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お問い合わせ窓口を再構築しました。

みなさん、こんにちは。そしてお久しぶりです。
元クックパッド・スペイン駐在員のマイコです。
2021年7月にクックパッドから転職し、現在はプラットフォーム系事業のスタートアップに在籍しています。toC向けプロダクトのPdMをやりつつ、新規施策オペレーション構築やGoogle App Script/SQLで業務自動化したり、データ分析をしたりと、幅広めに動いています。

スタートアップあるあるだと思いますが、入社してみて驚いたのは非常に多くの物事が社員の根性で回っているということ。前向きに言い換えれば、未整備で課題もかんさんある分、できること山盛りです。

今回は、入社して数ヶ月後に行ったお問い合わせ窓口改革について書いてみました。

入社直後のお問合せの嵐

入社1ヶ月が経った頃、ユーザからのお問合せの大嵐に見舞われ一人で一通一通メールを返信し続けました。夜遅くに返信したメールには、ユーザさんから温かい労いのお言葉が添えられた返信が届き、それを励みに翌日もせっせとメールを返し続けまた。

当時のお問合せ対応システムは
メールとフォームからの問い合わせをSlackの特定チャネルで通知させ、Gmailで返信する
というものでした。

この仕組みの課題は次の3点です。
①対応状況の管理ができない
Slack ポストに「済」とか「確認中」とスタンプを押して管理していましたが、上へ上へと流れてしまい、見落としが発生してしまう危険性があります。また、ユーザからの返信待ちや社内他部門確認中などのステータスも管理できず、対応漏れの恐れがありました。
②業務のブラックボックス化
Gmailでメール作成・送信しているので、ダブルチェックができなかったため、ミスやインシデントが起きていても発見しにくい状況でした。また、担当者の中でのみ知見が溜まっていくのも課題でした。

お問い合わせ窓口の作り直し

システム導入による可視化、効率的なオペレーション再構築、人材育成の3つで作り直しました。

システム導入による業務可視化

世の中には様々なお問い合わせ対応サービスが存在します。想定用途と機能、UIのわかりやすさ、そして大事な費用や支払方法などなど諸々の条件を鑑みて比較して、選定・導入しました(導入したのは、株式会社ベーシックさんのform.runです)。
「導入」と一言でまとめましたが、分解すると次の作業をしました。

  • お問合せ窓口のフォームを作成+当社ウェブサイト埋め込み公開

  • 事務局宛メールのform.runへ転送やSlack通知など各種設定

  • メンバーにアカウント付与&基本的な使い方レクチャー

まとめてやれば半日もあれば終わる内容量でした。

form.runの看板イメージ(form.runのウェブサイトより)

オペレーションを再構築

システムの導入と同時にシステムの機能を活用した効率的なオペレーションに作り替えました。

  • 進捗管理:メール・フォームどちらからのお問い合わせをカンバン管理(担当者個人のノートやSlackでの管理などブラックボックスになる方法は廃止)

  • 「メール作成」と「チェック」の二つの役割を作り、常に一つのメールを二人以上が目を通す。

  • 最終的な意思決定だけでなくやりとりはすべて記録す(form.run機能「メモ」を活用)

メンバーに話したところすぐに対応してもらえました。強い危機意識と共通の問題意識があると個人も組織もスピーディーに変化するものです。

人材育成で持続的に成長する組織に

さて、システム導入とオペレーション再構築は比較的短期間で終わったので、中長期的な「教育」の取り組みで仕上げます。教育では、システムやオペレーションではカバーできない次の2点を固めていきました。
①メール作成・チェックどちらのポジションもできること(平準化)
②担当者による品質や判断基準がぶれないこと(標準化)


教育内容は、いたってシンプルです。

お問い合わせ対応チーム全員にメール作成・チェック両方のポジションを一定期間経験を積んでもらい、私はやりとりに伴走して「考え方」と「改善サイクル」をインストールしていきました。
具体的にはメール本文を直接修正するのではなく、修正方針をメモに記載して修正自体は担当者に任せました。また、その場でマニュアルへの追記や修正も都度依頼していき、常に最新状態を維持することも業務の一部として組み込みました。

現在は複数名のメンバーが自律的にオペレーションをこなすだけでなく、改善もし続けていく持続的成長可能な体制とチームになっています。控えめに言って自慢のチームです。

まとめ:お問い合せ対応は楽しい

お問い合わせ対応は、常に緊張感漂う業務です。でも、苦難を共に乗り越えてきた信頼しあえる仲間と一緒なので不思議と楽しいと感じています。

そして、自分が行った問題解決が健全に機能し続けている姿を見るのはなんとも嬉しいものです。

振り返ると、これまでは比較的成熟した組織に在籍していたため、私自身の手で体制を作り直したという経験も機会もなかった気がします。
お問い合わせ対応の作り直しを通じて、自分が発見した問題を自力で解決してしまうことの楽しさを覚えてしまいました。

最後に余談。
お問合せ対応は新人研修にとてもお奨めです。自社サービス、ユーザ、システムについて否が応でも一気に解像度が上がります。現在も一人の新入社員が絶賛オンボーディング中です。

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