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翻訳者のリレーブログ

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映像翻訳者が仕事のこと、語学学習のこと、趣味のこと、フリーランスの働き方、在宅ワークなどについてシェアします。
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#翻訳

ヒマは大事だ(この1年の振り返り)

2023年5月2日、アメリカ脚本家組合(Writers Guild of America, WGA)がストライキに突入してから1年が経ちました。 私の会社はこの10年近く、ハリウッドで書かれた脚本の翻訳というニッチな仕事を数多く手がけてきたため、ハリウッドの脚本家たちが筆をさしおいた途端、多くの企画が中断を余儀なくされ、私たち翻訳者の仕事もなくなりました。 ストライキ自体は5カ月間でしたが、終わってからも混乱は続き、のべ10カ月の閑散期を初めて経験。当初は「このような憂き

Do They Know It's Christmas?

クリスマスも近いこのシーズン、クリスマスソングを耳にすることも多くなる。 定番のクリスマスソングの1つに、Do They Know It's Christmas? という曲がある。1984年にイギリスの人気アーティストたちが集まってレコーディングしたチャリティソングだ。飢饉に苦しむアフリカの人々への支援を目的とし、この曲が生み出した莫大な収益は全額寄付された。 かの有名なWe Are the Worldの影に隠れがちだが、こちらが元祖。アーティストのコラボレーションによる

【リレー】あなたの好きな映画は?

「好きな映画は?」と聞かれたら、『月の輝く夜に』と答えるようにしている。他にも、子供の頃に録画ビデオがすり切れるまで見た『グーニーズ』や、ガイ・リッチーのスタイリッシュな初期作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、ジュード・ロウのかっこよさにもん絶した『スターリングラード』などいろいろあるのだが、考えると迷路にハマるので、10年ほど前に『月の輝く夜に』にしようと決めた。 初めてこの映画を観たのは社会人1年生の時だ。会社帰りに立ち寄ったレンタルビデオ店でこれを

来年の手帳

12月1日は手帳の日でした。 皆さんは2023年の手帳はもう決めましたか? 私は「朝活手帳」というセルフコーチングができる手帳を購入しました。 2022年11月から使える手帳なので、すでに使い始めています。 この手帳を選んだ理由は、個人的に永遠のテーマである「人生のオンとオフを分ける」ため。 翻訳の仕事を始めておよそ四半世紀、仕事の事ばかり考えて生きてきました。30代は仕事をしていた記憶しかありません。40代後半は良いチームに恵まれ、週に1度は休みが取れるようになりまし

習慣を身につけるには、まず自分を知ること

グレッチェン•ルービン著「人生を変える習慣のつくり方」を読んだ。 読書の習慣がおろそかになっていたので「どうすれば読書を習慣づけられるか?(ついでにブログも)」という問いの答えを求めて読んだ。 原書の「Better Than Before」はオーディオブックで聴いたことがあった。 習慣の本は好きで今までに何冊も読んでいて、実際どれも似たようなことが書いてあるのだが、本書と他の習慣本の違いを定義するなら、それはアプローチの仕方の違いだろう。この本のメッセージをヒトコトで言

「紙1枚!独学法」読書メモ

新しいプロジェクトが始まってここに書けないのが残念なくらい学びの多い日々を送っています。糸井重里さんのように物事を抽象化して書く技術がないのでここに書くことはできませんが、働くことについて、主にリーダーシップやチームワークのことなどを考えながら日々過ごしています。 でもこういう学びってタイムリーに言語化しないとすぐに忘れてしまうんですよね。自分のノートに日記のように書き出したりして、いずれブログ記事にまとめるということをすればいいのでしょうが。 というわけで、この「学びを

五十肩 その4:カテーテル治療

今日から11月。10月の一番大きな変化は、9月末にオクノクリニックで五十肩のカテーテル治療を受けたことです。五十肩を検索したことがある人なら一度は見たことがあるかもしれない、モヤモヤ血管でおなじみの痛み専門クリニックであります。注)以下は完全に素人の感想です。 このクリニックの存在を知ってから数日間、HPを読んだりレビューを読んだり、院長のYouTubeを見たりして「これしかない」と確信、すぐに初診予約を入れました。「痛みが出てから2か月弱」と言うと、「早いね、普通の人はも

