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渋谷事変からわかる『呪術廻戦』の本質

アニメ『呪術廻戦』が、渋谷事変に入って毎話のごとくめちゃくちゃ盛り上がっている。

渋谷事変は残酷な展開のオンパレードだ。僕は原作を買ってすぐショッピングセンターのフードコートで読んだとき、つらいけど先が気になる展開にページが止まらなかった。

そもそもだ。渋谷事変だけでなく『呪術廻戦』はしんどい物語なんだと思う。

1期では真人の地獄みたいな所業にウゥッ……! って顔をしかめたものの、ほんの序の口だった。本領を発揮し始めたのが渋谷事変ってだけで。

今までよりショッキングなシーンの連続に、なおさら受けるダメージがでかい。思ったよりヘビーな作品だと思い知らされる。

一時期本屋から消えるくらい原作もバカ売れしてるし、コンビニやファミレスに寿司屋までやたらコラボしてるし……。とりあえず履修しとくか~! ってノリで僕も入ったクチだ。

大事な前提がある。人気だからといって、老若男女みんなに受けるとは限らない。血だって盛大に出るし、耐性があると思っていた僕でもグロテスクな場面にはたじろいだ。

振り返れば『鬼滅の刃』だってそうだ。敵が鬼だとはいえ、首を切るってなかなかグロい。「観てみたけどダメだった……」って人の話も聞いたことがある。

なのに呪術も鬼滅もここまで大ヒットしたのは、視聴者を選びかねないグロさに勝る内容の面白さがあるからだろう。

とはいえ、たしかに油断があった。ギャグっぽい日常パートが上手く働いている。まさかここまではしないでしょ……そんな気持ちのゆるみが生まれた。

アニメは今後、さらに過酷さを増していく。虎杖の気持ちになったらなんとも言いようのないことが起きてしまう。

『呪術廻戦』はそもそも呪いの物語だ。それを忘れていると闇討ちみたいにメンタルをグサッと刺される。

同時に、目を覆いながら指のすき間から見ちゃうみたいな面白さがある。この絶妙な“こわいもの見たさ”の心理が、僕たちを渋谷事変に夢中にさせるんだろう。


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