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【当方見聞録】ソウルの喧騒と食べ物の異国情緒

先日、少しだけソウルに行ってきた。

時差もなく、街の雰囲気もちょっと東京がザワザワした、くらいで実は私はあまり異国感を感じない街ソウル。なので、ちょっと異国の地でリフレッシュ、には全然向いていないはずのソウル。

それでも大きな違いを感じるのは、食べ物だ。

ソウルは食べ物がおいしい。

東京は世界一の美食の街なのはほぼ間違いない。様々な名店が店を構え、ディンタイフォン(鼎泰豐)の 小籠包も、ポールポキューズのスズキのパイ包み焼きも、東京にいながら食べられる。そしてどんな国の料理も王道だけではない独自の変化を遂げ、ここでしか食べられない味を作り出す名シェフも数多くいる。

が、しかし。そういう敷居の高い話ではなく、安くておいしい焼鳥屋さんとか、コスパ最高の回転寿司屋さんみたいな、そういうところにその国の情緒が如実に出る気がするのだが、ソウルはそういう食べ物が、とてもおいしいのだ。

記事冒頭の写真はスンデ、という豚の腸詰(豚の血合いや春雨をつめたもの)をソウルのどこにでもあるその辺のチェーン店で食べたときのもの。500円くらいで山盛り出てくるのだが、これがおいしい。鮮度のよい豚の血合いと、やわらかい春雨。血合いから来ると思しきコクが、チョジャン(辛みそのツケダレ)にマッチして止まらない。これがあればずっとマッコリを飲んでいられそうな。ビールも合う。

そしてこちらはアワビのお粥。お粥って日本だと胃腸が弱った時の非常食的な扱いだが、この滋味深い味わいはそんなポジションに追いやるのはもったいない。アワビのエキスが体のすみずみにほかほかのお粥とともに染み渡るようなそんな味。アワビたっぷり、これで千円ちょっと。朝ごはんにこんなの食べたら、そりゃあ一日頑張れる。


ソウルの食べ物は体の隅々にまで活力をくれる気がするのはなぜなのか。真夜中まで営業している明洞の韓国コスメショップで、安くてモノがよいので行く度に買い込んでしまう韓国コスメを元気な店員さんに売り込まれながら、また疲れたら気軽にソウルに来よう、とぼんやり思うのだった。



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