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暴力映画「ロード ハウス/孤独の街」ネタバレ 考察

「何だそいつは⁉ぶん殴れ!」

オードリーの若林がくりぃむしちゅーの上田に
「横柄な大御所とどう絡めばいいですかね?」と
司会者の技術を相談した時、上田が放った言葉。
ムカつく権力者にはやっぱり暴力が有効。
でも暴力は嫌われる。僕の好きな「閃光のハサウェイ」でも
「テロは最終的には支持されませんよ」ってセリフがある。
暴君を殴るとその後、批判されるって話。
じゃあ教えてくれよ。このジレンマを破壊する方法を。

西部劇「シェーン」

しつこく「西部劇みたい」と説明する。南部で行われる西部劇なんだと。
敵は地元の名士で地主。味方は市民。地主と開拓民の対決は西部劇でよく見る対立。ご丁寧に差別の厳しい60年代から祖父がバーを開業したと説明する。とにかく気付いてほしいので何度も匂わせる。
西部劇なのはわかった。他のは?
1950年代の西部劇「シェーン」をやってるってわかってほしい。
「シェーン」は流れ者のシェーンが一宿一飯の恩から開拓民を脅す地主と対決する話。
こんなのは西部劇によくある設定だろうけど、もう少し説明する。
シェーンは銃でトラブルを解決した後、町を去る。ヒーローの彼に「行かないで」とすがる子供に言う。
「殺し屋の烙印は永遠に追って来る。もう元には戻れない。もう帰ってママに『銃は消えた』って言うんだ」
シェーンは流れ者のガンマン、要は殺しで生計を立ててきた。銃っていうのは暴力の象徴。
だから自分も町から消える。
「ロードハウス」のダルトンも人を殺した過去がある。それから逃れようと刺されても抵抗せず、自殺までしようとする。
たまたま知り合った本屋にプレゼントされ、町の人の好かれ、地主に目の敵にされる。で、最後は去っていく。
凄く話が似てる。
似てる話をして何が言いたいのか?
もちろん暴力ついて語りたい。

リメイクのリメイク

この映画は80年代に作られた同名映画のリメイクだ。
その元映画も「シェーン」を元ネタにしてるはず。
西部劇を80年代を舞台にしてリメイク。
その映画を現代を舞台にして再リメイク。
「暴力の時代は終わったよ」と言い去っていくヒーローを現代に蘇らせる理由は今、暴力が必要だから。
フルチンで登場したノックスは暴力を楽しむ男。
雇い主の息子まで殺してしまう。
最後は暴力の化身の二人の戦いになる。もう戦う意味すらないのに。
暴力には中毒性があるみたい。観てるだけの僕ですら暴力に魅かれてる。
決着がついた後最初の言葉がゴメン。
「あぁみんな暴力嫌だよね。ゴメン」って雰囲気がある。
そしてやっぱり町を去っていく。でも彼の弟子とも呼べる二人の若者がいる。これから先も暴力は必要になるって事なんだろう。

備忘録

シェーンを匂わせて暴力を否定してるように見せかけてるけど暴力で楽しむ映画になってる。
もしかしたらシェーンとか僕の妄想で
皆ぶん殴ってハイになろう!って話なだけかもしれない。

シェーンと他に似てる所は元カレが出てくる彼女とキスはするけどセックスまではしない。
シェーンでは人妻と両思いになるけど何もせずに去っていく。
最後に戦う相手は凄腕のガンマン。要は殺人マシーン。ノックスと一緒。
サブタイトルが意味不明。

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