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お店の未来は。

みんな、生活をしている。
仕事をして、収入を得る。
多くの人が毎日何かを売り、買っている。
売れなくなってしまってもみんな困るし、買えなくなってしまっても、当然みんな困る。
だからお店はなくならないのだけれど、お店の未来というのは、なかなか悲観的に捉えている人が多い気がしている。

お店の未来は、ほんとうに暗いのだろうか。
先に言ってしまうと、このnoteの結論は「そんなことはない」だ。
AIにとって替わられることもない。
書いてみてすこし長くなると思ったので、2回に分けることにした。
結論はもう言ってしまったけれど、お店の未来は決して暗くはない。

何で?
と思ってもらえたなら、結論は明日ではあるけれど、ぜひ続きを。





消費者が、今求めているもの。
それはおそらく、付加価値だ。
モノやサービスを買うことによって得られる、特別な体験。
価格以上の価値。
求められているその価値は、商品の内側ではなく外側に拡がっている。
価格のわりに性能がいい。
そんなのもう、当たり前の話だ。

安くしろ。
持ってこい。

あとは、何をしてくれる?


圧倒的な消費者優位のこの世の中でお店は、同じものを売る多くのお店の中から消費者に選ばれる必要がある。
買う側の幸福の追求は、もう止まらない。

だからお店は、あの手この手で売上を確保しようとする。

コンビニがイートインスペースをつくり、カフェの客を奪う。
カフェがアルコールの提供をはじめ、居酒屋の客を奪う。
負けじと居酒屋も、ランチをはじめる。
限られた数の客を奪い合い、需要を生もうとする。
誰が悪いとか、そういう問題ではないけれど、気づけばみんな、何でも屋だ。

フットワークの軽くない、体力のないお店はどんどん消えていった。
金物屋さん、文房具屋さん、はんこ屋さん。

シャッター商店街。
そんな寂しい言葉が聞かれるようになって、久しい。


あるときから(昔からそうでぼくが気づけなかっただけかもしれないけれど)、世の中の二極化が顕著になった。
スーパーや牛丼チェーン店のような10円を削り合う価格競争の一方で、付加価値に目をつけたハイエンド向けの商品が売れる。
こだわりの〇〇。希少性。
決して安くはないけれど、ほかの商品にはない魅力をアピールする商品たち。

ビールをはじめとした酒類業界を見れば、それはわかりやすい。
発泡酒が生まれ、さらに安い第3のビールが生まれ。
その一方で、大手各社はプレミアムクラスのビールを続々と投入した。
サントリー「プレミアムモルツ」。
アサヒ「熟撰」。
キリン「一番搾りプレミアム」。

また、最近とくに顕著なのが、「クラフト〇〇」だ。
クラフトビール、クラフトウイスキー、クラフトジン。
「クラフト(craft)」という言葉には、「昔からの、伝統的なこだわりの製法でつくった少量生産のもの」みたいな意味合いがある。
何かよくわからないけれど(伝わりづらいという意味で)、こだわってつくられている。
これまでひと言もクラフトなんて言っていなかったのに、ある日突然そんな冠がつくようになった商品だってある。
それがいいか悪いかは別にして。


拡がる格差、多様化する価値観。
求められる付加価値。
複雑に絡みあう関係性の中で、あらゆるニーズに応える。
そうして、したたかに売り切る。
そんなことが可能なのは、ネットも含め大手だけだ(メーカーと販売者は厳密に言えば別だけれど、最終的な消費者にモノやサービスを売る販売側ということで今はひとくくりにして考えている。当然その間にも、売る側と買う側という構図がある)。



ここまで読むと、なんだ、やっぱりお店の未来は暗いじゃないかと思われてしまうと思う。

でも。
絶対に、そんなことはない。

ぼくは何の専門家でもないし、手元に膨大なデータを所有しているわけでもない。
それでも、モノの売り買いの現場にはずっと敏感だったつもりだ。
売る、買う。
それはすべて、永遠に営まれる生活のため。
日用品も、娯楽も、サービスも、食べものも。
それらを使うのが人である以上、モノの売り買いは、人の営みそのものと言ってしまっていい。
だから、それが永遠に続く以上、お店の未来は決して暗くはない。

この続きは、また明日。





<おわりに>

また明日、とか言ってしまってハードルを上げていますが、毎日更新含めここはチャレンジの場ですので、気負わずやってみたいと思います。
最近ふざけたことを書き過ぎたので、今回はすこしまじめな話。
もちろん思い付きで書いているわけではなくて、このテーマの募集を知ったときから書きたいと思っていたんですけどね。

今日もお付き合いいただきありがとうございます。
よかったら、また明日も遊びに来てください。

それでは、穏やかな夜を。





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