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神様に宛てた手紙

響きだけでいうと素敵な映画みたいじゃない?
病弱な少年との友情物語みたいな。マイ・フレンド・フォーエバー(The Cure)感。中学のときに学校で観る機会があって、隣の子ボロ泣きだった。

タイトル詐欺で読みにきちゃった人いたらごめんなさいね。そんな素敵なエピソードはないです。

久しぶりに裁縫セットを探してる最中に、小学生の頃に書いた交換ノートや友達に出さなかった手紙が出てきて……まあ読むよね。
微笑ましさ2:黒歴史8というところ。手が汗ばんできたのでそっと元に戻した。

と、謎の紙切れがひらひら落ちてきた。それが神様に宛てた手紙だ。

懐かしいミルモ

〜神様〜
私の
心のノート
がどうしても
みつかりません。
もし、よければ、
心のノートのあ
りかを、おしえて下さい。



これまたポエミーな。正しさとはなにか。神に指針を求める少女の迷いと切望……

前世は電子レンジポエミィな彼かもしれない



なんてことはなく。

同世代の人なら聞き覚えがあるだろう、小学生が使う道徳の教科書のことだ。
授業でほとんど使わなかったにもかかわらず「来週は心のノートを持ってきてね」と担任に言われて無くしたことに気がつき焦った記憶が朧げに。
散々探して見つからなかった先の神頼み。
必死すぎやしないか。おい、笑える🦆

結局みつかったのかどうかは覚えていないが、たいして困らなかったのだと思う。
今となってはたかが教科書一冊だが、小学生の無くし物、忘れ物って一大事だからね。小さなことに情緒を乱されていたことが不憫でもあり、可愛らしくも思える。29歳の自分にとっての苦労や悩みも、80歳の自分が見たらその程度のものなのかもしれない。

でもね、齢一桁の私よ。
正しさや優しさって何だろうって大人になってからのほうが考えさせられるよ。
子どもの頃のほうが世界はずっとわかりやすくて、何にでも正解があると思ってた。実際は何も見えないまま、迷いながら手探りで生きてるだけなんだよ。絶望した?怖い?

私はカトリックのミッションスクールで人生の大半を過ごした、仏教徒の一族の生まれ。何の信者でもない。でも宗教にはまる人の気持ちも理解できる。生き方の道標が欲しいんだよね。


神様、
私の心のノートのありかを
ご存知ないですか。







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