見出し画像

さあ、夏の扉を開けて。

梅雨の冷たい雨に濡れて、涙目のキミ。
前だけを、空だけを見て、だれより背伸びして。
そうやって、キミはいつも光を探している。
ほんとうは、だれより元気に輝きたい。
でも、キミのこころの拠りどころである太陽がなかなか顔を出さなくて、キミは一歩を踏み出すことをためらっている。

今年の梅雨は、長いね。

でもね。
目を閉じて、感じてみよう。
身体いっぱいに、空気を吸いこんでみよう。

雨をたくさん含んだ土のにおいが、わかるだろうか。
熱を持って、頭上を黄色く染めるそのときを。
今か今かと待っている土のにおいが、キミにもわかるだろうか。

射しこむ光は見えなくても、ほら。

夏はもう、すぐそこに。


暗闇で、前が見えなくて。
冷たい風に、翻弄されて。
ひとりぼっちに思えてしまって、哀しみに暮れてしまう。
不安でこころ細くて、おそるおそる背伸びして。
でも、背伸びすればするほど風は強くて、ついついこころが折れそうになってしまう。

そんな時間を乗り越えて、キミはようやく夏の入り口に立った。
さあ、夏の扉を開けて。
全身に太陽の光を浴びて、めいっぱいに花を咲かせよう。
季節を、謳歌しよう。
空はときに曇り、また雨を降らせる。
それでもまっすぐ前を見て、空を見て、堂々としていよう。

土は、含んだ雨をキミに還元してくれる。
地につけた足は、より確かなものになる。
もうこわくないよね。
キミは立派な、向日葵だ。

あたりを見回せば、きっとそこにはすてきな仲間たちがいる。
みんなで寄り添って、みんなでまっすぐ伸びていこう。

さあ、夏の扉を開けて。
全身に太陽の光を浴びて、めいっぱいに花を咲かせよう。






画像1










いただいたサポートは、ほかの方へのサポートやここで表現できることのためにつかわせていただきます。感謝と敬意の善き循環が、ぼくの目標です。