夫が浮気してた3【再出発】
年の暮れのクリスマスに、夫の3年半に及ぶ浮気が発覚した。
散々泣いて夫を責めながら、この3年半、どういうきっかけで浮気をしたのか、相手の女性との関係、数々の疑惑の裏側を聞き出した。
聞けば聞くほど、私の心がナタかなんかでざくざく切られるような痛みが走るけれど、止まらなかった。
お互い仕事をしていた頃、お互いの帰宅時間が遅くなった時は、駅まで夫に車で迎えにきてもらって2人でご飯を食べに行った。
いつもは仕事道具でごちゃついてる車がたまに助手席の周りだけ綺麗になっている時があった。
きっとその相手とホテルに行った帰りだったんだろう。
だから帰りが遅くなったんだろう。
夫と交際中、よく使っていたスタンプがあった。カップルが使うことを想定したスタンプで、夫が男の子のキャラクター、私が女の子のキャラクターをそれぞれ使い、行ってらっしゃい!とか、おやすみとか、カップルがよく使うワードを可愛く送れるものだった。
浮気相手とのLINEのやり取りでそのスタンプが使われてた。
聞けば聞くほど恐ろしかった。
この結婚生活は一体何だったんだろう。
一体私が結婚したと思っていた相手は何者なんだろうか。
絶望しかなかった。
もう戻れないんじゃないかなと思った。
ちょうど年始に関西の実家に帰る予定をしていたので、それを機に実家に戻って仕事を探そうかと一通り脳内シミュレーションをした。
息子のことが頭をよぎった。
あぁ、この子に不自由させてしまうのか。
女手ひとつでこの子を育てるのか。
いっぱい我慢を強いてしまうのか。
そんな未来、全く想定していなかった。
ちょうど浮気発覚後、次の日は夫が一泊2日で出張に出る日だった。
その2日間、夫と離れることができて、色々考えた。
離婚届にサインしておこうかとも考えたり、また3人でやって行こうかとも考えたり、ひとまず別居をしようと思ったり、様々な選択肢が頭に浮かんでどうしようもなかった。
何が正しい選択なのか、さっぱりわからなかった。
正しいかどうかなんてもはや何にも役に立たなかった。
自分がどうしたいかどうかだけだった。
そこで、苦しいけど自分の心をのぞいてみた。
私は、この期に及んで夫を愛していた。
出張先に無事に着いたかなとか、晴れたしパジャマ洗っとこうとか考えてしまう。
私は自分の幸せだけはコミットしてる。
これだけのことをされておきながら、夫と別れることは、私のボロボロで瀕死の状態になった心の息の根を止める行為だった。
それが世間的にバカな選択だろうとも、間違った選択だろうとも、私にとっては夫と息子と3人で生きたい。これが紛れもない答えだった。
今までの結婚生活が偽りならば、これから本当の家族になりたい。
その気持ちに気づいたので、出張帰りで身も心もボロボロになった夫に伝えた。
夫は帰ってきたら離婚届を出されると思っていたらしい。
大泣きしながらありがとうと何回も言ってくれた。
これで一件落着!
とはいかなかった。
自分の選択に今のところ後悔はないものの、一度深く傷ついた心はそう簡単についてこない。
夫と息子の3人の日常に戻ると、それが幸せであればあるほど、あぁまたこの幸せが一瞬にして無くなるんじゃないの?っていう恐怖感にとらわれてしまい、急に涙が止まらなくなる。
多分きっとこの先どんなに良いことがあっても、私の心が完全に戻ることはないように思える。
でも、この日常の当たり前の幸せが明日も明後日も続くと信じられるくらいには回復したい。
きっとそれは数年単位で時間が必要だと思う。
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