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将来が不安な日本語教師に伝えたい「こう・じ・じゅう・らく・ぼう」

こんにちは。日本語教師×キャリアコンサルタント のはやし えみです。

先日、任期付雇用で働く日本語教師仲間が何気なくこう言いました。

「今年任期最後の年だから、来年どうなるのかわからないのだけど、あんまり心配はしてない。なるようになると思っている」

あー!わかる!わかる!
聞いたそばから、大声出ました(笑)。

その人もキャリアを勉強したことがある日本語教師です。
キャリアを学ぶと、こういう考え方になるのだな・・・と嬉しくなりました。

私はもともと心配性な質で、日本語教師駆け出しの頃は、この先どうなるのかといつも不安でした。

公務員の弟が「公務員は夢がない。10年後の自分が予想できる」と言うのを聞いた時は「なんて羨ましい!私なんて来年どこで何をしているかもわからないのに!!」と思いました。

非常勤講師を掛け持ちしていた頃は生活費のために、できる仕事をどんどん入れつつ、これがいつまで続くのだろう・・・と心配で心配でたまりませんでした。

安心したい。
安定したい。
できれば、経済的な余裕も欲しい。

あの頃の私が任期最後の年を迎えたら、きっと先の不安ばかり考えて、心がヒリヒリしていたことでしょう。

でも、今は自分の将来にあまり不安を感じていません。
それは年齢を重ねて「将来が短くなった」からではなく(苦笑)、キャリアの理論を知ったからです。

キャリア理論が腹に落ちると、不安を感じて落ち込むより、行動しようという気持ちになります。

だから、先の不安でいっぱいの日本語教師仲間のために、今日はキャリアの理論を一つを紹介してみたいと思います。

理論とは何か?


まず、理論は理論、私は私・・・と思ってしまってはいけないので、「理論とは何か」を確認しておきます。

こちらの記事によると、理論は研究者が現象を分析して、導き出した「世の理(ことわり)を説明するストーリー」とのことです。

記事には理論の四つの効用が書かれていますが、この中でも今日の記事では「理論は結果を予想できる」というところに焦点を当てたいと思います。

理論どおりにやれば、ある程度結果が予想できる

ワクチンを打てば、中には効かない人や、副反応に苦しむ人もいるかもしれませんが、大多数にとっては新型コロナ感染予防に有効だと予想できる。

という話と同じです。

計画的偶発性理論とは?

そこで紹介したいのものの一つが、クランボルツの「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」です。

クランボルツは成功したビジネスマンの調査分析を行い、そのキャリア形成のきっかけの8割が偶発的な出来事であることを証明しました。

それを理論化したのが「計画的偶発性理論」です。

「キャリア・デザイン」というと、自分のキャリアを計画し、そこに向かってコツコツ努力していくイメージがあるかと思いますが、クランボルツは「キャリアの8割は偶発的な出来事によって形成される」と言っています。詳しくは著書をお読みください。

え?偶発的な出来事って、結局運任せってこと??
キャリアを綿密に考えるより、パワーストーンや開運の壺購入を検討した方がいいの?
まずは神社参りから?

と思われた方、そうではありません。

「成功者」を分析した結果、「キャリア形成のきっかけの多くは偶然の出来事」だとわかったのですが、もっと言えば、成功者は偶然の出来事をキャリア形成につなげている偶然の出来事を幸運だと捉えている、成功者はチャンスを呼び込む行動をしているというのです。

この理論の名前が「偶発理論」ではなく、「計画された偶発」なのは、成功者にはその出来事があたかも「計画されたもの」かのように起こっているからだとのことです。

成功者は「計画的に」行動し、「偶発的な出来事(=つまり幸運)」を作り出しているように見えるとのこと。

何かが起こった時に、それを「ただの出来事」にしてしまうか、「チャンス」にするかはその人次第。

成功者は偶発的な出来事をチャンスだと捉えている。
チャンスが来ても、「ただの出来事」として流してしまってはチャンスになりませんね。

そして、「偶然の出来事」を「計画的に作り出す」ための行動特性として、下の五つを挙げています。

好奇心[Curiosity]
持続性[Persistence]
柔軟性[Flexibility]
楽観性[Optimism]
冒険心[Risk Taking]

