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オーストラリア映画「cargo」ネタバレ考察

赤ちゃんファースト

東京都が打ち出した出産・子育て応援事業。
「子供」や「育児」でググるとサジェストに「費用」とかが上の方に出てくる。
お金もかかるし大変。産まない選択をする人もいる。
日本もオーストラリアも少子化が現在進行中。
子供を「重荷」って思う人もいる。
おんぶする期間もあるし荷物的要素はある。
現実でもこんなにつらそうなのに、もし世界がゾンビで溢れたら子供なんて育てられなくない?

愛の結晶

赤ちゃんをそう言う。
この映画と似てる「クワイエットプレイス」でも音をたてたら化物が襲ってくる世界で赤ちゃんを産もうとする。
「遺伝子残すためにやってんだろ」って考えは今回は封印する。
愛しているから過酷な世界では「重荷」な子供を作り育てる。
愛の結晶なら愛されて当然じゃないの?親以外からでも。

アボリジナルと子育て論

白人がオーストラリアに移住してきてから長い間、原住民であるアボリジナルの人々は虐殺されてきた。
狩りの対象となった時期さえある。
実際、映画内でもヴィック(ガス集めおじさん)がアボリジナルの子をえさにしてゾンビを撃つ。半分遊び感覚でやってる。
ヴィックは現代人の問題を詰め込んだキャラクター。
差別や資源(ガス集め)問題は現実でもある。

アボリジナルの国旗に悪口を書く彼は差別主義者なわけだけど、そんな彼も最後はロージーを殺せない。
一方のアボリジナルは自然崇拝と精霊信仰がある。
バカっぽい言い方をすれば「自然と共に生きてる人々」
ブーメランの起源も彼らだ。
科学的な生活を取り戻そうとする白人と土地を奪い返しながら自然と共に生きるアボリジナルはロージーでつながっていく。
ロージーはアボリジナルのコミュニテイーに保護される。
なぜ彼らは受け入れてくれるのか?

子供は重荷だ。なら大人は重荷になるな。

子供も赤ちゃんも育てるのは大変だ。
そんなに大変ならなぜ子供の重荷になるような事をするのか?
トゥミはゾンビ化した父をかくまってる。要は介護。
キャンピングカーの家族は最後心中する。これは虐待と考えてもいいし過保護と考えてもいい。
そんな中、アンディは死(ゾンビ化)が迫る中自分をベビーカーする案を実行する。
子供と赤ちゃんを載せて動く大人。
自分の子供じゃなくても面倒を見る大人。
転生思想があるアボリジナルは彼らの埋葬法でアンディ弔った。
彼の様な大人がまたこの世に生を受けることを願ったのかもしれない。
子供がカーゴなら大人はカーゴ車であるべきだと思えた。

備忘録

何故、ゾンビは頭を隠すのか?
トゥーミも絵を描いてたから共通の死に方のハズ。
この世界を見ないフリ?
穴があったら入りたい?

元ネタのショートムービーをなんでか違法アップロードのURL貼ってる人がいる。
https://vimeo.com/56629974
元はこっち。

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