Cinema 4D R23新機能: ワークフロー改善
Cinema 4D R23は、ワークフローの改善が行われています。
Python 3.7.7をサポート
VFX業界の対応状況にわせサポートするPythonの2系から3系に変更されました。また処理速度も向上しています。
OBJのサポート強化
連番OBJ:OBJのインポートとエクスポートが強化されました。連番OBJのインポートとエクスポートに対応したので、Element 3DやTrapcode Particularで使えます。
UTF-8対応:マテリアル名やオブジェクト名にUTF-8使っても正しく表示されるようになりました。
Adobe Dimensionsサポート:DimensionsのPBRマテリアルを極力サポートしました。Adobe Stockの3D素材もそのまま読み込めます。
頂点カラーのサポート:ZbrushやMeshlabからの頂点カラー付きのデータもインポートとエクスポートできるようになりました。
ポイントクラウドの対応:ポリゴンのないポイントだけのデータも取り込めるようになりました。頂点カラーも読み込めます。
FBXのアップデート
FBXもアップデートされています。バインドされたジョイントのみエクスポートできるようになり、ゲームエンジン向けに保存する場合も不要なジョイントは書き出されなくなります。
また、アニメーションのテイクの書き出しにタイムラインマーカーが選べるようになりました。歩く走るなどの別モーションをマーカーで分割できます。
USDのサポート
Pixarが開発した3DシーングラフのフォーマットであるUSD(Universal Scene Description)をサポートしました。R23では、ジオメトリ、カメラ、ライトのインポートとエクスポートに対応しています。
AppleもOSベースUSDをサポートしており、AR用のアセットとしても保存感が簡単になります。
オブジェクトマネージャの操作がわかりやすく
オブジェクトマネージャの階層操作時にオブジェクトの挿入位置がハイライトされるようなったため、オブジェクトがどこに挿入されるかわかりやすくなりました。個人的には地味ですが、一番うれしいアップデートです。
画像ビューアーで透過表示
アルファチャンネルのある画像を画像ビューアーで表示したときに、Photoshopと同じように背景がチェック模様で表示できるようになりました。これまでの黒では、影なのか透過なのかわからなかったところもすぐに分かります。
Magic Bullet Looksが適用可能に
After EffectsやPremiere Proで人気のカラーグレーディングツールのMagic Bullet Looksがレンダリング特殊効果として適用できるようになりました。
色相/彩度、色相/明度など調整から、リノイズ、MOJO II、フィルムプリントツール、Colorista、LUTの適用、ビネットの適用、分光エフェクトなどが行なえます。さらに、効果はリアルタイムにビューポートで確認できます。
After Effectsでエフェクトを掛けずに、クライアントに仕上がりの方向性のチェックが行なえます。豊富なプリセットから好みのエフェクトを適用するだけでなく、自分でカスタマイズしたプリセットは、そのままAfter EffectsやPremiere Proでも使えます。
このMagic Bullet LooksがCinema 4Dに付くと知ったとき、最初は「この機能って本当いる?」と思いました。Cinema 4Dでレンダリングしたものをそのまま納品というケースはほぼないでしょう。カラコレやエフェクトはコンポジットソフトやPhotoshopで行うのが一般的です。
でも、使ってみてわかったのは、比較的フラットなレンダリングが劇的に魅力的になるのです。もちろん実際の工程ではそのまま出すことがありませんが、カラコレまで行った状態を即座に見られるのです。作っていてこれはテンションが上ります。
しかも、ビューポートでMagic Bullet Looksの効果は、リアルタイムで確認できます。場合によってはクライアントへのチェック出しにも使えるかもしれません。
ビューポートのクオリティがアップ
ビューポート表示での反射マテリアルの表面粗さがサポートされ、クオリティがアップしました。Magic Bullet Looksの組み合わせれば、最終レンダリングに使えるレベルのビジュアルがリアルタイムで得られます。
反射するオブジェクトを距離に応じて、フェードアウトさせることができます。反射の解像度を1/2に設定できるようになったので、計算負荷が減るのでビューポートの速度がアップします。
このようにCinema 4D R23では、小さなアップデートがたくさんされています。