さぶる純度100パーセントの村上ワールド。

楽しみすぎる!!!

ちなみに、このタイトルは、1980年に雑誌に掲載された中編小説のものと同じで、どうやらこの作品をベースにしたものであることがわかっています。ですがわたくしこおるかも、大変お恥ずかしながらこの作品は存じ上げておらず、中身は知りません。(雑誌掲載後、単行本にも、全集にも収録されていません)

ですが、タイトルにある「壁」といえば、村上春樹主義者であればピンとくるものがあります。それは、エルサレム賞スピーチの「壁と卵」です。

そこでは、「壁」を「社会システム」のメタファーとして表現しています。
ちょっと引用してみます。

ひとつだけメッセージを言わせて下さい。個人的なメッセージです。これは私が小説を書くときに、常に頭の中に留めていることです。紙に書いて壁に貼ってあるわけではありません。しかし頭の壁にそれは刻み込まれています。こういうことです。

もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます。

そう、どれほど壁が正しく、卵が間違っていたとしても、それでもなお私は卵の側に立ちます。正しい正しくないは、ほかの誰かが決定することです。あるいは時間や歴史が決定することです。もし小説家がいかなる理由があれ、壁の側に立って作品を書いたとしたら、いったいその作家にどれほどの値打ちがあるでしょう?

さて、このメタファーはいったい何を意味するのか?ある場合には単純明快です。爆撃機や戦車やロケット弾や白燐弾や機関銃は、硬く大きな壁です。それらに潰され、焼かれ、貫かれる非武装市民は卵です。それがこのメタファーのひとつの意味です。

しかしそれだけではありません。そこにはより深い意味もあります。こう考えてみて下さい。我々はみんな多かれ少なかれ、それぞれにひとつの卵なのだと。かけがえのないひとつの魂と、それをくるむ脆い殻を持った卵なのだと。私もそうだし、あなた方もそうです。そして我々はみんな多かれ少なかれ、それぞれにとっての硬い大きな壁に直面しているのです。その壁は名前を持っています。それは「システム」と呼ばれています。そのシステムは本来は我々を護るべきはずのものです。しかしあるときにはそれが独り立ちして我々を殺し、我々に人を殺させるのです。冷たく、効率よく、そしてシステマティックに。

今回の「壁」というものが、果たしてどんなものを表現しているのか、今からわくわくがとまりません。

発売は4月13日ですが、イギリスに住んでいる僕はおそらく簡単には入手できません。

ですが、本を買うという体験も含めて読書だと思っているぼくとしては、今年の夏に日本へ帰国する際に、紀伊国屋書店で満を持して買いたいと思います。

なのでそれまではお預けです。みなさんもどうかネタバレなどしないようにご協力をお願いいたします。

ちなみに、前作の長編小説「騎士団長殺し」のときは、新宿の紀伊国屋書店で深夜に行われた発売記念イベントに並んでゲットしています。


新宿紀伊國屋書店前


今回このイベントに参加できなかったのは残念ですが、ともかく、今年の夏はこの最新作を思いっきり楽しみたいと思います!

それまで頑張って生きよう!

それでは、また。

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