私はキャリコン国家試験前にこれを「好(こう)・持(じ)・柔(じゅう)・楽(らく)・冒(ぼう)」と暗記していました。
なんとなく、「女子十二楽坊」みたいじゃないですか?笑。

日本語教師的こう・じ・じゅう・らく・ぼう

これを日本語教師的に読み解くと、下のようになります。

好奇心とは何事もにも興味を持って、勉強すること。日本語教育以外のことにも興味を持つこと。それがあなたの強みになるかもしれません。
持続性とはうまくいかなくても、諦めないで続けること。続けていると、偶然の出来事に別の可能性が見えてきます。
柔軟性とは物事にこだわりすぎず、柔軟な態度で接すること。一度決めたことでも、状況によって柔軟に変えることで、偶然の出来事に新たな可能性が見えるかもしれません。
楽観性とは何事もポジティブに捉えるということ。意に沿わない仕事でも「これが自分のキャリアにつながるかも?」と考えると、本当に繋がることがあります。
冒険心とは失敗を恐れず飛び込んでみること。未来のことはわからないのだから、不安が当たり前。やってみると、偶然の出来事がチャンスに変わります。

例えば、「海外の大学で教える!」という目標がある日本語教師も、「海外で教える人」以外の話を聞いてみる、日本語教育以外の分野にも好奇心を持って勉強してみるといいです。

もしかしたら、就職活動がうまくいかなかったり、「こんなはずじゃなかった」と思うこともあるかもしれませんが、諦めないで、続けていると何かにつながるかもしれません。

「これやってみませんか?」と声をかけられたら、「それは海外で働くこととは関係ない」と言ってやらないのではなく、やってみると、何か新しい道が開けるかもしれません。

その新しい仕事に不安になることもあるかもしませんが、冒険してみてください。

不安な方へ

今、不安になっている方はまず、自分の行動が「こう・じ・じゅう・らく・ぼう」であるか振り返ってみてください。

私も不安になったら、こんなチェックをしています。

好奇心 いろいろセミナーに出て、勉強を続けている!よしっ!

持続性 日本語教師続けてる!よしっ!

柔軟性 一つのことにこだわってない。人の言うことにも耳を貸している(つもり)!たぶんよしっ!

楽観性 今日よかったことが10個挙げられた!よしっ!

冒険心 大丈夫!大丈夫!怖くない怖くない。失敗しても死にはしない!リスクも受け入れられる。よしっ!

そして、こう考えます。

こういう行動ができている私はチャンスが掴める!

偶然の出来事を計画されたチャンスに変えられる。

高確率でチャンスがやってくることは科学的事実!

これは精神論ではなく、キャリア理論です。

これを意識して行動するようになってから、私は自分がやりたいことがかなりできるようになってきています。
経済的に前よりも安定していますし、何より不安がないのがとてもいい。

もちろん不満はあります。
今の職場が100%天国なんてことはありません(泣)。日々、愚痴をこぼしています。

ただ、不安を感じないだけで、生活の質が違うと思います。

理論は勉強するものではなく、勉強したら使うものです。

今、不安を感じている日本語教師仲間の皆さん、「こう・じ・じゅう・らく・ぼう」できてますか?できてない人は行動してください。

やれば、高確率で大丈夫です。

自分は理論が当てはまらない人かもしれない。「一般的な人」ではないかもしれないと思う方。


大切なのは「楽観性」です!

大切なのは「楽観性」です!

大切なことなので、2回言いました。

楽観的であれば、チャンスが訪れる可能性が高まります。

これは精神論ではなく、結果が予測できる理論です。


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