アメリカ大学院留学の今を伝えるVOICY

aiさん同様、私も家事をしながら、ウォーキングをしながら、PODCASTやVOICYを聞くのが習慣になっているのですが、最近のお気に入りのパーソナリティのお二人をメモしておきます。 お二人とも現在アメリカの大学院に留学をされていて、そこでの学びをシェアしてくれています。 1人目のビリギャルこと小林さやかさんのVOICYはジェネレーションギャップを感じる内容で毎回驚きながら聞いています。 「noteを書くと2~3時間かかる。でもそんな時間はないから自分の記録のためにもVO

通訳者の勉強法

毎日の英語学習のモチベーションが上がらないので、同時通訳者の本を何冊か読みました。突き詰めると、最も効果の高い英語コミュニケーションの勉強法は通訳の訓練法だと思っています。 一般的に、英和翻訳は英語を読んで日本語を書ければできますが、通訳は双方向であり「英語を聞いて日本語で出す」「日本語で聞いて英語で出す」を即時に口頭で行うため、様々なスキルが必要です。(憧れないわけがありません) ご紹介するのは、関谷英里子さんの「あなたの英語勉強法がガラリと変わる同時通訳者の頭の中」と

五十肩 その3:音声入力に挑戦の巻

字幕翻訳をするときは字幕制作ソフトを使うが、最近はテキストの翻訳が多いので、仕事でよくWordを使う。買い切りのソフトではなく、Microsoft 365というサブスクリプションを利用しているため、日ましに新しい機能が追加されている。 最近「ディクテーション」というボタンが目立つところにできた。いや、ボタンの存在に気づいたというべきか。試しに今日は音声入力でブログを書いてみようと思った。理由はタイトルの通り、五十肩である。ツボ押しと筋膜リリースを続けて症状は軽くなっているが

訳すことは聞くこと。

“yoshikoってあまり自分のことを話さないよね” 20年来の友人にこう言われたことがある。別に嫌味でも何でもなく、当時母親になったばかりの彼女は、自分のことを積極的に話すママ友が多かったらしく、私と会話をしながらふとこう思ったらしい。友達などといる時、聞き手に回りがちであることは事実だが、それでも彼女の言葉には結構ドキッとした。“あ、見透かされた”と。 自分について話さない理由はいたって簡単だ。自分の話やネタに自信がないからである。“こんなことを話して、相手は楽しめるだ

「書くための文章読本」

たまたま見つけて読み始めた本が、翻訳者にも役に立つ内容だったので紹介します。巧い文章とは何かが言語化されている本で、冒頭を試し読みできるのでまずは読んでみてください。 読みたくなりましたか? 今日取り上げるのは、第三節の「主体性から見た文章技法」にあった文章の視点について書かれた箇所。日本人なら誰もが知る川端康成の「雪国」の冒頭は、 ですが、この文章の視点はどこにあるでしょう? と著者は問いかけます。 正解は「この文章だけでは分かりません」です。でも先を読み進めていくと

はじめまして。

はじめまして。翻訳者のyoshikoと申します。 映像翻訳を学んでいた頃からお世話になっているM.S.さんとaiさんに声をかけて頂き、「翻訳者のリレーブログ」に参加させて頂くことになりました。 リレーブログと言いながら周回遅れでバトンを受け取ってしまい、失格の判定が出るのではないかと若干心配ですが… ここから挽回するように頑張ります。 まずはウォーミングアップをかねて自己紹介から。 映像翻訳を始めて、ピヨピヨの頃を含め、およそ20年になろうとしてます。幼少期をアメリカで過ご

五十肩

この1か月ほど五十肩(らしき症状)に苦しんでいます。 五十肩って何なんですか、調べても整体院の宣伝しか出てきません。 幸いキーボードは打てるので仕事はできるのですが、この1週間ほどは右上半身がピキピキと音を立てているようなそんな痛みなんです。痛すぎて誰にも触ってほしくないので病院にもマッサージにも行けません。 誰に話しても、2か月ほどで痛みは引いていくと言われるので、その言葉を信じてあと1か月耐えるしかありません。不可抗力というか(老化というか)自分の思い通りにならないこ