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ヤンデル先生

こんにちは、まてぃです。往復書簡へのお声がけをありがとうございます。こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。

曼荼羅のようなネットワークを求めて

経験したあれこれを文章にまとめていくうち、
「医療に関する情報をたどると、複数の意図がフクザツに絡み合って、ネットワークを作っていて、まるで曼荼羅みたいだ」
と感じるようになりました。
フクザツで膨大な情報の中から、多くの人に「これぞ」という情報を届ける、届け続けるために、インターネットやSNSの扱い方を、あらためて勉強し直してみたいな、と思ったのです。
―― →↓←↑ Shin Ichihara/Dr. Yandel より

先生の感じている課題と同じ課題を、かつて編集者であった私も持っていました。答えを探すうちにたどり着いたのが、デジタルマーケティングの世界です。

編集者としてページや書籍の企画を立て、企画が通って本を作りながらいつも考えていたのは、「この本はどこで誰にどうやって買ってもらうきっかけをつくるか」です。

「書籍を作りながら販促プランを立て、著者や企画を売り込み始めると、複数の意図がフクザツに絡み合って、ネットワークのように見えるのにネットワークはどこにもなく、毎回無を耕すよう。曼荼羅のようにネットワーク化された仕組みを作れたたらいいのに」

と思っていました。

先生もご存じのとおり、書籍は雑誌やコミックと違って、毎回0(ゼロ)からのスタートです。企画も販促も「続き」から始められません。そのことに、私はけっこう疲れていたんですよね。

当時の課題
・どうすれば書店の店頭に新刊を並べてもらえるか(箱から出されずに返本されることも多い)
・どうすれば新刊が話題になり、細々とでいいから確実に売れ続けるか
・どうすればその著者が継続して本を出し続けられる環境を作れるか

もっと言うと、自分が作る単行本を買ってくれる方と繋がり続け、新刊が出るたびにそこにお知らせすれば売れるような仕組みが作れないかを考えていました。

ネットワークのフクザツを扱うヒント

フクザツで膨大な情報の中から、多くの人に「これぞ」という情報を届ける、届け続けるために、インターネットやSNSの扱い方を、あらためて勉強し直してみたいな、と思ったのです。
―― →↓←↑ Shin Ichihara/Dr. Yandel より

WEBディレクターとなってインターネットやSNSの世界に足を踏み入れてみると、守備範囲(?)が広すぎて呆然としましたが、粛々と実践を重ねる中で、ひとつの答えを得ました。

最新のテクノロジーやツール、ロジックを使って素敵なWEBサイトやオンラインネットワークはいくらでも作れるけれど、そこに生々しい人間らしさを感じられないと、人はワンクリックすらしない。

冷静に考えれば最初からわかりそうなことですが、テクノロジーやマーケティングの先に答えがあるかもしれないと信じていた私は、少なからずショックを受けたわけです。

悲願である「自分(or 自社)が作る単行本を買ってくださる方と繋がり続け、新刊が出るたびにそこにお知らせすれば売れるような仕組み」はやはり夢物語なのかとやる気を失いそうになったとき、ちょうど盛り上がり始めたのがSNS、twitterとFacebookでした。

人の心を動かし、ワンクリックを呼ぶのがテクノロジーやマーケティングより「人間の生々しさ」なのだとしたら、実際に試してみよう。そう思って始めたアカウントが、企業の公式twitterアカウントでした。

▼こちらです。2020/11/6にアカウント削除。

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生々しさをかみしめた瞬間

公式アカウントの運用テーマはもちろん自社本のPRですが、私個人の裏テーマは「人間の生々しさ」を出してファンになっていただき、潜在読者の行動がどう変わるかを知り、“悲願”に対するネットワークを構築するヒントを得ることです(しかも再現性のある仕組みにしたい)。

在職していた会社は老舗出版社。会社には大事にしたいイメージが当然あります。それを守りながらできる運用と発信スタイルを作りました(説明すると長くなるので控えます)。

始めたのは2010年12月。当時のツイッタランドは牧歌的で、ポジティブな発言と笑いが溢れるウィットに富んだ世界でした。そこで自社本を使った情報発信を行い、反応してくださるフォロワーの方とつながり、「人間の生々しさ」を少しずつ出しながら自分の仮説を検証していました。

そこで出会ったのが、そう、ヤンデル先生です。

先生は私の書いた自社本推薦の紹介テキストに毎回目を通し、コメントをくださった上、私が書き、配信していたブックニュースなるメルマガまで読んで当社の本を購入し、読んだ感想までお知らせくださいました。とてもありがたく、うれしかったです。そのことが、公式アカウントを続けられたひとつのモチベーションでもありました。

なにより、「テクノロジーとマーケティング<人間の生々しさ」を、私は先生を通じてかみしめていました。

で、そこから数年後の2020年。

異動やツイッタランドの荒廃などもあり、しばらくtwitterから遠ざかっていましたが、退職後少し時間ができ、しばらくご無沙汰していた先生を探し、近況を拝見して驚きました。

人間くささ全開のインフルエンサーになっておられる!!!!

そんな方に往復書簡に誘っていただけるとは、人生とはわからないものです。

先生が求めるネットワークの知識を私が持っているかどうかはまだわかりませんが(なかったら勉強しますので無問題)、少なくともネットワークに対する思いは、同じ方向を向いているのではないかと思います。

先生との対話を通じながら、私も改めてインターネットやSNSについて学び直そうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(2020.11.18 まてぃさん→ヤンデル先生)

写真/渡邉真弓



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