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エフェクチュエーション

中村龍太さんが書いていて本屋にも平積みされていたので、気になって読んでみました〜

エフェクチュエーションの大きな特徴は、従来の経営学が重視した「予測」ではなく、「コントロール」によって、不確実性に対処する思考様式であること

エフェクチュエーションが、実践を伴うことで初めて深く理解できる思考様式

エフェクチュエーション」とは何かを一言でいうならば、「熟達した起業家に対する意思決定実験から発見された、高い不確実性に対して予測ではなくコントロールによって対処する思考様式」

不確実性に対処するうえで用いる意思決定の理論は、目的ではなく一組の手段を所与とし、それを活用して生み出すことのできる効果(effect)を重視するという特徴があったことから「エフェクチュエーション(effectuation:実効理論)」と名付けられた

エフェクチュエーションの5つの原則
1.手中の鳥(Bird in Hand)の原則
「目的主導」ではなく既存の「手段主導」で何か新しいものを作る
2.許容可能な損失(Affordable Loss)の原則
期待利益の最大化ではなく、損失(マイナス面)が許容可能かに基づいてコミットする
3.レモネード(Lemonade)の原則
予期せぬ事態を避けるのではなく、むしろ偶然をテコとして活用する
4.クレイジーキルト(Crazy Quilt)の原則
コミットする意思を持つ全ての関与者と交渉し、パートナーシップを築く
5.飛行機のパイロット(Pilot in the Plane)の原則
コントロール可能な活動に集中し、予測ではなくコントロールによって望ましい成果を帰結させる

T型フォードの開発者であるヘンリー・フォードの言葉といわれるものに「もし人々に何が欲しいかを尋ねたら、彼らはより速い馬と答えただろう」

あるアイデアが優れたビジネスになるかどうかを確かめる唯一の方法は、その製品・サービスを必要としてくれる顧客や、その実現可能性を高めるために自らの資源・能力を提供してくれるパートナーを獲得することを通じて、アイデアの実効性を高めることでしかない

私は誰か(Who I am)」特性や興味、能力や性格など、その起業家のアイデンティティの構成要素を指している
私は何を知っているか(What I know)」起業家が活用できる知識を指す。人生を通じて獲得した経験則や信念のようなもの「何を知っているか」の一部
私は誰を知っているか(Whom I know)」起業家が頼ることのできる人とのつながり、社会的ネットワーク

たまにしか会わない知人(弱い紐帯)のほうが、仕事上の重要な情報の提供者として役立った

「枯れた技術の水平思考」
先端技術の活用は確かに革新的な商品につながるかもしれませんが、そうした商品は価格も非常に高くなりがちで、結果として売れない商品が出来上がってしまう恐れがある。一方で、既存分野で普及しきっているため、余剰資源と見なされるような技術は、別の領域に水平展開をして活用できれば、大きなイノベーションになりやすい

人生が酸っぱいレモンを与えるなら、レモネードを作れ(When life give you lemons, makes lemonade.)」という英語の格言がある。必ずしも望ましくない予期せぬ事態が起こった場合、熟達した起業家は、それを避けようとしたり無視したりするかわりに、むしろそれを新たな行動のための資源として積極的に活用することで、新しい価値のあるものや望ましい成果を生み出そうとする

「セレンディピティ」
偶然の出来事や情報はそれが起こった時点で、幸運なものだとみなされていたわけでなく、その発生自体が、偉大な発見やイノベーションの創出を保証するわけでもなかった。新たな行動のための資源として活用する

「リフレーミング」
自身の認知や活動の枠組み(フレーム)が変わることによって、同じ出来事に対する受け止め方や反応の仕方が新しいものに変わること

ピーター・ドラッカー 「イノベーションと企業家精神
イノベーションの機会の1つは「認識の変化」である

コップに半分入っている」と「コップが半分空である」とは、量的には同じである。だが、意味はまったく違う。「半分入っている」から「半分空である」に認識を変える時、大きなイノベーションの機会が生まれる

危機的な状況に直面した場合でさえ、それを単なる不幸な出来事と捉えるか、自分たちの能力を高める学習機会と捉えるのかによって、その後の行動もその成果も、まったく異なるものになる

「飛行機のパイロットの原則」
「コントロール可能な活動に集中し、予測でなくコントロールによって望ましい成果に帰結させる」という思考様式

おねだり」の意味は、「クレイジーキルト」におけるパートナー獲得のための行動である「問いかけ

1.自分が気づかない価値を、想定しない人が教えてくれる
2.エフェクチュエーションのクレイジーキルトを行うパートナーが、「エフェクチュエーター」かどうか?エフェクチュエーション思考で行動を決める状態にある人か?

変化が激しい時代には予測や計画を立てるよりもコントロールをしていくことが向いていて、エフェクチュエーションの思考様式は、とても参考になります。後半にはサイボウズの永岡さんの具体的な例もあって分かりすい1冊で、とてもオススメです!


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