老舗会社のブランディング
おはようございます。なるべく毎日「ブランド」について更新していますが、内容については、リクエストいただいたものなど、順番は前後したりしながら書き進めております。読んでくださる方にとって興味が持てるものの方がいいと思いますので、リクエストありましたらいつでもご連絡ください。
今日は老舗会社のブランディングの事例についてお話ししたいと思います。最近は中小企業のブランディングのお仕事もお手伝いしていまして、老舗ブランドのブランディングのお仕事もしています。
この会社は、京都にある200年近くもの歴史のある会社ですが、「ブランド」ということを意識してやってきてはいませんでした。もちろん素晴らしい商品もあり、ビジネスは継続的に成長し続けてきているので素晴らしい経営だと思いますが、ブランドという観点からは、まだまだ改善の余地があるという状況でした。
その課題を他の経営者仲間から指摘され、私が紹介されました。最初はカジュアルにビジネスの状況やどのような商品があるのかなどをお伺いして、ブランドの課題なども聞きました。その時にわかったのは
・既存のお客様を中心にビジネスは安定成長
・商品の品質は素晴らしい
・ただし、「ブランド」という観点からは課題あり
ブランドの構造は簡単にいうと
ブランド = アイデンティティ + 認知 + 評判(約束 + 実行)
という話を前に書きましたが、4つのすべての要素において不明確あるいは弱いという状況がありました。したがって、不明確なものは明確にする。そして、弱いものは強化する。そのようなプロセスが必要だろうと感じました。
まず最初に実施したことは、その老舗ブランドのことを深く知るということでした。京都にまでお邪魔させてもらって、生産工場、研究開発センター、創業の地、本社、複数の販売チャネル、などを視察させて頂き、各ポジションの人たちにインタビューをさせて頂きました。深くブランドのことを理解しないとブランディングの仕事はできません。自分たちもまずは深くブランドを理解することでようやくブランドの仕事を開始できます。
次に実施したことは、社内へのブランドの重要性の研修です。ブランティングというのは販促のようにすぐに何か目に見えた成果が出るわけではありません。そうするとなぜそのようなことにお金と時間をかけるのかという反対勢力も会社の中で出てしまいます。ブランドをつくるというのは全社員で取り組むものだし、そのためには全社員が理解を深めないとなりません。したがって、キーとなる多くの社員の方たちに対して、ブランドに関する研修をして、また自分たちのブランドについて考えて意見を出すような研修を実施しました。
この研修は非常に好評で、①初めてブランドというものについて考える機会を得た、という理解促進の側面もあれば、②自分たちのブランドをもっとこのようにしたいという目指すべき方向性が見えてきた、という側面もありました。ブランドは外部の人に与えられるものではなくて、社員たちがつくっていくものなので、自分たちがこうありたいという方向性を見出していくこと、これがまず最初の出発点としてとても大事になります。
このあと何をしたのかについては、また書きます。
(つづく)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?