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『きみには雨が似合うねなんて』 フォトポエム


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きみには雨が似合うねなんて 決めつけてほしくなかった
日陰にひっそり佇むその姿こそなんて 誉められてもうれしくなかった
ねえ 知っていますか
さわわと乾いた葉を揺らす 日陰の風の頼りなさを
ねえ あなたは知っていますか
初夏の雨も 夜は冷たいんだっていうこと
きみには雨が似合うからなんて、わたしは
あなたに決めつけてほしくはなかった


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夜通し降りつづいた雨が上がり 光がかわりにその身体を、
幾筋にも地上に
しなやかに、しなやかに伸ばした朝
葉のうえで光をうけ、すべり なみだがわたしを彩る、きらり ぽたりと
わたしはそれを纏う、はらり 光が日陰に満ちてゆく、さらり ふわりと
そして、わたしは知った わたしは
わたしが美しいと思うものを大切にすればいい
わたしを飾ってくれるものを大切にすればいい


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わたしだって
光を浴びていい 輝いてもいい
わたしは
求められた役割を演じなくたっていい
悲しみに濡れている必要なんてない
雨が冷たいときは 
温めてほしいと言ってもいい
わたしは知った、わたしは
わたし自身を大切にすればいい
わたしはやっと気づいた
わたしはただ
わたし自身の生命を生きればいい


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花が咲いて枯れて いつか朽ちても、わたしは
わたしが美しいと思うわたしを大切にすればいい
わたしには雨が似合う
日陰に佇む姿が似合う
わたしには
煌き跳ねる光が似合う
あなたが決めていいことなんかない わたしは
わたし自身の生命を生きればいい


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『きみには雨が似合うねなんて』



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何年も撮りつづけたあじさいの写真を眺めながら湧いてきた言葉をメモしつづけて、ひとつのお話になるかなぁと考えていました。
あじさいって日陰のちょっとじめじめしたところに咲いていて、梅雨どきに濡れながらひっそり佇んでいる、そんなイメージで、そしてそれこそがあじさいらしくて美しいんじゃないかなんて思っていたりして。
でもそれって何なんでしょう。もちろん彼らは意識しているわけではないのだと思うんですけど。彼らはそれを望んだわけでもなければそれが自分らしいと思っているはずもなく、当たりまえに雨に打たれるのと同じように当たりまえに光を浴びてそこにいるんですよね。○○は△△であってこそ。そういう考え方が悪いとは思いませんが、もしそれを言われたのが自分だとしたらどうでしょうか。あなたは××なのが一番。あなたは××じゃなきゃだめ。そんなふうに言われたら、「そんなの勝手に決めつけないでよ」って思うんじゃないかなって。そういう種類の言葉はときに呪いか何かのように、ぼくらのこころを縛りつけてしまうことがある。
こういうのって、こころのずっと奥のほうにあってふだんは顔を出さなくて。いつもは意識すらしていないのに、ふとした瞬間に現れては、身体をがちりとつかんで身動きをとれなくしてしまう。肝心なときに、大事なときに、したかった選択への道を阻むべく、おもてに出てくるんです。
自分のことって、案外よくわかっていないんじゃないかなって思いませんか。したいことをする、自分を好きになる。遠慮せず一歩を踏み出す。なんでこれがむずかしいのかなって、自分との対話が足りないからなんじゃないかなって思うんです。お説教するつもりはありません。ぼくもこんなのしょっちゅうです。変わりたいと思えば、変われる。そのためには自分とたくさん会話をして、何が足りないか、何が心配なのか把握する。解決法や対策を考える。気づく。そうしたら勇気を出して、動く。
言うほど簡単じゃないかもしれませんが、それでも道ってそれしかなくて。そのために、たくさん自分と対話をすること。自分を観察すること。それができたら気づけると思うんです。人にあわせる必要もないこと。嫉妬もしなくていいこと。そして、「わたしはわたし自身の人生を生きればいい」のだということに。

昨晩このポエムを書いている途中にnoteが落ちてしまって、下書きが保存できずにドキドキしていました。何を書いていてもそうだけど、終盤まで来ているものが失われたらもうきっと同じものは書けないなぁ。
今日のポエムでつかった写真は、すべてヘッダー写真用の大きさにしています。「みんなのフォトギャラリー」に入れておきますので、よかったらつかってやってくださいね。「だいすーけ」で検索すると、これまでのものもすべて出てくると思います。

「みんなでポエム書いてみた」企画、まだまだ開催中です。14日まで。もうすぐ60作品です。うれしいな。
おひとり3作品まで応募できますので、どうぞよろしくお願いします。

今日もさいごまでお付き合いありがとうございました。
木曜日、しっかり乗りきっていきましょうね。








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