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2023年に観た映画ベスト10選

2023年は全部で80作鑑賞しました!その内39回は映画館での鑑賞と、映画館に行った回数は2020年以降最多でした(年々増えている)。
忙しくなりますが、引き続き変わらず観ていきたいです。アンチテーゼとして「花束みたいな恋をした」を時々観て忙しさに負けないようにしている。

①after sun/アフターサン

2023年ブッチギリの1位です。主人公の娘が当時ビデオカメラに収めた、小さい時の父との夏の思い出を振り返る映画。何も起こらないけど、その中に美しすぎる余白がある。その余白を考えるうちに、ジワジワと確実に心をエグられる鑑賞体験でした。舞台となるリゾート地の色使いが最高で。特に、各シーンの画面の使い方が天才すぎる。ホテルの鏡とカメラ、カメラが映すものの画面の分け方、セリフと対応するピントの移し方が緻密すぎて感動した。そして最後のQueenのUnder Pressure がかかるシーンは観るたびに泣きそうになる。
物語も演出も本年のどの作品よりも印象に残りすぎた1作です。

②PERFECT DAYS


こちらも①同様何も起こらない。墨田区に住んでるトイレ掃除のおじさんのルーティンと、ルーティンの中のイレギュラーを描く映画。淡々とした日々を生活することの美しさを感じられる。自分の生活する近所で物語が進行して、変に親近感が良い。またこの映画は「影」が印象的で、風景として描かれる影、出来事として描かれる影、登場人物の心にある影がキーポイントだと思いました。あと渋い音楽が最高。

③The Guardians of the Galaxy : volume3

マーベル映画でいちばん好きなシリーズの完結編。と同時に個人的にはMCUはここで終わりとも思ってしまった。トイストーリー3並にシリーズを通じての完璧な完結編だったのでは?
主なキャラクター達全員に等しく感情移入できる脚本が凄すぎる。MCUの中でガーディアンズが登場したシーン全ての出来事を踏まえて、一つ一つに感情が揺さぶられる。
あと、いちばん重要な曲「come and get your love」で物語を締める監督のセンスが好き。(これはピースメイカーでも感じた)

④イニシェリン島の精霊

性格が悪く、ジワジワと心を刺されていく映画も大好きです。
「お前とは今日で絶交。話しかけんなよ」で終わるお友達関係。関係を修復したい側と、絶対に関係を終わらせたい側の闘いが最高すぎる。自分の指切って相手の家に投げつけるとか最高か?しかも、劇中で仲良かったシーンが1秒もなくて気味悪い。
陰鬱とした映画の中で時々入る、純粋な動物のアップシーンがとっても癒し。

⑤BLUE GIANT
仙台出身の大学生が東京でジャズトリオを組みブルーノートでの演奏を目指す話。
劇中の音楽もプロが演奏していて、その音と、映像としての音の可視化が凄まじい。なんでも、プロは登場人物の技術上達を表現するために、序盤の曲はワザと技量を落として演奏しているらしく、その細かな工夫に感動。
私は映画から観ましたが、原作マンガからのファンはそもそもどうやって音を想像していたのだろう。

⑥Spiderman : across the spider-verse

スパイダーバースの2作目。物語的には3作目への橋渡しで終わるのだけど、今回もタッチの異なるスパイダーマン達が大集合で観ていて面白かった。今年は邦画洋画含めてアニメーションの良作がたくさん観れた気がする!

⑦哀れなるものたち

日本では24年公開だが本国では公開されているので。
独特な世界観とキャラ設定でまず魅力されるし、何も世界を知らない主人公が、教えたがりな人を押しのけて自分の道を切り開こうとする過程がジョーク多めで楽しい。
「自分はどう生きるか?」。今年はジブリやバービー、ディズニー作品にもこのメッセージが随所に盛り込まれていたと思います。

⑧リバー、流れないでよ

ヨーロッパ企画が作成する京都貴船を舞台に、2分のタイムリープを繰り返す話。自分の体験とも重なって景色が懐かしいのがいいし、何より80分とテンポよく気軽に観れるのが良い!登場人物のコント調のボケがすごい心地いいです。

ここからは旧作でよかったものを。

⑨こちらあみ子

2022年公開の映画で見逃していたもの。(恐らく)発達障害をもつあみ子が、周囲に人や家族から距離を置かれていく物語にはズシンと心が重くなる。しかしあみ子の元気すぎる行動と美しいショットでなんとか心を保って鑑賞できた。

⑩東京物語

1953年の映画なのに、登場人物の心情がこれほど掴めるのか、という体験が非常に良かった。日本の古典映画にも丁寧に触れていきたい。

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