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従業員の困りごと⑧

 彼は障害者雇用枠で人事部に配属され、事務や経理の補助を中心に業務を行なっていますが、てんかんによる二次的な症状として不安障害があり、なかなか自分の存在意義を見出せず、周りの社員とコミュニケーションを取ることを苦手としていました。

 そこで、その日の業務内容を日報で報告してもらい、上手くできた業務、できなかった業務、反省や改善すべき点を洗い出すことで、1日の振り返りを実施することにしました。
 私はその日報に対して、フィードバックを行うとともに、週1回定期的に面談を実施して、仕事や対人関係に対する不安や悩みを確認して、彼をフォローしていきました。

 面談を継続してきた中で、彼がてんかん発作について常に不安を感じていることを周りの社員のみんなにも知って欲しいという思いがあることに気づきました。

 私は日報や面談を通じて、彼の内面を少しずつ理解することができたので、以前よりもアドバイスしやすくなりましたが、周りの社員にも理解して欲しいと思って、彼に相談してOKをもらった上で、定例会議で障害やその配慮方法のことを話してみました。

 そうすると、定例会議の参加者から「今までは障害に対する理解も乏しく、どう配慮していいのか分からなかった」という意見もあって、彼に対して声をかけることを躊躇したり、距離を置いていたりしたことが分かりました。

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 そうしたことから、てんかんについての勉強会を行い、発作時の対応方法やてんかんに係る二次的症状を理解してもらうことにしました。
 理解をしてもらった結果、彼と周りの社員との距離が今までよりも縮まり、彼への声かけが増えていきました。
 彼もみんなから受け入れられているという安心感が芽生え、その結果、自己肯定感を強めることができてきて、働くことへのモチベーショアップにも繋がりました。

 障害特性を理解するということは、その後の彼を取り巻く社員のコミュニケーションの活性化に繋がり、さらに彼の仕事に対する意欲を向上させることができるため、障害者を雇用している、またはこれから雇用しようとしている企業みなさんに実践して欲しいことだと思います。

YORISOU社会保険労務士法人の大内です。わたしたちは、企業が抱える従業員のお困りごとに対して、積極的にサポートしていきます。また、育児・介護・病気と仕事の両立支援についても、企業を支えていけるよう職員全員でがんばっています!

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