Cinema 4D R23新機能:キャラクターアニメーション
Cinema 4D R23では、キャラクターアニメーションに関する機能が多数追加されました。今回はその機能を紹介してきます。
アニメキャラクター用のセットアップリグ
Cinema 4Dには、キャラクターを動かすためのジョイントやコントローラーをセットアップしたリグと呼ばれる多数用意されています。その種類は、人型だけでなく四足動物、鳥、虫、爬虫類、モーションキャプチャー用があります。
今回このリグに人型のアニメキャラクター用リグ「Toon Rig」が追加されました。このリグはその名前の通り、手や足などをサイズが変化するようなマンガやアニメ的な表現が可能になっています。たとえば、次の画像のようなパンチをしているポーズもそのままでは迫力がでません。
でも、Toon Rigを使って左手を大きくして、逆に右手を小さくすることで擬似的なパースが付き迫力が出てきます。使い方も簡単で、IKコントローラーのスケールを変えるだけです。これまでは、リグにこのような仕組みが設定されていなかったため、FFDやカメラデフォーマなどを使う必要がありました。
さらに、このToon Rigは、指や足の動きを簡単にコントロールできます。特に指は一つのコントローラで握るや手を開く動きを設定できます。もちろん、指一本一本を個別のコントロールも可能です。
さらに、リグには長い耳、しっぽ、翼のリグが追加できるので、人間だけでなく、動物キャラからケモ耳、天使や悪魔など翼を持ったキャラクターのセットアップもできます。
表情用のフェイシャルリグ
キャラクターの表情を作成するためのフェイシャルリグも追加されました。これまでキャラクターの顔の表情は、笑顔や悲しい、あいうえおの口の形など予めモーフターゲットという決まった表情を作成しておき、それをブレンドする手法でした。この手法は、微妙な表情の調整やアニメのように特定のアングルのみ最適化させたい場合は、その都度モーフターゲットを作成する必要がありました。
新しいフェイシャルリグは、ジョイントベースのため表情を自由に作ることができるので、こんな顔芸も可能です。
ポーズライブラリ
予めキャラクターのポーズを登録して、同じ階層構造のキャラクターに割り当て可能なポーズライブラリ機能が追加されました。この機能は、階層構造のオブジェクトのPSR(位置・スケール・角度)を登録して、割り当て度合いを指定できます。登録は、すべての階層だけでなく途中の階層のみを登録できるので、全体のポーズはもちろん、顔の表情、手の形も登録できます。
キャラクターだけでなく、車や住宅のドアなど階層構造でPSRアニメーション設定可能なものであれば登録できます。従来はXPressoやポーズモーフで登録操作が必要だったものもポーズモーフで簡単に登録コントロールできます。
ポーズライブラリは、データベースとしてプロジェクトファイルとは別に保存されているため、別のシーンや社内のスタッフが同じライブラリを再利用できます。
デルタマッシュ
新しく追加されたデルタマッシュデフォーマは、変形したメッシュをスムーズにする機能で、ウェイトがあまり整っていない状態でも比較的にきれいな状態にしてくれます。これまでのように慎重にウェイト設定をしなくても良好な結果が得られるようになります。Cinema 4D内で完結するのであれば、キャラクターアニメーションのセットアップがスピーディに完了します。
リターゲット
これまでCinema 4Dにモーションキャプチャデータを他のキャラクターに割り当てるモーション移植という機能がありましたが、この機能が進化してプロポーションの異なるキャラクターにも割り当てできるようになりました。キャラクターのジョイントの名前や階層に合わせて、モーションを転送できるので、モーションキャプチャーデータを活用できます。
Moves by Maxonへの対応
Maxonがリリースしているフェイシャルと体の動きのモーションキャプチャーが取れる無料iPhoneアプリのMoves by Maxonのデータは、これまでCineversityのプレミアムアカウントユーザーしか使えませんでしたが、R23から標準機能となりました。これからはリターゲット機能と組み合わせることでiPhoneでキャプチャーした動きを自分のキャラクターへの適用できるようになります。
以上がCinema 4D R23のキャラクターアニメーションに関する新機能です。ぜひ、サブスクリプションユーザーはすぐアップデート可能です。お持ちでない方もこちらの体験版でぜひお試しください。
また、英語ですが各機能のご紹介ビデオも用意されていますので、こちらもご覧ください。