見出し画像

お母さんの読書感想文「昭和の男」

昭和の男
半藤 一利 ・ 阿川 佐和子 著
東京書籍
**********

昭和って、もうずいぶん遠くなってしまったのだな、としみじみ実感した。

歴史と言えば、自分が生まれるずっと前のことだと思っていたが、昭和ももう歴史の一部なんだな。

自分が生きていた時が歴史になっていくのは、寂しいというのとも違う、なんだか不思議な感じがする。


本書は、著者(半藤一利氏、阿川佐和子氏)の対談で構成されている。

話題になる男たちは、それぞれがチョイスした人たちだ。

このチョイスに、それぞれの著者の昭和に対する思いが込められているのだろう。

名前は聞いたことがある程度で、詳しく知らない人が多かったが、そんな人だったのかとおもしろく読んだ。


時代は令和に入り、コロナ禍も相まって、「変化のスピードが加速している」と言われる。

けれども時代の変化は今に始まったことではなく、昭和の時のそれは、スピードが加速しているどころの程度ではなかったはずだ。


昭和の時代、日本は、戦前と戦後ではまるで違う国になった。

一日で価値観がガラリと変わってしまう経験をした人々は、生きていくために必死だっただろう。

昭和の男たちは、良くも悪くも力強く、強引に、自分の信念を貫き通したのだな、と本書を読んで感じた。

時代が違うと言われればそれまでだが、何もかも一から作り上げていかなければならなかった時を生きた人たちは、とにかく必死に自分の頭で考えていただろう。

その部分は、令和の今を生きていく私も見習いたいと思う。

2021年5月31日


この記事が参加している募集

#読書感想文

189,568件

ご覧いただきありがとうございます。よろしければ、ついでにブログにもお立ち寄りくださいませ(^o^)→https://mattaribetty.hatenablog.com/