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ニューノーマル時代の営業組織デザイン

知り合いの千葉さんが書籍を出されたので、興味があって読んでみました。営業組織デザインに関する本で、さっと読めてとても営業の参考になります。

日本国内には、「営業職(販売従事者)」と呼ばれる人材は、約968万人いた。しかし、たった約20年のうちに「販売従事者」は、約856万人となり、約100万人も減少したことになる

データドリブン型営業マネジメントとは、SFAやCRM、ときにはデジタルマーケティングによって取得されるデータを活用しながら、ナーチャリング、リード創出、そして成約・受注率向上のためのマネジメントを高度化していくことを指す。

最近では、営業という定義の中に、訪問のアポイントをとりつける、場合によっては電話営業のみで成約に至る「インサイドセールス」や、営業部門専属の人材育成組織としての「セールス・イネーブルメント」、新規顧客の開拓や潜在顧客のナーチャリングを専門とする「セールスマーケティング」など、これまでは必ずしも営業の範疇にはなかった機能・ロールが含まれるケースが増えてきている。

昨今の「営業」では、契約・販売前の“Pre Sales”の領域(マーケティング〜契約までのフェーズ)における「顧客情報(顧客の購入意思決定を左右する事前情報)」を一元化できなければ、勝率を上げることは難しいと言っても良い。

商談を停滞させる4つの「不」(不信・不要・不適・不急)を解消できているのか、このフェーズの遷移から推し量ることは難しい。

RFP(提案依頼)を受けて短期間で提案する場合には、しばしば、この不適を解消せずにコンペで負けてしまうケースがあるが、単純接触効果を得られるようなコミュニケーションや顧客との接点を設けられているのかなど、マネジャーとしては考えておくべきポイントが可視化される。

好感触は接触回数が2〜10回までのところ急激に上がっている一方で、10回を超えると、好感度の関係性をザイオンス効果(単純接触効果)と呼ぶ。

一般的に、人は情報に3回接する事によって、その対象を認知し、7回接する事によって、商品を手に取り、購買に結びつくといわれている。これがセブンヒッツ理論である。

新規顧客獲得には、顧客を維持することの5倍〜25倍のコストがかかる。しかも、顧客維持率が5%上昇すると、利益は25%〜95%も増大する

各チームリーダーが意見を取りまとめ、部門長に相談し、管掌役員と相談のうえで、マーケティング本部とカスタマーセンター本部の合同会議が設定されていた。それでは、取り組みを始められるのは数ヶ月以上先のことになってしまう。変更後の組織では、チーム長同士が会話をし、部門長が了解すればすぐにアクションに移行できる。調整作業は必要なくなり、圧倒的なスピードで「コト」が始まる。

施策や変革については、必ず抵抗勢力がいることは世の常であるが、細かく分ければ次のような5つのタイプ(以下、ペルソナ)がいることにお気づきだろうか

1.Commit 賛同する人
2.Supportive 支援する人
3.Undecided 決めかねている人
4.Unawere 知らんぷりする人
5.Oppose 反対する人

無関心と反対者が配置されるゾーン
メッセージの送り方や誰がメッセージを送るかなどは、要注意とされるゾーン。特に「Unaware」は、会社に対しても、自分が所属するチームに対しても無関心なのか、もしくは会社に対して無関心でも、チームに対しては「Supportive」なのかなど、注意深い分析が必要となる。このゾーンは、帰属意識を分析したうえで、コミュニケーションのデザインや新評価制度の適用など複数のアプローチで対応した。

KPI設計を行う際、施策が定着していくまでのステップ(以下、ジャーニー)を「収集」「自律」「所属」「競争」「創造」「共感」という6つの要素を埋め込みながら設計していく。

人が行動変容を実現するためには、利得感や嗜好性が行動を変える基礎となり、意思決定に対する報酬が必要になる。ユーザー自身が欲しいと思う「報酬」を与えることで、意思決定プロセスは動き、自動応答プロセスと組み合わさり、行動変容が達成される。

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、日本、世界は転換点を迎えている。特に顧客の価値観は大きく様変わりをしているいま、旧態依然とした体制や方法(ビジネスプロセスや組織、テクノロジー)から脱却するチャンスである考えて欲しい。何かを変えるといえことは何かを捨てていくということ。取捨選択が戦略であり、仮説と検証、その結果によって戦略は変わっていくべきであり、変わって良いものである。

今の時代にあった営業組織とは、どのような組織がいいのか?分かりやすく事例も入っているので、営業を次のステップにするには最適でおすすめの1冊です。



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