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ブランド事例:リッツカールトン1

ちょっと久しぶりの更新になってしまいました。すいません。これからはもう少し定期的に更新するように心がけていきます。🙇‍♂️ちょっとバタバタしていて。。😂

今日はリッツカールトンの事例を取り上げたいと思います。そうです、ホテルのリッツカールトンです。

「リッツカールトン」というと、どういうブランドイメージを持たれますでしょうか?高級、サービスが良い、一流、格式が高い、欧米のホテル、などなど、比較的プレミアムないいイメージを持たれる方が多いと思います。

さて、それらはどのような理由から生まれているのでしょうか。それは、建物が立派だから?それともお部屋のベッドや調度品が高級だから?宿泊代金が高いから?それだけが理由でしょうか。こちらの事例を見ながら、少し考えを深めていけたらと思います。

まず最初に、リッツカールトンにはCREDO(クレド、信条という意味)があります。全社員が携帯しているカードにそのクレドは書いてあります。

ザ・リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。
私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。
ザ・リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。

詳しくは、こちらのサイトにもあります。

また、そこにはこのようなモットーも書かれています。

「紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です」          "We Are Ladies and Gentlemen Serving Ladies and Gentlemen"

この紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です、という文字は、ホテルの従業員の通用門に掲げられていて、毎日みんなが目にするフレーズになっています。とても良い言葉ですし、素敵な心がけだと思うのですよね。

他にも、サービスの3ステップや、サービスバリューズ(価値)なども細かく規定しています。ここまで細かく提供していく価値を明文化して規定しているところは、徹底していますね。

サービスの3ステップ
1. あたたかい、心からのごあいさつを。お客様をお名前でお呼びします。    2. 一人一人のお客様のニーズを先読みし、おこたえします。
                          3. 感じのよいお見送りを。さようならのごあいさつは心をこめて。お客様のお名前をそえます。
サービスバリューズ:                                                                                          私はリッツ・カールトンの一員であることを誇りに思います。
私は、強い人間関係を築き、生涯のリッツ・カールトン・ゲストを獲得します。
私は、お客様の願望やニーズには、言葉にされるものも、されないものも、常におこたえします。
私には、ユニークな、思い出に残る、パーソナルな経験をお客様にもたらすため、エンパワーメントが与えられています。
私は、「成功への要因」を達成し、ザ・リッツ・カールトン・ミスティークを作るという自分の役割を理解します。
私は、お客様のザ・リッツ・カールトンでの経験にイノベーション(革新)をもたらし、よりよいものにする機会を常に求めます。
私は、お客様の問題を自分のものとして受け止め、直ちに解決します。
私は、お客様や従業員同士のニーズを満たすよう、チームワークとラテラル・サービスを実践する職場環境を築きます。
私には、絶えず学び、成長する機会があります。
私は、自分に関係する仕事のプランニングに参画します。
私は、自分のプロフェッショナルな身だしなみ、言葉づかい、ふるまいに誇りを持ちます。
私は、お客様、職場の仲間、そして会社の機密情報および資産について、プライバシーとセキュリティを守ります。
私には、妥協のない清潔さを保ち、安全で事故のない環境を築く責任があります。

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さて、もう一つ特筆すべきリッツカールトンのブランド価値を構成する要素があります。それは、「ミスティーク」と呼ばれるものです。Mystiqueとは英語で、(近寄りがたい)神秘的な雰囲気、神秘性という意味です。それは、具体的にはどういうことなのでしょうか。こういった有名な事例があります。

【事例】
結婚20周年のお祝いで泊まる予定だった夫婦がチェックインを済ませた直後、急な都合でキャンセルしなければならなくなりました。夫婦はとても残念がっていました。
時間が経ち、ある日、夫婦の家の前に一台の車が停まります。
そして降りてきた運転手が荷物を持ちながら、近づいてきてひと言。
「ホテルからのお届けものです」
荷物の中身は、シャンパンとペアグラス、焼きたてのクッキー、
バスローブ2着、そしてメッセージカードには
こう書かれていました。
「結婚20周年おめでとうございます。お二人のお力になれればと思い、お祝いをお届けします。
スタッフ一同より」

ある意味、マジックのようなサービスですよね。こういったミスティークと呼ばれるような素晴らしいサービスの事例は、ネット検索すると無数に出てきます。こういったサービスはどのようにして生まれているのでしょうか?

ミスティークの裏には、それを可能にするエンパワーメント(権限委譲)という仕組みがあります。従業員が認められている権利は3つ。

1. 上司の判断を仰がずに自分の判断で行動できること
2. セクションの壁を超えて仕事を手伝うときは自分の通常業務を離れること
3. 1日2000ドル(約20万円)までの決裁権

上司に確認します、とかなしに現場のスタッフが判断して決済できるというシステムなのです。お客様にプレゼントをしたいが、後で経費として認められなかったらどうしよう、とか心配しなくて良いのです。

こういった裏側の仕組みがあるからこそ、サービスを超えた最高のおもてなしが実現できているのです。

(続く)


(出典) サービスを超える瞬間 https://amzn.to/2Zhv0k9 

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