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1枚の絵画を見るために旅をしてきた

おしゃれな書き方!別に大層なことしてきたわけじゃなく、ちょろっと大阪に旅行行ってきただけです。
ちなみにこの旅行は3月25日に行ってきました。じゃあなんでこんなに日が開いてるのかというと、ただ日記書くのがめんどくさかっただけです。

以前の記事で大阪の美術館に行きた~いと書きましたが、それに行ってきました。確か3月末ぐらいまでしかやってなかったので、ギリギリに。

絵を見るために旅行行くってかっこよくね?

そんな憧れからふらっと行きました。旅行に行こうと決めたのが2,3日前ぐらいで、ずっと行こうかどうか迷ってました。寝台特急に乗りたいと言っていたんですが、結局乗れなかったので、じゃあ何目的で大阪まで行けばいいんだろう。と考えていました。結果、「逆に絵画を見るためだけに、旅に出るって、その方がかっこいいのでは?」とか浅い考えをもって、咄嗟に新幹線に乗り込みました。なので本当に観光的なことを一つもせず、美術館に行って、ビジネスホテルに泊まって、そのまま帰りました。

印象派・光の系譜

入り口の混雑

到着してびっくりしたんですけど、入り口でめちゃくちゃ人が列んでました。アトラクションかなにかが隣にあるのかと疑ったんですが、ちゃんと全員が美術館に列んでいて驚愕。そんなイメージなかったんですけど、列んで見に行くものなんですね。

一部作品は撮影OK

中はそこそこ人が多く、混んではいたんですが、そもそも場所が広く取られていたので、人が多すぎて不快感を感じるほどではありませんでした。
これは混んでいる美術館に行くたびに不思議に思うんですけど、作品の前に人がたくさん群がっていて、人が流れるように次々移動するため、イメージとして、自分のペースで見れなくて嫌な気持ちになりそうですが、混雑している割にスムーズに作品を見れたりします。思ってるよりも、人が1枚の絵画を見る時間に個人差がなく、自分のペースで見てるつもりが、意外なことに、自然と他の見てる人たちと同じペースになってたりするんですね。

プロヴァンスの収穫期

これは以前ゴッホ展でも感じたことなんですが、油画は実際に生で見てみると、迫力があり、これが面白い。間近で見ると油画特有の凹凸があり、筆圧など目で感じられる。「ネットでJPGで見るのと何が違うの?」と問われれば、なにか説明しようがない、ライブ感のようなものが絵から感じられる。「実際にこの絵は人によって描かれていたんだ」といったような、何かしら絵から生が映し出されているように思えてくる。しらんけど

目的の絵「夜のポツダム広場」

レッサー・ユリィ「夜のポツダム広場」

そして展示の後半で現れた、自分の見たかった絵。
これはもう完全に自分でもわかりきっていることなのだが、わざわざお金と時間をかけて、大阪まで行ったという"補正"が、この絵を前にして、より強く自分に襲いかかった。
絵画を見て、心臓がドキドキして、「あぁ、こんなにも焦がれていたんだ」と自分の感情に驚くほど。何がどう良かったのか、自分でも説明しきれないところが、やはり補正の強さを物語っているのだと思う。しかしそこに、深い感動があったことは確かだった。

いつの間にかできていた人集り

自分が見に行ったタイミングがよかったのか、もう一度見ようと引き換えしたときには、ものすごい人集りになっていた。令和の日本で急激に流行したというのはやはり本当だったようで。そんな流行に流されてわざわざ大阪まで足を運んだ自分が言うのもなんだが。

にわか丸出しの物販堪能

興奮さめやらぬまま物販コーナーへ。正直、グッズが欲しいから大阪まで来たぐらいある。「夜のポツダム広場」のキャンバスアートが欲しくてやってきたのだが、「夜のポツダム広場」どころか、レッサー・ユリィグッズはほとんど売り切れ、キャンバスアートも2種類ぐらいポツポツとある程度。こうなってくると正直買う理由もなく、そのまま帰っても良かったのだが

戦利品

結局買ってしまった。山ほど。行く前まで、存在自体は知っていたが「さすがにこれを買うのはないだろ」と思っていた、「夜のポツダム広場Tシャツ」。しかし実際に行ってみると、レッサー・ユリィのグッズがもうこれしかなく、しかも残り1枚だった。そこで働いた脳の考えが「せっかく大阪まで来たのに手ぶらで帰るの?」という思考。勢いのままTシャツを購入。さらにキャンバスアートも欲しかったので、そんなに気に入ってなかったのにクールベの海景色を購入。ついでにポストカードとクリアファイルまで。
もう単純にテンションがぶち上がってしまったオタクの買い方。「遠出してせっかく来たんだから」という思考が判断を鈍らせまくってしまいました。

大阪・天満の街

ストリート感満載

安く泊まりたい。朝食ビュッフェ食べたい。サウナ入りたい。と探してみた結果、天満のアパホテルを見つけて、なんとなしにそこに泊まりました。大阪は子供の頃に住んでいたことがあるのですが、全く土地勘の記憶がありません。おそらく初めて訪れたであろう天満だったのですが、飲み屋街だったらしく、予想以上に"ストリート"という感じがあってびっくりしました。

思ったよりちゃいちいホテル

サウナと朝食目当てだったので、思ってたよりホテルが狭くて結構焦りました。まあまあな不快感があって不安だったのですが、1泊してみると思ったより満足できました。住めば都ならぬ泊まれば都。
その後は、軽くダラダラして、大阪にいる同級生と天満で久しぶりに飲んで、ふらふらしてました。

深夜の厳ついネオンサイン

帰り道に遭遇した厳ついラブホテルに感動しました。ストリート感が溢れ出ていて、目が焼けるようにビカビカに光るネオンサイン。この漏れ出B級感が逆に新鮮で感動しました。やっぱこういう、いかにもなネオンが好きなんです。サイバーパンクのストリートをリアルに見たような感覚でした。

朝食ビュッフェが一番好き

ナンやたこ焼きがある朝食

数少ない目的の一つが朝食ビュッフェ。以前秋葉原に泊まったときも、ビジネスホテルの朝食ビュッフェが目的でもありました。大阪のビジネスホテルの特徴で、なぜかあるたこ焼き。そしてこのホテルの特徴でナンとカレーが置いてありました。朝からバリバリ食べるので、ここからさらにパンなど追加しまくって苦しくなるまで食べてました。

帰りの新幹線。食べたことなかったので、551の豚まんを買って、新幹線で食べようかと思ったんですが、朝食を食べ過ぎたおかげで、全く食べる気にならず、普通に食べずに新幹線で帰ってきました。

自分に酔っただけの旅だった

結局のところ、この旅を通して一番の目的は「絵を一枚見るためだけに、ふらっと大阪まで行けちゃう自分、良いな」と思えるようになることだったと終えてから気づきました。正直そうなってる自分がダサく見えることもありますが、「それで満足できてるなら、その自分で良し」という気持ちが先行した結果、行ってよかったなと思える旅でした。
傍から見てダサかろうが、無駄に思えようが、結局「絵を見るためだけに旅行に行った自分」という事実は変わらないので、それを肯定してあげるだけで、めちゃくちゃ楽しい旅行になった気がします。
この歳になってようやく美術館の良さに気づけたので、また良さそうなところがあったら、遠出だったとしても行ってみたいですね。

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